戦争と映画

とうぎゃれと言われた気がした・・・ 戦争という事実とフィクションである映画の間に横たわる溝
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岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa これはちょっと余談なんだけど、戦争の悲惨さを実体験として知らない世代のクリエイターさんは、そこを想像力で可能な限り補おうとするから、時として(ひょっとしたら)実際以上に恐ろしいモノに描いている可能性はあるよね。

2010-04-12 01:49:34
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa 同じノルマンディーものでも、『史上最大の作戦』より、『プライベート・ライアン』のほうが、遙かにハンパねえし(@@)。「恐ろしいモノなんだ!」っていうのを伝えたい使命感と、なのにそれを実体験として知らないというジレンマが、描写の残酷さを一層加速してる気がする。

2010-04-12 01:51:28
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa もっとも、俺はそういう風潮は「全面的に正しい!」と思うけど。実体験者が減ってるからって、その機会を作ってはゼッタイにイカンわけだから、コレは「モノ騙り」を生業にする人間の良心。おかげで「ミリタリー」というジャンルの無邪気さは失われたけど、致し方ありますまい。

2010-04-12 01:53:33
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa つまり、ガキのうちから『プライベート・ライアン』や『シンドラーのリスト』をみせて、オシッコちびるレベルで「戦争イクナイ!」を叩き込むのが現代の叡智であり、ゼロ戦のプラモ買い与えて「坂井サブロウさんは、この機体でな……」とか教えちゃうのは、やっぱアレだ、と。

2010-04-12 01:56:03
柳川邦彦 @kyanagawa

@ADLAHIR ただ個人的には、映画のどんな残酷シーンよりも、実録映像や実際の戦争の記録の方がはるかに恐ろしいと思うんです。映像の世紀とか。なので、「実際以上に恐ろしい」という点については少し疑問があります。昔より今の映画の方が残酷、というなら同意なのですが。

2010-04-12 01:59:12
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa あ、そこは俺、考え方が逆です。例えば教科書に載ってる虐殺写真とかって、教科書に載った段階で「記録」としてしか、見られなくない? 『映像の世紀』が恐ろしいのも、そこに編集と演出があるからだと思うし。

2010-04-12 02:01:46
柳川邦彦 @kyanagawa

@ADLAHIR 戦争イクナイを教えるなら、変にメッセージ性を持たせるより、淡々と「戦争ってこんなんだぜ」を見せる方が効果はありますよね。あと、兵器をカッコいいと思ってしまうのは止む無しとして、現実の戦争はそんないいものじゃないんだぞ、と教えることも大事。

2010-04-12 02:02:15
柳川邦彦 @kyanagawa

@ADLAHIR うーん、その辺りはけっこう個人差があるのですね。私は映画だと、「作られたエグい映像」に感じてしまう面があります。それでも硫黄島からの手紙などは、史実に基づいていることを承知していたせいもあって、何ともやるせない気分になりましたが。

2010-04-12 02:05:15
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa 考証は大前提として、「こんななんだぜ」の「こんな」にどこを切り取るかって部分から、もうすでに作為は働いておると思うのデス。ぶっちゃけ我々の「戦争観」って、そうやって作られたモノでしかないはずで、だとしたら一番力があるのは「物語」なんじゃねえか、と。

2010-04-12 02:06:59
柳川邦彦 @kyanagawa

なお、個人的に反戦アニメとしてポケ戦は相当なものだと思う。「人殺しなんて!」とかベラベラ言っちゃう08小隊より、ラストのアルの涙の方がずっと重い。

2010-04-12 02:07:25
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa 例えば『史上最大の作戦』とか、『空軍大戦略』なんかを観てると、当事者が協力してるにも関わらず、やっぱし戦争に対して一種ヒロイックな部分も、あったりするんですわ。翻って想像するに、現場における戦争の「悲惨さ」ってのには、グラデーションがあって当然かな、と。

2010-04-12 02:09:30
柳川邦彦 @kyanagawa

うーん、ちょっと条件がばらけてきたかも。私の立ち位置は、目的が同じで、どちらもそれを意図した演出なりを加えてあるなら、作られた映像よりも現実に存在した記録の方が説得力がある、という感じです。もちろん、目的や演出(大将の言う作為の一部かな)という条件が違えば、結果も変わるはず。

