讃岐弁の名詞のまとめ（讃岐弁たん）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

痃癖（けんびき）（名詞） 中国、四国、一部九州、一部近畿、長野、茨城、岩手にあります。 痃癖は江戸時代には肩こり、または肩（肩甲骨のあるあたり）、肩の按摩の意味で、かなり広い地域で用いられた語です。 香川では徳島、愛媛と共通で原義の1と派生的な意味の2があります。

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1.疲れによる肩こり 2.疲れによって風邪に似た何らかの軽い症状（頭痛、熱、口内炎、歯痛、だるさ、肩こり）が出ること 2の意味の中では口内炎をさすことが比較的多いです。体の部位としての肩はいいません。 何か えらいわ、まあ けんびきじゃろ （何か疲労感があるな。まあけんびきだろう）

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香川の年配の人は、本人もよく分かっていない謎の病名として「けんびき」という語を多用します。標準語にはありませんがわりと持ちこたえている部類の単語と思います。痃癖という漢字表記はほぼ知られていません。

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「ねくじょ」（名詞） 1.幼児が、夜眠くなるという身体的な作用で機嫌が悪くなり、泣く、不満を訴えるため意味の通らないことを言う、親に抱きついてもぞもぞするなどの行動を見せること。 2.赤ちゃんが、寝つきが不安定なせいでちゃんと寝られずに半覚醒の状態になり、その不快感から泣くこと。

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これをさす標準語の特定の単語を知らないんですけど、「眠くてぐずぐずする」のようにうまくフレーズで言うんでしょうかね？

Kyoko　本が好き @kikilangstrumpf

@Sanukiben_tan 一般的な言い方「寝ぐずり」だと思います。岡山県では「ねくじを言う」というのが聞いたことあります。

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「銭（ぜに）」（名詞） 銭は一応全国的な語ですが、標準語で「銭」を使うことってなくなっていませんか？讃岐弁では今はジジババっぽい響きになっているものの「お金」の意味で用いても自然です。 仮想通貨いう 銭は どなな もん なんかのう？ （仮想通貨っていうお金はどういうものなのかねえ？）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

「ものご」（名詞） ものを入れておいたり持ち運んだりするために、ものの周囲の空間をしきる固体。 かご、箱、袋、碗、タンスのものを入れる個々の区画、小さい物おき部屋など、範囲がよくわからないあいまいな語です。

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「いりこ」（名詞） 西日本の方言で「煮干し」を「いりこ」といい、香川でも「いりこ」を用います。讃岐うどんは最低でいりこ一つ、加えてそのほかの材料でダシを取ります。 ぼく勉の緒方さんくのうどん、ダシはいりこなんえ？ （ぼく勉の緒方さんのところのうどんは、ダシは煮干しなのかい？）

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「遍路」（へんろ、へんど）（名詞） 1.四国にある88カ所の寺をめぐりあるく人。白い服で頭に笠をかぶって杖を突いてリュックサックを背負って歩く姿が定番。寺にいけばポケモンのごとく普通に会いますが、相当山の中や高松の中心部以外の、寺の近くの区域で歩いているのもたまに見かけます。

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

中高年の方が多いのですが、「こいつらどこで中国仏教の日本の真言宗の四国の寺のそのお参りとかいうピンポイントな行為に興味もったんじゃろか」と思う若いカップルや外国人もまじっています。スマホで地図見てます。

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2.乞食 四国の方言で単に「遍路」というと、通常は「乞食」の意味です。ここはアンダーライン引いてください。1の意味では「お遍路さん,-はん」がよく用いられます。

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いきしな、いにしな、帰りしな、来しな（名詞） いく、いぬ、帰る、来るに「しな」という独立性のない成分のついてできた名詞です。移動している状況に時間のニュアンスを加えた意味で、「いく、帰る、来るとき」または「いく、帰る、来る途中」と訳せます。

