原研哉さんのツイートから

個人的なお気に入りをまとめ。
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原研哉 @haraken_tokyo

人口は減るが、増え続けるよりましかも。交通渋滞に通勤ラッシュ、地価の高騰や受験戦争には辟易しているはずでは。日本列島に適正な人口密度を探し当てるプロセスと考えればいい。一人あたりの国土の面積は増えることになるわけだから。

2011-12-18 00:46:25
原研哉 @haraken_tokyo

多少所得が減ろうが、少なくなった労働をみんなでシェアしながら、そこそこやっていくくらいのことはできるはず。そういう状況を笑い飛ばして、幸福と誇りを大事に持ち続ける程度の知恵はどこかにしまってある。

2011-09-06 02:00:29
原研哉 @haraken_tokyo

日本は、見渡すと丁寧な手仕事が身の回りにゴロゴロしているので、世界の他の国も似たようなものだろうと高をくくって、世界に手仕事を求めにいくが、よくよく目をこらしてみると、日本ほど充実したものづくりの国は本当にまれだったのだと気づく。

2011-09-06 01:56:02
原研哉 @haraken_tokyo

無闇に安いものを買う習慣を体に染み込ませてはいけない。丁寧な仕事、価値のあるものには喜んで相応しい対価を支払わないと。結果として自分の誠意にも対価を支払ってもらえなくなる。

2011-08-26 11:39:59
原研哉 @haraken_tokyo

人口が拡大していくことは、危機と隣り合わせなのに、どこか幸福感を帯びて感じられ、人口が減少していくことは、ラッシュや渋滞の緩和、食料やエネルギーが不足する状況の改善にも繋がるかもしれないのに、悲哀を帯びて感じられる。

2011-08-17 01:20:47
原研哉 @haraken_tokyo

なんでも鑑定団のおじさんがやってきて、これは年代が違うから偽物、というけど、時代を超えて価値の定まらない本質が、フェイクの中にもあると思う。美術は考古学じゃない。真偽で判定するのではない。絶対音感のようなもので感じる価値。

2011-07-11 10:21:12
原研哉 @haraken_tokyo

何を持っているかではなく、どんな構想を持てるかというところに幸福があると思う。仮想力の大きさや自由さは財産といってもいいのではないか。

2011-06-24 16:00:45
原研哉 @haraken_tokyo

空気というものを、先入観をどれだけ取り払って考えられるか。これは究極の前提あるいは環境だから難しい。それだけにやりがいもある。快適な空気と不快な空気。物体としての空気と心理的な空気。まずは、観察・観察……。

2011-06-19 22:50:37
原研哉 @haraken_tokyo

紙は1:√2に設計されていて折っても折っても同じプロポーション。文字も写真も、基本は四角く設計されているので、紙にもパソコンの画面にもそれはすっと収まっていく。

2011-05-29 11:53:51
原研哉 @haraken_tokyo

人間は世界を四角くデザインしてきた。3や6は安定しているが、4という数は非常に不安定なので自然の中では発露しにくい。時にびしっと立方体の鉱物の結晶もあるがきわめて稀。しかし人間は環境を四角くつくってきた。

2011-05-29 11:42:30
原研哉 @haraken_tokyo

本家取りとは、和歌や連歌などで意識的に先人の用語や語句などを取り入れて用いること。創造性の大半が未来や新しさから来るのではなく、巨大な過去の文化の堆積から何かを引っ張りだし、心に入れて共鳴させることで行われていた時代があったのだ。

2011-04-23 02:26:53
原研哉 @haraken_tokyo

世の中が速く走るときは、後ろからゆっくり落ち穂拾いをしながら進む人も必要ではないか。そう思って歩いてきた気がするが、その仕事すらも忙しいと指摘される。世界が加速すると落ち穂も半端ではない。

2011-04-22 02:51:05
原研哉 @haraken_tokyo

桜を見るといろいろなことを思う。花というものがないと人間の生き死には難しいというようなことを「茶の本」の最後に岡倉天心が書いていた記憶がある。花は「伴侶」なのだそうだ。