2010-04-12 02:11:14
岡島正晃 @ADLAHIR

もちろん戦闘は悲惨なモノなんだろうけど、常に戦闘してたトコ以外では、「悲惨じゃない戦争の日常」も、やはりあったはず。同様に、勝ち戦でハイになったことも、きっとあったでしょう。でも、「戦争の悲惨さ」をこそ訴えるのであれば、それは映画やドキュメンタリーの映像からは、抜け落ちていく。

2010-04-12 02:13:01
柳川邦彦 @kyanagawa

@ADLAHIR そこは同意です。当事者だろうとそうでなかろうと、価値観は結局は主観なわけで、教育や考え方、当人がいた状況によって相当変わってくるはず。戦中世代が徴兵制を訴えたりする場合もありますものね。

2010-04-12 02:13:14
岡島正晃 @ADLAHIR

で、結局そういう「作為」があるなら、物語の力をフル活用して、それを増幅した「映画」のほうが、俺はコワイと思うなぁ。記録映像は、誰かの心を動かす目的で撮ってるワケじゃないし。

2010-04-12 02:14:42
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa 要はアレだ、すごくカンタンに言えば「ノルマンディーで○千人が死にました」ってナレーションとともに、兵士の死体の映像をみせられるのと、実際に○千人が「死ぬところ」を見せられるのでは、どっちのほうが強度がデカイ? っつーハナシで。 

2010-04-12 02:16:41
柳川邦彦 @kyanagawa

うーん、つまるところ「どちらが効果的か」という部分は受けての価値観によってしまうのかな。私は事実をなるべく淡々と並べる方に説得力を感じる。いや、並べる事実の選択の時点で作為が働いてるのはもちろんだけど、それ以上に過度の演出が入ると冷めてしまう。

2010-04-12 02:17:55
柳川邦彦 @kyanagawa

具体的にいうと、お涙頂戴にしてしまうプロジェクトX形式は嫌い。お涙頂戴にする過程で抜け落ちる情報が多い。YS-11にせよH-IIにせよ、そんな泣ける物語ではないし、泣ける物語にしてしまった時点で重要な学ぶべきものなんかがごっそりなくなっていた。

2010-04-12 02:19:23
柳川邦彦 @kyanagawa

@ADLAHIR うん、その例えで私は多分、少数派なんだろうと認識しました。私は前者の方が強度がデカいです。でもたしかに大勢の心に訴えかけるなら、後者の方が効果的ですよね。

2010-04-12 02:20:37
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa @shinobu_o 作為の入らない情報というのは、いわゆる一時情報だけでしょうけど、例えば作戦指令書を見ても、誰もその悲惨さはわからないですしね。これを「事実」として教えるのと、『プライベート・ライアン』みせるのと、どっちのほうがガキがビビるか、と。

2010-04-12 02:20:56
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa あ、もちろん、「映像を読み解く」力がある人とか、対象の実態をある程度わかっていて、研究家的側面で観る人は、また別よ。俺がしているのは、あくまでも「戦争の悲惨さ」というリアリティを喪失した人類が、どうやってそれを継承するかって話でね。

2010-04-12 02:23:03
柳川邦彦 @kyanagawa

ああそうか、最初の前提である「子供に見せるなら」が抜けてたんだ私! ただ、それでもなお、子供に実際の記録も併せて見せるのは大事だと信じる。よくできた作り物、と受け止める年齢は必ず来ると思うし。

2010-04-12 02:24:16
岡島正晃 @ADLAHIR

@kyanagawa あ、あともちろん、「モノガタリ」にする段階での、作り手側の腕とリサーチは、ものすごく大事。ぶっちゃけ、あのラストさえなかったら『シンドラーのリスト』は素晴しい映画だったんだよ! 余計なコトすんじゃねえぞスピ(以下略)。

2010-04-12 02:25:03
aodanuki @aodanuki8

戦争映画はどちらかの軍を主人公にする出発点の時点で絶対に偏りが出てしまいそうだから、作る人は大変そうだなぁ。

2010-04-12 02:28:15
aodanuki @aodanuki8

眼下の敵は、戦争映画をあまり見ない私の中でも結構好みだったりする。ああいう風に敵味方を描いたそれだけで反戦映画になり得るのだと。

2010-04-12 02:30:31