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

移動の際にあったことを後で語るときや、移動のついでに何かをするという場合によく用います。いきしな、いにしな、帰りしなは、いきし、いにし、帰りしと言うこともあります。

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

あそこらへんの 店は どこぞ いきしなで 人が 寄るけん 楽じゃわの。 （あそこあたりの店はどこかにいく途中で（ついでに）人が来るから具合がいいよね） うわ、いにしなの 奴隷が 電車に ようけこと おるがい！ （うわ、帰宅途中の奴隷たちが電車にたくさんいるねえ！）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

今日な、帰りしなに 野良猫がテレパシーで「お前うどん好きか？」いうて 聞いてきたんよ。 （今日ね、帰るときに野良猫がテレパシーで「お前うどん好きか？」って聞いてきたんだ） 来しなから 雨 降りだしてな、傘 持っとってよかったわ。 （来る途中で雨が降りだしてね、傘を持っててよかったよ）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

上のいきしな、いにしな、帰りしな、来しなの四つは文句なく使えますが、では一般的に動詞（の連用形）に「しな」をつけて「～する途中」 とするのが可能かというと、そこははっきりしていません。ものによって使えそうな使えなそうなあいまいな感じです。

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

「んく／んき」（名詞）、単独で用いず、人を表す名詞につけて「～の家」を表します。話し手が自分の家をいうときは、「わしんく」のようにも言いますが、単に「うち」か「うちんく／うちんき」というのが多いです。 お前んくに遊びにいてかまん？（おまえんちに遊びにいっていいか？）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

ごくとれ（名詞） 食い扶持を消費するだけで経済的に負担にしかなっていない家族の者をいう語です。「ごくつぶし」と同じ意味です。おそらく「穀盗り（ごくとり）」の変形でしょう。 「おまはんく ごくとれが おってから よいよ弱るの」（あなたの家は 無駄飯ぐらいがいてたいへんですねえ）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

「さら」（名詞） 1.「さらの〇〇」の形で名詞を修飾して、「新品の〇〇」を表します。未使用とか劣化していないという意味で、「さらの時代」「さらのスタイル」などは不可です。 さらの服 着ていたのん びしょん なってしもた （新品の服を着ていったのに、びしょぬれになってしまった）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

2.「新品であること」「新品」 「さら」に修飾語をつけて、かつ「の」以外の格助詞を直接つけるのは不可です。修飾語がつくときは「さらの」や「さらのもの」などと言い、さらのうしろが修飾を受けます。 データ消えて ファイルがさらに なってしもた！（データが消えてファイルが白紙になった！）

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

女は やっぱし さらが ええで（女を選ぶなら やっぱり処女だろ） × 機械がめげたきん パーツのさらを買う （機械が壊れたのでパーツの新品を買う） 結婚指輪や 中古や かんで　さらで せな（結婚指輪なんて 中古なんかダメだよ新しいのでいかないと）

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「しょうたれ」（名詞） 1.身だしなみや態度がだらしない人 服がよれたままにしている、朝起きて髪がはねすぎているのに直さず外に出る、横になって尻をポリポリしながらスマホを見る、スカートであぐらをかくなど、キリッとしてるイメージが壊れるようなことを眼前でしている人を言います。

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

2.何かをするのが遅い、不器用で、本人はまじめにしていても外からは一見だらけているように見えるタイプの人 ちょっと知能低めでのんびりな性格のADHDの人が昔いて、それをさすのに用いられたものと個人的に思います。

讃岐弁たん @Sanukiben_tan

ぎょ、ぎょー（げ、げー）（名詞） 呕吐、呕吐物の意味の名詞で、ゲロ、ゲボに当たります。「～を吐く」というときは、「吐く」「つく」「あげる」の三つの動詞が可能です。 こんまいころは 車で 酔うて ぎょー 吐っきょったもんよ。 （小さいころは車で酔ってゲロを吐いていたものさ）