- eguchi2018
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Darwin, Charles. (1868) The Variation of Animals and Plants under Domestication, Tecnibook.
2019-08-07 14:54:16「家畜化の原理は我々にとって重要である。その主要な結果は、このように扱われた生物が大きく変えられ、その変異が継承されるということである」p.2.
2019-08-08 03:38:42「ヒトは様々なイヌ科の種を、様々な国々で家畜化してきたと信ずるのに困難はない。もしも1つの種だけが世界中で家畜化されてきたのだとしたら、まさに奇妙なことであろう」pp.13-4. この当時は知られていなかったが、イヌは内的に種分化していないばかりでなく、イヌとオオカミも種分化していない
2019-08-08 09:25:13「[ぶちのような]色の付いたしるしは強く遺伝するのであり、それらは、我々が家畜種の原始的な形態を発見する上でしばしば助けになる。それゆえもし、何か野生のイヌ科の種がはっきりと目の周りに褐色のぶちを示していたら、これはほとんど全ての家畜種の親形態だと論じられるかもしれない」p.18.→
2019-08-08 10:21:56(承前)「しかし英国博物館で多くのカラー図版を見て、全ての表皮コレクションを調べても、このように[ぶちの]しるしがある[野生]種を私は見つけられない」p.18. この辺の着眼点と探求心がさすがよなあ
2019-08-08 10:37:46オオカミ、ジャッカルなどイヌの祖先種と考えられている動物を種間交雑すると子がある程度不妊化し、別種である証拠。他方で全ての家畜犬は、いくつかの異なる種に由来すると考えられているのに、交配しても子が不妊化しない。p.19. あと一歩で本質(イヌの祖先種は1つ)に辿り着きそうなんだが…
2019-08-08 10:59:52「我々の家畜犬は、外見同様に広く違いがあるのに、野生の祖先種たちがそうであると我々が信じているよりもはるかに、互いに繁殖力に富んでいるという事実が残る」p.20. ダーウィンは事実の重みを痛感しつつも、複数種起源説を放棄せず、家畜化過程で不妊が克服されたというパラス説を支持(苦笑)
2019-08-08 11:07:55「淘汰の支配力はこれらの[イヌの形質の]いかなるケースでも適用されてこなかったこと、つまり、重要な部分に可変性がありつつも、その違いは淘汰によって固定されてはこなかったことを、忘れてはならない」p.23.
2019-08-09 12:59:40青い鳥[? blue bird]は羽や尾に黒いぶちを生ずることがあるが、これは色の付いた鳥を掛け合わせた結果であり、またカワラバトから派生したことを示している。ところが、ウマの縞模様は掛け合わせた結果とも言えず、単一の野生種に帰することもできない…しかしそのような祖先種がいたのだろう。p.40
2019-08-09 16:29:58「どんな野生のブタも[家畜種と]相同の付属器官を持たないことが知られているので、現在では、それらの外観が先祖返り(reversion)のせいだと想定する理由はない。もしそうなら、いくぶん複雑で、見た目は不要に思える構造が、淘汰の助けなしに突然発達したかもしれないと認めざるを得ない」p.49.
2019-08-10 10:25:15「セイヨウスグリの歴史において最も興味深い点は、この果実のサイズが徐々に増加してきたことである。…野生の果実の重さの7倍から8倍の間…おそらくセイヨウスグリの果実は今、そのうちに何か非常に新しい独特の亜種が出現しなければ、あり得る最大の重さに到達したのだろう」p.254.
2019-08-20 06:39:14「自然は時折、跳躍に耽ることもあるだろうが、しかし通常は、彼女の歩みは遅く、漸進的である」p.267. ダーウィン本人ではなく、彼が面談した花卉栽培家「ポール氏」の言葉
2019-08-20 10:54:38「自然状態の植物でも時たま起こるが…斑入りは[ヒトにより]種から作られた植物ではるかに頻繁に現れる。…斑入りを病気と考えるべきかどうか、終わりのない論争が行われてきた。…苗木で斑入りであった植物は一般に、種によってその性質を大きな割合の子孫に伝える」p.278. 斑入りも家畜化の効果?
2019-08-20 16:46:22Henrich, Joseph. (2015) The Secret of Our Success: How Culture Is Driving Human Evolution, Domesticating Our Species, and Making Us Smarter, Princeton University Press. =2019 今西康子訳『文化がヒトを進化させた——人類の繁栄と<文化-遺伝子革命>』白揚社
2019-08-21 03:07:46「目標は、社会科学と生物科学のすべての領域の知見を統合し、ヒトの文化的性質に正面から取り組んで、その心理や行動を研究する進化論的アプローチを構築することだった。…人類学のような学問は、とりわけ経済人類学のような下位分野は、あまりにも卑小で孤立しているように見え始めた」12頁
2019-08-21 03:08:12「ヒトという動物を理解し、ヒトの行動や心理の科学を樹立するには、まず、ヒトの本性の進化論を打ち立てる必要があるということだ」14頁 UCLAでロバート・ボイドの指導院生だった模様
2019-08-21 03:08:41「人類の成功の秘密は、生まれつき備わっている知能にあるのではない。…人類進化のプロセスや、他の動物とこれほど異なる理由を理解する上で何よりも重要なのは、人類は<文化に依存している種>である、と認識することだ」21-2頁
2019-08-21 03:16:13「文化習得に秀でた個人が自然選択において有利になった。…この新たに登場した文化進化の産物…が主要な選択圧として作用し、ヒトの脳や身体に遺伝的な変化をもたらした。…文化ー遺伝子共進化…がヒトという種を、自然界には例のない新奇な進化の道筋へと駆り立て…新たなタイプの動物にした」22-3頁
2019-08-21 03:21:49「ヒト社会には、それまでになかった新たな社会的地位(status)が生まれた。プレスティージ(信望・名声)に基づく地位である。ヒトの社会では現在、祖先のサルの時代から引き継いだドミナンス(腕力・権力)に基づく地位と並んで、プレスティージが力をふるっている」24頁
2019-08-21 03:26:38「文化進化によって生まれた自己家畜化のプロセスが、ヒトの遺伝的な変化を促し、その結果、私たちは向社会的で、従順で、規範を遵守する動物になっていった」25頁
2019-08-21 03:28:53「人類の成功の秘密は、個々人の頭脳の力にあるのではなく、共同体のもつ集団脳(集団的知性)にある。この集団脳は、ヒトの文化性と社会性とが合わさって生まれる」25頁
2019-08-21 03:32:24