NHK朝ドラで解雇の危機に立ち向かったヒロインは「なつぞら」が初めて!? タシマシさんによる歴代朝ドラヒロインの職業考察

NHK「なつぞら」第20週の内容について、twitterユーザーのタシマシさんのツイートまとめ
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リンク 連続テレビ小説「なつぞら」 連続テレビ小説「なつぞら」 記念すべき100作目は、戦後、北海道の大自然、そして日本のアニメーション草創期を舞台に、まっすぐに生きたヒロイン・なつの夢と冒険、愛と感動のドラマです。 3 users 8671

第119話で、なつ(広瀬すず)は、同僚の茜(渡辺麻友)が会社に産休の報告に行った時、東洋動画の社長・山川(古屋隆太)から産後は契約社員として働いてもらいたいと言われたと知る。神地(染谷将太)は、そんな会社のやり方に対してどうしても納得がいかず、憤る気持ちをなつたちにぶつける。

第120話では、なつの妊娠が発覚。夫の坂場(中川大志)とこれからもアニメーターとして働き続けたいという想いを再確認する。下山(川島明)と神地に、たとえ契約社員になっても働くつもりだと伝えると、2人はなつが正社員として働き続けられるように会社と交渉しようと他の社員に呼びかける。アニメーター全員で社長室へ。これは組合のデモかストライキかと驚く山川社長。交渉は成立し、なつは産休明けも正社員として作画監督を任されることになった。

https://realsound.jp/movie/2019/08/post-402513.html
https://realsound.jp/movie/2019/08/post-402917.html

タシマシ @TussyMussyRouge

物書きのはしくれ。関心分野は、ディーセント・ワーク、若者研究。政治的スタンスは、革新派。

「なつぞら」の”マタハラ”場面について、「子供が生まれたら退職して契約推奨」も、それに対する労組の抗議も史実

タシマシ @TussyMussyRouge

「なつぞら」、産休明けで作画一枚いくらの「契約」になるよう勧奨するというのが出てきました。これ、史実です。「契約」は、契約社員ではなく、雇用関係のない「個人請負」なので、雇用打ち切り(解雇)です。よくぞ、アニメ業界の大問題を出してくれました。

2019-08-16 08:08:44
タシマシ @TussyMussyRouge

東映動画労組の結成時の執行部に、奥原なつのモデル奥山玲子さんの名前。子どもが生まれたら退職という「女子の誓約書」破棄を要求しています。 pic.twitter.com/VEgj6lB9y6

2019-07-23 10:05:39
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タシマシ @TussyMussyRouge

今日の「なつぞら」放送で、再びリツイートされてますね。なつより後に入社した女性たちが「子どもが生まれたら退職」という誓約書を書かされたのも史実です。 twitter.com/tussymussyroug… pic.twitter.com/iwaRdBvX27

2019-08-16 08:12:10
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タシマシ @TussyMussyRouge

「なつぞら」、子どもができたら退職させられる社会情勢で、仕事と子育ての開拓者になって「笑って母になれ」とサブタイトルをナレーションで入れる。これを観たかった。

2019-08-16 08:16:57
タシマシ @TussyMussyRouge

「なつぞら」で、社長が「契約」(個人請負)の方が稼げると誘い文句でしたが、これも史実。当時、男女・学歴・採用形態等で大きな賃金格差があり、同じ仕事で低賃金な不満につけこみ、個人請負に誘導したんです。差別が新たな差別を生む。それに真っ向から立ち向かったのが、東映動画労組でした。

2019-08-16 08:23:54
タシマシ @TussyMussyRouge

東映動画で、作画枚数の出来高「契約者」(個人請負)を急増させたのは、テレビアニメ参入時です。「なつぞら」はそのときに「契約者」問題に触れませんでした。それは仕方ないかとも思いましたが、マタハラで持ってくるのが、現代に刺さるナイスな問題提起です。

2019-08-16 08:38:57

NHK朝ドラで解雇の危機に立ち向かったヒロインは初!? 歴代朝ドラヒロインの職業考察

タシマシ @TussyMussyRouge

「朝ドラ」全作品を把握してるわけではないですが、「なつぞら」以前に、ヒロインが解雇の危機に対して、立ち向かったことはなかったんじゃないでしょうか。これまでの朝ドラでは、雇用喪失が天職と出合う転機になっていることが多かったと思います。そういう点でも「なつぞら」は新しい。

