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アンド・ユー・ウィル・ノウ・ヒム・バイ・ザ・トレイル・オブ・ニンジャ #5

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
第一巻「ネオサイタマ炎上」 最終エピソード「ネオサイタマ・イン・フレイム」  #3「アンド・ユー・ウィル・ノウ・ヒム・バイ・ザ・トレイル・オブ・ニンジャ」-5
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
今やフジキドの周囲には、フユコ、トチノキ、ドラゴン=センセイばかりでなく、これまで殺したニンジャ、あるいは彼が死を看とっていった善意の人々が際限なく立ち現れ、彼の事をひどく罵り、責めさいなむのであった。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「お前のせいで私は死んだのだ」「お前がいなければ」「ニンジャスレイヤー……」「お前のカラテで私は」「私はむごたらしく殺された」「私は真っ二つにされた」「私はスクラップに」「私は四肢切断」「私は心臓を摘出」「私は首をはねられた」「私は寸刻みに」「お前がいなければ、お前がいなければ」
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「黙れ……黙れ……ニンジャ殺すべし……!」フジキドはネンブツめいて呟いた。「オヌシらは死んで当然……憎き敵……」「ニンジャでない我々はどうなのだ」市井の誰かが責める。「お前のその勝手な判断でどれだけの人間が死んだ?お前が勝手なことをしなければ、私達は生きながらえていたに違いない」
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「そうだ!」「そうだ!」「そうだ!」「グワーッ!」フジキドはメンポを開き、嘔吐した。だがフジキドを取り囲む影は去らない。「オヌシの行いは無駄なのだ。何も変えられない!ただイタズラに多くの命が奪われた!」ドラゴン・ゲンドーソーの憤怒の形相がフジキドを苛む!
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「そうよ、あなた!」フユコ!「そうだよパパ!」トチノキ!「許せない!」ユカノ!「ゲボッ!アバッ、ゲボーッ!」フジキドはさらに嘔吐!胃酸が喉を焼く!やがて、ひときわはっきりとした輪郭が一人、膝まづくフジキドの前に立ち、冷酷に見下ろすのだった。「……さあ、私は誰?私は誰ですか?」
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フジキドは声の主を見上げる。「……」「知るまい、なにせあなたは私の姿を見ていないのだから。あなたはインターラプター=サンを殺し、それにより私はボスの怒りを買った。私のクーデター計画をめちゃくちゃにした。バジリスクを殺した。私はそのせいで……私は……私は誰だ……アハハホホホホホ!」
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ナムアミダブツ!フジキドは実際この男を知らぬ!この男は常に己のザゼン空間に身を置き、影から糸を引いていた……フジキド、ダークニンジャ、そしてこの男の辿った運命は、偶然と必然が複雑に絡み合うタペストリーである。この男はフジキドによって死んだのか?一概にそうとは言い切れぬ……。
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「さあ!私は誰だ?私に教えてくれ……私はそれだけが思い出せぬ……お前のせいなのだ……!」「グワーッ!」フジキドは嘔吐しながら思い出そうとした……だが、踏みとどまった。この敵のペースに乗るべからず!