2011-04-02 07:59:15
原研哉 @haraken_tokyo

月は自分では光らないはずだが、今日の月はなんだかまぶしい。月並みな感想だけど「希望」を感じる。

2011-03-20 00:52:57
原研哉 @haraken_tokyo

日本は縮小するが、世界の人口は増加を続け、やがて地球のキャパシティを超えてしまう。一方で経済は世界をどんどん均質化し、差異をなくす方向に宿命的に向かう。その果てはまだかすんでいて良くは見えないが。

2011-03-06 00:55:33
原研哉 @haraken_tokyo

東京という街は、ある意味ではこれからだ。江戸時代から世界最大級の人口を擁し、緻密な鉄道網の発達で1300万人が徒歩で暮らせる街。豪華ではないが堅実なビルが林立し、航空機から見る夜景は世界で一番美しいと僕は思う。東京の夜景ほど信頼感ある光の集積はない。これは主観も含めてだが。

2011-03-04 10:03:21
原研哉 @haraken_tokyo

大人になると人は忠告を受けなくなる。時に忠告をされると苦しいし、忠告というものは必ずしも正鵠を射ていない場合も多い。しかしそれを拒絶しはね返すのが強さではなく、その全てを吸い込める受容力が強さでもあるのだろう。

2011-01-16 03:08:12
原研哉 @haraken_tokyo

国という鎧を着ると思考も感情も不自然に尖りすぎる。現在の中国は国家がすぐに全面に出過ぎてやりにくいが、文化の堆積としての中国の果てのない魅力や、未来の可能性を考えると、仲良くやっていきたいという希望が大きくまさる。少し間を置いて冷静に互いの利を考えてほしい。

2010-09-27 19:52:35
原研哉 @haraken_tokyo

太陽と月を、地球で進化してきた生物である人間が見ているという構図は途方もなくダイナミック。昨日は雨で残念だったが「満月」は、やはり特別に感じ入るべき宇宙の事象だと思う。空気が澄む秋にそれを堪能する「お月見」という儀式も感慨深い。「中秋」という言葉がしみる。

2010-09-24 06:50:30
原研哉 @haraken_tokyo

時代を先取りするという考え方は、もうどこかほこりっぽい。いくらたぐっても未来からの糸は無限にたぐり寄せられるみたいに手ごたえがない。

2010-09-22 07:02:34
原研哉 @haraken_tokyo

香川でうどんが発達したのは、米の収穫が不安定で、それを補う意味で小麦を植え、小麦粉として保存食を準備したことに始まるらしい。讃岐うどんはよくも悪くも、「ぶっかけ」のように素に近い食べ方がよりうまい。凝りすぎてリッチにすると色あせるところが面白い。

2010-09-20 05:39:15
原研哉 @haraken_tokyo

工業の国から生活美学の国へと日本は動き始めている。先端技術は喜びや意欲を与えてくれるが、伝統や歴史とともにあることも、人間に大きな充足感をもたらせてくれる。特に暮らしの空間を考えると、新品ではなく、過去からの大きな時間の堆積を栄養にできる感受性が大事になっていくと思う。

2010-09-12 16:03:29
原研哉 @haraken_tokyo

「庭に石を置く」という造形の周囲にはどんな技術や知恵の集積があるのだろうか、と以前から考えていたが、興味深い話を耳にした。石の露出は埋まっている部分の半分くらいがいいとか。数字は定かではないが埋まっている方が多いことが重要なのだそうだ。なるほど、示唆的だ。

2010-09-04 23:10:57
原研哉 @haraken_tokyo

都市は比喩ではなく読まれる書物になる。街を行き交う人々によって、読むことのできる装置として充実していることが、活性する都市の条件になるだろう。書物としての都市においても「編集」という概念は重要であり、人々は少なくとも何らかの編集性を担うようになる。当然能動的な「書き手」も現れる。

2010-07-29 09:37:08
原研哉 @haraken_tokyo

気がつくと新たな環境の中に立っていて、過去とは違う習慣や志向の中にいる。それを「変化」と呼ぶなら、ゾウリムシが自然と光に向かうように、人々は同じように変化をしている。その度合いが個々に多少違うだけ。意識の持ちようで、変えたのか、変わってしまったのか、という認識の差異が生まれる。

2010-07-22 08:41:58