2019-08-16 12:24:43
タシマシ @TussyMussyRouge

たとえば「なつぞら」富士子役の松嶋菜々子さんがヒロインだった「ひまわり」(1996年前期)では、会社のリストラをきっかけに弁護士になります。

2019-08-16 12:31:18
タシマシ @TussyMussyRouge

朝ドラは、そのドラマの時代に女性が仕事のやりがいと家庭の幸せを模索するのが基本設計だと思うのですが、シビアな労使関係が描かれることは少ないため、ヒロインのメインの仕事は自営業(とくに飲食)やフリーランス的なものに偏りがちでした。最近は経営者が激増でしたね。

2019-08-16 12:39:18
タシマシ @TussyMussyRouge

10年代を分類すると、 無職1(ゲゲゲ) 自営・個人営業9(飲食4てっぱん、おひさま、ごちそうさん、まれ、他5カーネーション、梅ちゃん、あまちゃん、花子とアン、半分青い) 経営者6(純と愛、マッサン、あさが来た、とと姉ちゃん、べっぴんさん、わろてんか、まんぷく 雇用2(ひよっこ、なつぞら)

2019-08-16 15:27:15
タシマシ @TussyMussyRouge

10年代朝ドラの職業問題でいうと、まず「ゲゲゲの女房」のヒロインが専業主婦で一時的にも外に働きに出ないというのが驚きで、さらに朝ドラの人気を回復したというのが複雑な気持ちで見ましたね。いい話ですけど。

2019-08-16 15:34:03
タシマシ @TussyMussyRouge

朝ドラは、雇用喪失を転機に、天職につく(たいてい自営業や個人経営)のが定番の1つで、「てっぱん」もその流れですね。雇用喪失の理由が、会社倒産や経営難なのも、解雇問題でシビアな状況を避けるため、よく使われるパターンです。

2019-08-16 15:46:02
タシマシ @TussyMussyRouge

「おひさま」は、舞台の安曇野を旅行する程度には視聴しましたが、雇用の点では、教師になるものの、子どもがいることで退職勧奨されるマタハラにあい、結局、退職し、自営でそば屋になります。マタハラに立ち向かうヒロインが描かれるには「なつぞら」を待たなくてはなりませんでした。

2019-08-16 16:04:32
タシマシ @TussyMussyRouge

「カーネーション」はドラマとしての評価は高いのですが、仕事的にみると、呉服屋に生まれ、洋裁店を開き、デザイナーとして活躍するという、生育環境の文化資本・社会資本の重要性が身にしみる内容です。

2019-08-16 16:31:00
タシマシ @TussyMussyRouge

「純と愛」は賛否ある作品ですけど、修行先のホテル買収で、従業員が職場を守ろうと団結する場面があるんですよね。しかし、ヒロインの実家ホテルが危機になって、話が転換してしまい、その後は無慈悲な展開が続くわけですが。

2019-08-16 16:44:30
タシマシ @TussyMussyRouge

「あまちゃん」は、仕事の観点では特別な作品で、海女からアイドルという着地点の見出せない職業にしながら、「震災復興」で押し切ってしまったように感じます。近年の現代を舞台とした朝ドラは、仕事の着地点がなくて苦労しているんですけどね。まあ、あまちゃん大好きですけど。

2019-08-16 16:56:59
タシマシ @TussyMussyRouge

「あさが来た」は、封建的な時代にヒロインが「なんでどす」と言って社会進出を果たしていく初期は清々しいのですが、大企業経営者として社会上層に収まってしまうのが労働クラスタの私にとっては失速気味でした。

2019-08-16 19:08:20
タシマシ @TussyMussyRouge

「とと姉ちゃん」は、経営者とすべきか自営業に近いんじゃないかと迷いました。大手出版社経営ではなくて、ジャーナリスティックでもある雑誌づくりなので好感が持てることは確かです。ヒロインは解雇になっているんですが、戦前なので戦後と同じ感覚でたたかえとはいいにくいですね。

2019-08-16 19:29:13
タシマシ @TussyMussyRouge

「べっぴんさん」は戦禍で苦労したように描かれましたが、拭えぬ閨閥感。経済力のほか、文化資本・社会資本の強みですよね。ヒロイン役の芳根京子さんに注目していたので見ましたけど。

2019-08-16 19:48:16
タシマシ @TussyMussyRouge

「ひよっこ」は10年代朝ドラで「なつぞら」と並ぶ労働者ヒロインでしょう。集団就職はすぐ失業した若者も多かったというので、その点はリアル。集団就職先は中小が圧倒的でした。しかし、向島電機の規模なら労働組合があってもいいのでは。倒産で雇用喪失から天職への流れは従来を踏襲。

2019-08-16 20:10:01