プラトン『テアイテトス』を読む

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

プラトン『テアイテトス』144e だが、もし僕たちがそれぞれギターを持っているとして、テオドロスがこの二つは同じように調律されていると言ったら、僕たちはそれをすぐに信じるかね。それとも、テオドロスは音楽の専門家かどうか調べるかね。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

岩波のプラトン全集が archive.orgに全巻あるとは知らなかった。 アリストテレス全集は形而上学とニコマコス倫理学と自然学がある。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

なぜ分ったかというと、為似物という田中美知太郎の『テアイテトス』の訳語の読み方を検索したからで、読み方は分からず。 為似物と偽物が続けてててくるので、ニセモノとギブツと読むのかな。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

プラトン『テアイテトス』154d テアイテトス「ソクラテスさん、もし今の問いに対する僕の考えを答えるなら『ない』と答えるでしょう。しかし、そのすぐ前の問いに対する答えと整合をとるなら『ある』と答えるかもしれません」 すぐ前にプロタゴラスの考えに同意したテアイテトスの苦渋の回答

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

同書154e 僕たちは素人なのだから さしあたりまず僕たちとして望むべきことは、 僕たちの頭に入ってくる様々な考えをよく観察して、それらがいったい何なのか、それらを比べたら互いに一致するものか、それとも全く一致しないもなのかを確かめてみよう

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『テアイテトス』153d〜e 「白色と君が呼んでいる当のものは、それ自体で君の眼の外に何か別個のものとしてあるのではなく、また眼の中にあるのでもない」アリストテレスのカテゴリー論第2章の「基体のうちにある」がこれに当たるか。「白色」は独立離在性（separability、実体）がないと。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『トピカ』1.15、106a37、「正方形の対角線は辺と通約できない」はプラトン『テアイテトス』147d以下の、「面積が３などの正方形の辺の長さ√3などは通約できない」のと同じで、「割り切れない」つまり無理数であるということだが、アリストテレスがこのことを見て快楽を感じるとはどういうことか。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

平方根は正確には無理数ではなく、循環しない無限小数という意味で「不尽根数」と言うらしい。田中美知太郎先生も正しく不尽根と訳しておられる。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

テアイテトス「ありがたく思うの何のって、全くもう大へんにです」（51頁） 昭和四十年ころ林家三平が大流行、「もう大へんなんすから」に田中美知太郎先生も影響されたね

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

しかし、昭和41年版の岩波文庫『テアイテトス』は訳が整理されてなくて、理論的な整合性が取れていないので通読できない。そのためか、岩波文庫の新版はプラトン全集からの新訳になっているらしい。 田中美知太郎先生は、アリスファネスの翻訳はいいのに、本業はいまいちなのかな？

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『テアイテトス』の63頁以下の病人のソクラテスがワインを飲んだ場合の記述の訳は、LOEBの英訳と比べて、シッチャカメッチャカなので理解できないのは仕方がない。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ネットの『テアイテトス』は文庫の古い訳と同じだね

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

またネットの『テアイテトス』の英訳のテキスト版は誤植だらけ。 classics.mit.edu/Plato/theatu.h…

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

ここでソクラテスはプロタゴラスの相対主義哲学を、ワインと飲み手の健康との組み合わせで説明する。 健康な飲み手に出会ったワインは甘く感じられるが、病気の飲み手に出会ったワインは苦く感じられると。それをアリストテレスに出てくるような受動の説明の仕方でやるので、難解になっている

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

で、渡辺邦夫氏の訳を借りてきたが、田中美知太郎訳より分かりやすいとは言えない。特に左端のソクラテスのセリフ。これは前の二つの例をまとめて一般論を言ってるんだが、これだとチンプンカンプン。アマゾンレビューの一人が諦めたのは当たり前 pic.twitter.com/JZ1e0rQrFO

拡大

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

テアイテトスのJowettの英訳の誤植のないのはこちら。 armstrongeconomics.com/library/books/…

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

私は何に出逢ってもこれと同じ感覚を持つことはないだろう。別の物に出逢うのは別の感覚であり、そのとき私は全く別の感じ方をするだろうし、私に作用しているその別の物も、別の人に出逢えば、同じ結果も生み出すことも似た結果になることもない。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

なぜなら、別の物からは別の物が生まれ、別様の物になるからである（ここで重要なのはプロタゴラスの相対論とはこんなものだと理解させることで、ギリシア語の一語一句にこだわることではない）

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

160cのソクラテス「してみると、そもそも僕に対して作用を及ぼすものというのは（→作用を及ぼすものは）、僕にとってこそそれなのであるが（→そうなのであるが）、他の者にとってはそうではないのだとすると」。田中美知太郎訳は肝心なところで余計な言葉遣いがされていて分かりにくくなっている例

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

プラトン全集も岩波文庫の訳を改めたり注を加えたりしたものであるのは、『テアイテトス』160a二注が一つ増えていることからも分かる。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

しかし、161c「おのおののものに思われていること、そのことはそうありもする」は改訳されてない。これは一見して恋愛の話のようだがそうではない。「事実は各人が考えるように存在する」という意味で、「人間は万物の尺度」の言い換え。分かるように改訳してよね。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

162c「物の文句じゃあないが」はそんな日本語はない。田中美知太郎訳はかなりひどい。ここは「諺好きの人みたいに言うなら」「歌の文句じゃないが」。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『テアイテトス』のプラトン全集版には補注が付いていて、それが改版の岩波文庫の注に加えられているが、これはあまり感心しない内容。リドルスコットやコンフォードを批判してるが的外れな感じがする。

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

『テアイテトス』162E末 「このもの」は前の行の「まことしやか」を指すのだが、これはこの訳からだけでは分からない。「まことしやか」とは英語ではprobabilityのことだと、英訳を見ると分かる。 pic.twitter.com/YPppgnshhn

拡大

Tomokazu Hanafusa/花房友一 @tomokazutomokaz

テアイテトス170c 人は誰一人として他人を無知なやつであると考えたり、他人の思いなしを虚偽であると考えたりするような者はないなんてことを、あなた自身にしたところで、またプロタゴラス周囲の誰にしたところで、どこまでも頑強に主張しようと思う者があるでしょうか（何言ってるかわからない）