プロットの話

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ところでみんな、プロットって書いてるの？

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プロットっていうのは物語の設計図のことよ。 シナリオがどんな風に始まって、どんな風に展開して、どんな風に帰結するのかを、執筆前に設計しておくのよ。 「ラストまでのネタバレも含むあらすじ」って感じかしら。

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以前、twitterで漫画家講師の竹熊健太郎先生が 「最近の子はプロットが書けない」って話をしてたのよ。 それでちょっと気になったのよね。

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でも、のべるちゃんで人気のある作品を見ていると 「設定から派生していく物語」より 「プロットを消化していく物語」の方が評価されている傾向にあるわ。 どうもプロット組んでる人が強いのよ、のべるちゃんって。

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おそらくのべるちゃんがシステム的に、 「長編作品や連載作品に向かない」ってのが大きいと思うんだけど。

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これこれ、これだわ。 竹熊健太郎氏「大長編漫画を見て育った若者達は、作品のプロットを書くことが出来ない」 - Togetterまとめ togetter.com/li/672056 @togetter_jpさんから

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見切り発車で大それた話を始めてしまった気がするわね。 何も書きためてないから、だらだらいくわよー。

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ちなみに世を忍ぶ仮の職業でシナリオなんかを書いてる私は、物語のラストまでのプロットが無いと怖くて書き始められないタイプなのよ。

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で、ライターの初心者向けの本とかで「プロットの書き方」みたいなのを見ると、 『起承転結』とか『この作品の見どころ』だとか、自分の作品を色んな項目に当てはめてみましょう、みたいなのをよく見るのよね。

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私、プロットは書くんだけど、自分の作品をこういう項目に当てはめたりするのは苦手なのよ。 そんな難しいことか？って思っちゃうのよ。

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この話、どこに転がそうとしてるのかしら、私…… たぶん、プロットを書く作家さんの、プロットの作り方って人それぞれだと思うんだけど、私が短編を書く時の超お手軽なプロットの書き方でも紹介しようかしら。

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いや、大したもんじゃないのよ、ほんと。 でもこの方法だと、割と読者のウケがいいのよ。 『お手軽ミステリー風小話プロットクッキング』って感じかしら。 うまく説明出来るか不安だわ。

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（１）「どうしてこうなった……」な状況を考える。 （２）「どうしてこうなったのか」を無理やりでもいいので考える。 （３）上記ふたつを、登場人物の目線で解消していくお話を考える。 以上よ。

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さーて、ポカーンとさせたわね、私。

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これは私、荒波に漕ぎだしたかしら。 冷や汗が出るわ。 じゃあ（１）の例をまずなんでもいいから出してみましょうか。 完全に行き当たりばったりだから注意してよ。

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（１）「どうしてこうなった……」な状況を考える。 ここは読者の心をまずつかむところよね。 ネットで「どうしてこうなった……」はよく使われるでしょ？ 「何があってこんなことになったのか、さっぱり状況がつかめない」っていうやつよ。

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じゃあ、例えば…… 「朝起きたらうちのばあちゃんが世紀末覇者になっていた」なんてのはどうかしら。 テキトーに書いたラノベのタイトルみたいになっちゃったけど……

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やばい変な汗出る。

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ある朝、主人公が起きると、茶の間にラオウがいるのよ。 「世に覇者はひとり！」とか言ってめっさオーラ出してるのよ。

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でも主人公がつぶさにラオウの行動を見ていると、どうもおかしいのよ。 朝ごはんはちゃんと出来てるし、自分の名前も知ってるし、「うぬの手は借りぬ！」とか言いながらぬか漬けの手入れしてたりするのよ。

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そこで主人公は気づくのよ。 なんだか分からんけど、このラオウはどうやらこれ、うちのばあちゃんだぞ、と。 ばあちゃん、なんかしらんけどラオウになっちゃったらしいぞ、と。

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はい、ここまでが （１）「どうしてこうなった……」を考える。 の部分よ。 なんでもいいから「どうしてこうなった……」って読者に思わせればいいのよ。 例が悪かった気もするけど、思いついちゃったんだからしょうがないでしょ。

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さあ、次は （２）「どうしてこうなったか」を考える。 とにかく（１）を考える時は、後先考えずにめちゃくちゃなこと考えていいのよ。 興味をひきつけるところだからね。 後から（２）でじっくりその責任とってくのよ。

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はいじゃあ、私、今から 「ばあちゃんが、どうしてある朝、世紀末覇者になってしまったのか」 を、リアルタイムで考えます。 ちょっと時間ください。 よかったらみんなも考えてみて、「どうしてこうなったのか」、を。

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ある日、ばあちゃんは近所の友だちと一緒に墓参りに行くのよ。 みんな相方を亡くしている友達ばかり。 でも、お寺に行く途中、あんみつ屋が半額で長蛇の列が出来ている。 ばあちゃん、どうしても、あんみつが食べたい。友だちも食べたい。 なので、並ぶ。