【シナリオ】クラスメイトに正体を現す敵女幹部(スライム娘編)

学校に潜入していた敵幹部であるスライム娘が正体を現す話
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@akuochiken

「この中に怪人がいる」 そう、クラス中に宣言され、探偵めいた推理が始まる。 そうやって最終的にたどり着いた少女がついに観念する。 「ふふ、バレてしまっては仕方ないわね。本当はもっとねっとりと水面下で進めたかったのだけど」 不敵な笑みを浮かべた少女の身体がどくん、と大きく脈動した。

2019-08-12 07:24:34
@akuochiken

すーっ、っと彼女の身体が、着ている服ごと消え入るように足元から頭の頂点まで透明になったかと思うと、まるでネオンサインのように不思議な輝きを放ちながら変色し、彼女の姿を保った赤く透明な液体の塊へと変化していく。 着ていた服は既に“溶け”、裸の姿の彼女がそこにいた。

2019-08-12 07:31:14
@akuochiken

「私の正体を見破ったことは褒めてあげる。でもね、私の目的までは分からなかったんじゃないかしら?」 まるでそのスライム状の身体を誇らしげに見せつけるように両手を広げ、語り掛ける彼女。 全身から自らの体液を滴らさんとしている彼女は、まさしくスライム娘と呼ぶに相応しい怪人と化していた。

2019-08-12 07:33:59
@akuochiken

目の前で起こった異常事態に恐怖し、男子生徒の一人が教室の外に飛び出そうと駆け去り、扉に手を掛ける。 が、その瞬間、扉自体が寒天のように柔らかく変形し、取っ手を掴むことも扉を開けることもできない。 「ま、私の正体を知られた以上、ここから逃さないのは分かるわよね」

2019-08-12 07:39:38
@akuochiken

スライム娘は流し目に彼の様子を確認すると、今度は広げた両腕で自らの身体を抱きしめる。 「あは、だってこの教室は既に私と同化しているの。脱出口を塞ぐなんて簡単。それに、あぁ……私の体内でニンゲンがもがき苦しむのってとっても甘美……食べてしまいたいわ……」

2019-08-12 07:45:17
@akuochiken

彼女が言い終わらない内に、その扉はぐにゃりと大きく変形し、彼が掴んだ右手からスライム状になって彼の身体を侵食していく。 一瞬にして全身をスライムに包まれた彼は、重力に従うようにずぶぶと床へと沈んでいった。 「いけない。あまりに気持ちよかったからそのまま食べてしまったわ」

2019-08-12 07:47:56
@akuochiken

食べてしまった、ということを表現するように彼女は自らの下腹部を撫でた。 「そうだ、せっかくの機会だからあなたに私の力の一端をお見せするわ」 そう言うと、彼女が撫でていた下腹部がぷくりと大きく膨らんでいく。 そしてその腹を破って出てくるように、その表面から手が、頭が、身体が出てくる。

2019-08-12 08:04:34
@akuochiken

べちょり、と彼女の身体から分離するようにして、未だ固形を保っている床へと産み落とされたそれは、彼女と同じ体色をした人間の少女だった。 「あー……うー……」 意識がはっきりしないのか、それともまだ身体の構築に慣れていないのか、床に貼り付くようにして倒れている少女。

2019-08-12 08:08:06
@akuochiken

「どう? 可愛いでしょう、私の娘は」 自らの娘を愛でるようにしてかがみ込んだ彼女は少女の全身を愛おしく撫でる。 「ほら、しっかりとなさい。そうそう、そうやってきちんと自分の身体を保って、立って」 「ママ……」 あどけない表情をしたスライムの少女がずぶりと立ち上がる。

2019-08-12 08:19:36
@akuochiken

「さぁ、あなたの好きにしなさい。ニンゲンはここに大量にいるわ。ママもあなたのこと、手伝ってあげるから」 彼女が冷徹な笑みを浮かべた途端、びゅるるっと教室の四方八方から触手状の細長い物質が伸び、逃げ惑っていた生徒たちの身体を拘束する。 「あは……あなたも私と一緒になろう……?」

2019-08-12 08:24:07
@akuochiken

少女から最も近い女子生徒の身体に少女の右手が触れる。 そしてそのまま全身を押し付けるようにして少女の身体は女子生徒の全身へと展開されていき、赤色の液体で包み込んだ。 もがき苦しんでいた彼女はやがて抵抗する力を失うようにして静かになり、ぐにゃりとそのスライムの塊が変形していく。

2019-08-12 08:28:05
@akuochiken

そうやって彼女たちがいた場所に改めて形成された、美しい女性の姿をしたスライム。 その姿は、先程襲われた女子生徒の面影を残しながら、母体であるスライム娘のような冷酷で、人間離れした雰囲気を漂わせていた。 「お母様、お待たせいたしました」 「ええ、とても美しいわ。とても」

2019-08-12 08:43:43
@akuochiken

ザシュッ 「あらっ?」 スライム娘の死角から斬撃が飛んでくる。 そして上半身が真っ二つになった彼女は、驚いた顔でその上半身を地面へと落下させる。 「まったく、堪え性のないヒトは嫌われるわよ?」 そう言い残して上半身と、残されたままの下半身が同時に床へと溶け沈んでいく。