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フジキドはダークニンジャとの戦いの中で見たサンズ・リバーの光景を思い浮かべた。あの時、死の淵に追いやられた彼を導いた存在こそ、ドラゴン・ゲンドーソーではなかったか。今のフジキドを取り囲む忌まわしい幻を恐怖のままに受け入れる事は、師を汚すことでもあるのだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「フ……フーリンカザン……チャドー……そして……フーリンカザン……!」ニンジャスレイヤーは口を拭い、震えながら立ち上がる。「私はなんと愚かだった事か。己の不明を恥じよ!」「何だと?」フジキドの前に立つ姿がぼやけた。その顔が憤怒のドラゴン・ゲンドーソーとなる。「わからぬか!」
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老人は口汚く罵った。「オヌシのせいでどれだけ多くの……」「黙れ!マヤカシめ!」ニンジャスレイヤーは撥ねつけた。「私は私のセンセイを知っている。このイクサは確かに私怨が発端だ。だがセンセイはそんな私にインストラクションを託し、導いてくれた。私はそれに応える!」「グワーッ!?」
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「私のこの殺戮がどこへ行き着くか、それが正しき事か、わかりはしない。だが今は進むのみ!ましてやそれは、どこの誰とも知れぬオヌシが断ずる事では無い!オバケめ!」「グワーッ!」ドラゴン・ゲンドーソーの顔が吹き飛び、目の前の姿はフユコとトチノキになった。「あなたのせい……」「パパ……」
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「スゥーッ!ハァーッ!」ニンジャスレイヤーは祈るような気持ちでチャドー呼吸を繰り返した。フユコとトチノキは目の前でみるみるうちに腐敗した死体となり、ぼろぼろと肉が崩れて骨となる。コワイ!だがニンジャスレイヤーはもはや嘔吐はしない!「スゥーッ!ハァーッ!スゥーッ!ハァーッ!」
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「あなた……」隣で声がした。美しい鈴のような、安らぎを誘う声だった。「パパ」その隣で幼い子どもの声。ニンジャスレイヤーは新たな声の方向を振り返った。そこには、穏やかな笑みをたたえたフユコとトチノキがいた。「フユコ……トチノキ……?」母子は微笑み、うなずいた。そして消えた。
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「到着ドスエ」ふいにマイコ音声が鳴り響いた。エレベーター内の照明が復帰し、音を立ててドアが開く。夜の清冽な空気が、淀んだエレベーター内に入り込んでくる。まるで邪気を洗い流すかのように。
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どこかで微かに((グワーッ!))という断末魔が聞こえたようだった。もはや彼を煩わせるユーレイの気配は無い。「……フユコ。トチノキ」ニンジャスレイヤーはメンポを閉じ、エレベーターの外へ確かな歩みを踏み出した。
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彼が立つのはトコロザワ・ピラー、ビル部の屋上階。マイコ音声によれば「空中庭園」である。たしかにここは空中庭園と呼ぶにふさわしい。バビロンめいた厳かな水路や広場、ツバキの植え込み、生垣、無数のシシオドシ、トリイ。奥にはさらに天高く聳えるキョートめいた瓦屋根の塔がある。……天守閣!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ニンジャスレイヤーは天守閣の威容を、そして、上空の曇天に威圧的な光を投げかけ旋回する漢字サーチライトを見上げた。「成長」「繁栄」「大手腕」「制空権」というオスモウ・フォントをしばし凝視した彼は、ある種のインスピレーションに動かされ、そのサーチライトの根本へ走った。
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空中庭園の端の高台に、サーチライト装置は集められていた。グイングインと音を立てて動く邪悪なサーチライト装置はいわばラオモトの権力の象徴といえた。ニンジャスレイヤーはまっすぐにその装置へ向けてダッシュすると、チョップを振り上げた。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「ピガガー!」チョップを振り下ろし、振り上げ、振り下ろし、彼はあっという間に漢字サーチライトのランプ部を根こそぎに破壊した。もはや曇天を照らし出しネオサイタマを脅かす不吉なメッセージは存在しない。
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「ラオモト=サン」ニンジャスレイヤーは天守閣を睨んだ。「待っておれ」
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もうすぐラオモトは知ることになるだろう。ただ一人のニンジャがあらゆる障害を突破し、己のもとへいよいよ迫ろうとしているということを。ニンジャの死骸が連なるサツバツたる道筋によって。
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(第一巻「ネオサイタマ炎上」 最終エピソード「ネオサイタマ・イン・フレイム」  #3「アンド・ユー・ウィル・ノウ・ヒム・バイ・ザ・トレイル・オブ・ニンジャ」終わり。 #4「ダークダスク・ダーカードーン」に続く)

コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011-05-26 06:02:45
アンド・ユー・ウィル・ノウ・ヒム・バイ・ザ・トレイル・オブ・ニンジャ #1 http://togetter.com/li/136645 「ダークダスク・ダーカードーン #1」 http://togetter.com/li/140221
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