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@OnWinterOrbit
ちょうど一年前の今日、日本の金星探査機「あかつき」と、小型ソーラー電力セイル実証機イカロス、そして4機の小型衛星を載せたH-IIAロケットが打上げられました。ソーラーセイルについては今朝触れましたので、この時間は金星について少しだけ書きたいと思います。
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とは言え、教科書丸写しでは面白くありませんし、今朝のソーラーセイルについても脇道の話でしたので、当然金星についてもそういう話になります。さて、金星地表が最大摂氏500度に達する灼熱の星であるという事は良く知られています。またそれが単純に地球より太陽に近いからではないという事も。
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1950年代、科学者の間では金星も地球のような快適な星だと言う意見が多数派でした。しかし金星から発せられる電波を観測した所、表面温度は考えられているよりもかなり高いのではないかという示唆が得られました。本当に高温なのか。なぜ高温なのか。その研究で名を残した科学者がいました。
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その科学者こそカール・セイガン、20世紀の惑星科学を語る上で決して忘れてはならない人物です。彼はなぜ金星が摂氏500度近くなるのか、その原因を説明する為のあらゆるアイディアを考えます。やがて金星が二酸化炭素で覆われており、その温室効果の結果なのでは、という推論にたどり着きます。
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1962年8月27日に打上げられたアメリカの金星探査機マリナー2は、同時にアメリカ初の惑星探査機にもなりました。1962年12月14日に金星の近くを通り過ぎる際に観測を行った結果、金星の表面温度が摂氏425度であり、また大気の多くが二酸化炭素である事が判りました。
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さらにソヴィエト連邦が1967年に実施したヴェネーラ4による観測でも金星大気の多くが二酸化炭素である事が判り、さらに1970年のヴェネーラ7の着陸機によって、金星地表面が470度にも達する事が観測されました。こうしてカール・セイガンさんの理論の正しさが証明されたわけです。
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ヴェネーラは1961年から83年にかけ16機が打上げられました。金星の大気は高温・高圧、さらに強い腐食性を持つ硫酸も含まれている為、探査機は大気中で大破、それに耐えても地表での活動時間は数十分が限界でした。それでもソヴィエトは果敢に探査機を送り続け、貴重な成果をもたらました。
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その後金星探査は、米国が1987年にパイオニア・ヴィーナス1号と2号を、1989年にはマジェラン探査機による観測を実施します。2004年には欧州がヴィーナス・エクスプレスを打上げ、現在も観測を続けています。そして日本がちょうど1年前に打上げたのが「あかつき」だったわけです。
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「宵の明星」、「明けの明星」として多くの人に親しまれ、最近では日の出前の東の空に輝く惑星群の中で最も明るい金星は、かのセイガン博士が若かりし頃にその謎の一つを解明し、また米ソの探査機が雌雄を決した舞台であり、現在も一機の探査機が活動を続けている、宇宙探査の最前線の一つです。
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そして今、もう一機の探査機が数年後に再挑戦の機会を狙っている星でもあります。そうした背景を踏まえて改めて金星を見つめれば、見慣れたはずのあの輝く星に、また違った姿を見出せるかもしれませんね。かつてセイガン博士が通説に異を唱え、想像もしなかった姿を見出した時のように。

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