ローレンス・サマーズ「今後の経済で金融政策がマクロ経済安定化の第一手段となるかは疑わしい」

とりいそぎ保存。 余裕ができればあとで翻訳などできればと思います。 →遅ればせながら、邦訳いたしました。後半にて掲載。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

第三に、銀行の破綻のリスクがある。 低金利は銀行の利益とフランチャイズバリューを圧迫し、いかなる資本規制水準においても、不利なショックに対する脆弱性を高めることになる。 22 /

2019-09-22 21:51:03
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

第四に、金融政策の有効性のさらなる低下のリスクがある。 低金利が「借入」需要を将来から現在へと切り替えさせる(企業や消費者が投資・耐久財購入を前倒しするという形で)という点を鑑みると、現在の低金利は、将来での金融政策効果のさらなる低下を示唆するかもしれない。 23 /

2019-09-22 21:51:35
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

マクロ経済学者がフォーカスすべき真っ当な論点は、適切な総需要の保証である。 我々は、中央銀行が「そうした障害は制御下にある」「今ある政策手段を用いれば、そうした障害は制御可能である」と提唱するのは危険だと考えている。 24 /

2019-09-22 21:51:59
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

特に財政赤字の持続可能性にとって低金利またはマイナス金利が意味することを考えると、財政政策に大いにフォーカスを当てる必要がある。25 /

2019-09-22 21:52:18
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

しかしながら、需要水準は構造的政策の影響も受ける: 例えば、賦課方式(pay-as-you-go)の社会保障、退職年齢の引き上げ、社会保険の改善、民間インフラ投資への支援、貯蓄性の高い富裕層から流動性に制約のある貧困層への再分配といったものが挙げられよう。 26 /

2019-09-22 21:53:15
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

1970年代の高インフレと高金利は、マクロ経済的思考、政策、制度に革命を齎した。過去10年間の低インフレ、低金利、停滞はより長く、深刻であり、最低でも同等の対応に値する。 27 /

2019-09-22 21:53:44
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

我々はそうした革命がジャクソン・ホールのテーマ「金融政策に待ち受ける障害」("Challenges for Monetary Policy")から沸き起こることを願って止まない……が、我々はあまり期待してはいない。 28 /

2019-09-22 21:54:57
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

しかし、金利政策の不確実性の主張(それに基づく伝統的IS曲線への疑義)、利子率論へ単純に還元しようとしてきた既存のNK的議論への批判、財政政策(及び構造的政策)へのフォーカス、どれをとってもMMTerのこれまでの主張と瓜二つという感想。 反目しているはずの両者が、面白いまでに似通っている。 twitter.com/motidukinoyoru…

2019-09-22 22:22:17
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

大変今更ながら、ローレンス・サマーズの以下の一連のツイートスレッドを邦訳いたしました。 あくまで試訳であり、文意を完璧に保証するものではないことはあらかじめご了承ください。 一応留保しておきますが、ツイートに添付する画像は、サマーズの元ツイートのものです。 twitter.com/LHSummers/stat…

2019-09-22 21:28:48
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

手前味噌ながら、「MMTと修正NKの悪魔合体」という私の独自路線にようやく世界が追いついてきたな……とか思ったり思わなかったり。 あと、サマーズは、自分の考えを「新しいオールドケインジアン(New-Old Keynesian)」と自称しているのだけれど、この感じだと素直にPKに合流するのが筋な気も。

2019-09-22 22:31:49