日本側の知的所有権、特に特許の現状について、「経営/研究の分断」

まとめ『中国の工業製品コピー問題』…中国の振る舞いを云々言う前に、議論の中で、日本側の知的所有権、特に特許の現状について、「経営/研究の分断」という、かなり危うい問題があまり認識されていないようだ、と感じた。
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Hideaki Hotta @mitologia_hot

まとめ『中国の工業製品コピー問題』…中国の振る舞いを云々言う前に、議論の中で、日本側の知的所有権、特に特許の現状について、「経営/研究の分断」という、かなり危うい問題があまり認識されていないようだ、と感じた。

2009-12-04 02:20:20
Hideaki Hotta @mitologia_hot

「日本の大企業は知財権を尊重する。」とも語られていたが、これは実は妄想に近く、実態は「尊重しなければならないこと当然だとしても、でも尊重の仕方が判らない」程度のお寒い状況だったりする。

2009-12-04 02:20:41
Hideaki Hotta @mitologia_hot

ウソだと思うなら、試しに日本の大企業の経営者に訊いてみたらいい。「貴社の特許ポートフォリオはどうなっていて、その現状に対し、今後どのような戦略を持っておられるのか?」と。明快に答えられる経営者など殆ど居ない。実務レベルの経営企画部門の人間に訊いても、状況は変わらない。

2009-12-04 02:20:53
Hideaki Hotta @mitologia_hot

企業で特許の面倒を見ているのは、たいてい、いわゆる研究開発・工場畑の特許管理部隊だ。権利化手続きやその権利行使・係争(のための弁理士対応)で汲々としている。本来は彼らが「経営」と「研究」組織の橋渡しをしなければならないはずなのに、彼らの多くは、「経営語」も「研究語」も語れない。

2009-12-04 02:21:27
Hideaki Hotta @mitologia_hot

特許とは無形資産を形式知化し、情報処理にそぐわしく体系化されたものであるのにも関わらず、特許管理部門では文字通り「管理」しかなされていない。現場で運用される特許情報システムの多くが、そもそも管理にしか使えない。

2009-12-04 02:22:11
Hideaki Hotta @mitologia_hot

酷いのになると、管理データをせいぜい色分けできるだけで、堂々と「情報分析システム」と銘打っているモノもあったり。

2009-12-04 02:22:31
Hideaki Hotta @mitologia_hot

こんな状況では、特許管理部隊で「経営語」を語れる人材がいても、「特許語」を体得した経営者がいても、特許における情報戦など有効展開できるわけがない。ゼロックスを相手に闘ったキヤノンの丸島儀一氏が賞賛されるのは、その膠着状況を、しかも数十年前に打破した希有な成功例だったからでもある。

2009-12-04 02:23:30
Hideaki Hotta @mitologia_hot

実は、特許部門の橋渡し機能の高度化や情報システム開発については、韓国の方が進んでいる面もあったりする。例えば韓・ウィズドメイン社などの分析ツールは、日本でも多数のユーザがいる。 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0220091027bfag.html

2009-12-04 02:25:12
Hideaki Hotta @mitologia_hot

最後に、研究・技術開発畑の人間からひとこと。年度末に無駄なノルマ特許を出させるのを辞めるだけでも、相当状況が変わると思います。実際、この無駄特許が情報処理上の外乱になって、円滑な評価を阻害し、経営判断をさらに難しくしている部分もあるので。以上、中国と闘う以前の問題提起でした。

2009-12-04 02:32:36