祖父は「英霊」となったが国が遺品として送ってきたのは勲章と間違った名前が書かれた懐中時計だけだった

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井上 雅人 @inounymas

日本近代文化史。文化社会学。ファッション論/史、デザイン論/史、物質生活史、昭和史。

井上 雅人 @inounymas

私の祖父はいわゆる英霊だが、遺品として国が送ってきたのは、懐中時計と勲章だけだそうだ。懐中時計は裏蓋を開けると「大久保」と書かれている。もちろん祖父の苗字は井上だ。英霊と持ち上げても、国にとっては個人など区別しなくていい小さな存在に過ぎないと教えてくれる、貴重な遺品である。 pic.twitter.com/U2v5nVVqBk

2019-08-16 21:56:01
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井上 雅人 @inounymas

「英霊」は遺族を黙らせるためにある言葉だ。国家が英霊扱いするのだから文句は言うな、と言うわけだ。英霊への感謝を訴求する政治家は、国民が英霊に感謝しないと遺族が騒ぎ出して誰も国のために死ななくなるだろう、と言っているのだ。気安く英霊と言う言葉を口にする政治家だけは信用すべきでない。

2019-08-16 22:39:20
井上 雅人 @inounymas

戦没者に対しては、感謝するのではなく悔しみ悲しむべきなのだ。不幸な巡り合わせや、愚かな指導者たちによって命を無駄にされ、それまで努力してきたこと、抱いてきた夢、送れたかもしれない幸せな人生を奪われたのだ。当人たちの悔しさやるせなさに向けて、ありがとうとなどと言えるものではない。

2019-08-16 22:44:42
井上 雅人 @inounymas

ちなみに私の祖父は艦長で、沈んだ船は回収されておらず遺品はない。そのことは当時から分かりきっていたことなので、手違いで他の人の遺品が送られてくることなどはない。遺品を選ぶ担当者も、何を艦長の遺品とするのが相応か考えただろう。担当者が仕事に忠実になればなるほど、個人は消滅するのだ。

2019-08-16 23:11:07
三日月夜 @mikazukiyo3753

@INOUE_MASAHITO @monmonbooks 母の遺品を片付けていた時、戦没したお兄さんに贈られた金杯が出てきました。それはそれは安っぽい物でした。(もちろんメッキ物です)母は生前、命がこんな物にしかならなかった、と言っていたそうです。

2019-08-17 00:30:15
はるまき @harumakikko777

@INOUE_MASAHITO お話を聞き、おじいさまのこと、心から悔しく思いました。大切な人がこのように扱われたらと思うと。 国がすべきは謝罪と、二度と同じ過ちはしないという誓いと、そのための行動。

2019-08-17 01:01:23
石井和裕 インタビュー月20本、モデレータ、ブランディング、PRプランの人 @ece_malicia

@INOUE_MASAHITO 一連のツイートに驚き、学び、悲しみの感情が生まれました。ありがとうございました。

2019-08-17 08:03:24
ゴーダミクヒロ@ただいま成長中 @miqufilo

海軍という国家機関に所属して 艦長という憧れを持って接せられることの多い方の 国の評価がこれ(勲章と遺品、あと恩給)だ。 だとすると、部屋の中或いはスマホの前で 国の策を盲信してがなり立てている 「チンピラ」への最終的な評価は 舌すら出さないだろう。 twitter.com/INOUE_MASAHITO…

2019-08-17 07:38:20