2019-08-12 08:48:24
@akuochiken

バシュッっと勢いよく音を立てて、斬撃を放った彼の後ろで守られていた幼馴染みの少女の背後にスライム娘の身体が出現し、一瞬にして少女の身体をその全身で拘束する。 「私の力を見せてあげるって言ってるのだから、黙ってそこで見ていなさいよ」 穏やかに、しかし少し怒りのこもった声で語り掛ける。

2019-08-12 08:53:20
@akuochiken

「私が仰せつかった任務はね、この学校を我々の拠点にすること。本来なら私の体液を全ての生徒に染み込ませて、ゆっくりじっくりこの学校を堕としていくつもりだってけど、この状況じゃ四の五の言ってられないわ。私も強硬手段を使わせてもらう」 少女を拘束する彼女の全身が表皮をなぞるように蠢く。

2019-08-12 09:02:35
@akuochiken

「この子を堕とすのは最後。だってその方があなたも楽しめるでしょう? それまでは私の娘たちがあなたの相手をするわ」 スライム娘との会話に気を取られている間に、彼女の侵食は加速度的に進んでいた。 始めにスライムへと堕とされた生徒を起点に、他の生徒を侵食、同化、分離して増殖。

2019-08-12 09:08:02
@akuochiken

学校全体がスライムの狂宴と成り果てていた。 「ほらほら、あなたが私にかまけている間に大変なことになっているわよ? さて、あなたはどうする? 正義の味方さん?」 彼女は快楽に蕩けるような表情を浮かべながら、彼に向けて微笑んだ。

2019-08-12 09:14:41
@akuochiken

「ふふ、どうやら私の『勝ち』のようね」 息を切らしてスライム娘の元に戻ってきた彼の憔悴しきった様子を尻目に、彼女が高らかに笑った。 事実、彼は健闘した。 孤軍奮闘していた。 本来の彼であれば、目の前のスライム娘の怪人を消滅させて終わり、だっただろう。 だが、人質がいた。

2019-08-12 17:38:53
@akuochiken

彼女を直接叩けなかった彼は、反転して増殖する彼女の娘たちを討伐しようとした。 だがそれも焼け石に水だった。 彼の殲滅速度を上回る速度での増殖、そもそも物理的な攻撃が全く無力であるという事実に打ちのめされていった。 校内の全ての人間を取り込むことで極限にまで増殖した彼女。

2019-08-12 17:44:02
@akuochiken

その狂宴の末に、学校の至る場所に散っていった彼女の娘たちは、教室の壁や床に自らの身体を同化させ、沈んでいった。 スライム娘本来の力では、彼女のいた教室を制御下に置くので精一杯だったが、全生徒を取り込み、生贄に捧げることによって、学校自体を彼女と同化させることに成功したのである。

2019-08-12 17:48:40
@akuochiken

「この学校を我々の拠点にする、ということはね、本来はこの学校の生徒たちを人間の姿のまま我々の戦闘員にさせるつもりだったのだけど、計画変更よ。私がこの学校のすべてを取り込む。そうした上で、ゆっくりと私の全身から、望まれた子たちを産み直していくわ。私自身が拠点になるのよ」

2019-08-12 17:56:07
@akuochiken

剣の切っ先を向ける彼の目の前で、静かに語る。 「理想的な形で任務は達成できていないけど、あなたを手土産にすれば首領も認めてくれるっていう算段よ。だからあなたとこの子だけは、まだ手を出さずに残している」 彼女の全身で拘束、目隠し、猿轡をされ、震えている少女の身体を入念に触っていく。

2019-08-12 18:01:44
@akuochiken

「安心してよ。さっき、あなたに楽しんでもらいたいと言ったのは本心からよ? だからこの子だけは、この学校の生徒の中でも特別。きっとあなたには楽しんで貰えるわ」 スライム娘の身体が完全に目の前の少女へと溶けていく。 最後に拘束を解かれ、彼へと解放された少女の目は、涙に潤んでいた。

2019-08-12 18:08:23
@akuochiken

その惨劇を前にして、彼は一切の静寂に包まれてしまった。 目も耳も覆いたくなるような残酷な現実。 そして、その静けさを破ったのは、改めて聞こえてきた“少女”の声だった。 ↓続く twitter.com/slimymars/stat…

2019-08-12 18:12:53
スラマイマラス🔞 @slimymars

「でも、よく分かったわね、私が『怪人』だって」 幼馴染の少女の形をした赤い粘液が、微笑みかける。床も壁も天井も、すっかり赤い粘液へと変じた教室の中央で、その相手である彼は、膝から崩れ俯いたままだ。

2019-08-12 16:08:56
スラマイマラス🔞 @slimymars

「でも、よく分かったわね、私が『怪人』だって」 幼馴染の少女の形をした赤い粘液が、微笑みかける。床も壁も天井も、すっかり赤い粘液へと変じた教室の中央で、その相手である彼は、膝から崩れ俯いたままだ。

2019-08-12 16:08:56
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