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増川宏一氏の日本将棋「中国南岸の貿易港経由」伝来説を裏付ける史料ついに発見!?東南アジアから海のシルクロードで伝わった?

漢から唐の間に、古代インドのチェス「チャトランガ」が中国南岸の国際貿易港に伝わった。日本に伝来した将棋は「東南アジア型」のチェスにあたる。「東南アジア型」のチェスは「象=指揮官が乗ってる駒」だとされたが、国際貿易港があった中国南方ではエレファント(象)もジェネラル(将)も、同じく「ツィアン」と発音されてたことが分かった!中国でよく使われる「象棋」、日本の「将棋」は、中国南岸の国際貿易港で「ツィアンギ」(象棋=将棋)と名付けられたものだった。「ツィアンギ」は平安時代以前の日本に伝来して、現在の将棋になっていく。一方、中国では唐の次の北宋時代に「ルールの大改革」が起こり、シャンチー(象棋)という新しい象棋が生まれた。朝鮮半島、現代ベトナム、琉球王国もシャンチー系統の象棋を使っていた。そして中国王朝の外の日本とタイには、古いタイプの将棋(チェス)がそのまま残ることになった。
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まとめのまとめ

平凡社新書『将棋の歴史』の作者増川宏一さんは、
日本の将棋の伝来ルートは、
「南海シルクロードから中国沿岸を経由して、海沿いに船員の遊び文化が日本まで伝わった」
と構想してます。

しかし、この魅力的な増川説を裏付ける中国側の史料は、全く欠けてたのですが、「中国沿岸」の部分について、先ほど「裏付けとなる史料」!?を発見したところです。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

「将棋」は平安時代以前にインドから中国を経由して伝来したものです。インドからイランを経由してヨーロッパに伝来したのが「チェス」です。中国将棋の「シャンチー」(象棋)は、北宋時代に現在のルールのものが広まったもので、インドから遠い日本に、唐以前の将棋(=象棋)が保存されてるようです

2019-08-15 19:27:28

増川先生は、中国沿岸部を経由したと主張してるのに、「中国から来たのではない」と主張されてるから、不思議です…(^^;
「現代中国のシャンチーというゲームとは関係が無いよ」という意味だと思いますが、中国史を専攻した私からすると、中国大陸の南岸も「中国」であって、中国の史料を探すべきだと思っていました。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

中国南方でエレファント(象)を意味するツィアンtshiang ジェネラル(将軍)を意味するツィアンtsiang 発音がほぼ同じ ↓ 後漢時代以前に、大月氏(クシャン朝)が発明したェス(チャトランガ)は、後世の中国で「象棋」、日本で「将棋」と表記されてるが、元は同じ発音だったと判明

2019-08-26 04:18:49
巫俊(ふしゅん) @fushunia

そうすると、後漢時代以降の中国で生まれた「ツィアンギ」(象棋=将棋)も、インドのチェスの「チャトランガ」の亜種ゲームにあたり、漢字言葉としての体裁や意味を保ちつつ「ツィアンギ」の発音をインドから伝来した「チャトランガ」(の短縮形?)に似せてる可能性が高いです

2019-08-26 04:49:19

↑今回の発見 解説と議論は記事後半へどうぞ

将棋=チェスの起源は「大月氏」の時代にさかのぼる?

有名な「大月氏」(遊牧国家)の後を継いだクシャン朝時代のインドで、最初のチェスが生まれたらしい。1世紀から3世紀まで続いたクシャン朝も「大月氏」と呼ばれ、後漢に使者を送っていた。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

「チェスの歴史家ゲルハルトジョステンとイサックリンダーは、チャトゥランガの起源は現在のアフガニスタンのクシャン帝国にまで遡ることができると主張しています」 チェス(インド名:チャトゥランガ)の歴史と起源の論文みたいです!論文は英語です。 cloondara.org/wp-content/upl…

2019-08-25 22:31:47
巫俊(ふしゅん) @fushunia

増川氏の平凡社新書『将棋の歴史』(2013年)では、5世紀にインドのマウカリ王朝でチャトランガが成立したと考えるのが、諸研究を見て妥当とか書かれてましたが、もう少し遡るのかもしれないですね。

2019-08-25 23:03:25
巫俊(ふしゅん) @fushunia

大月氏の後継国家のクシャ―ン朝で既にチェス(チャトランガ)が遊ばれてたとすると、中国への伝来時期(象棋、将棋)が気になりますね

2019-08-25 22:37:45
巫俊(ふしゅん) @fushunia

言語が違うので、読みにくいですが、異国の研究に触れると、とても斬新な気持ちになりますね。あちらでは、将棋はチェスの一種としてユーラシアスケールで研究されてるようです。

2019-08-25 23:25:46
巫俊(ふしゅん) @fushunia

今朝のツイートの続きですが、たしか後漢に仏教が伝来したとき、その僧侶は「大月氏人」(クシャン朝に帰属する人間)だったはずで、平安時代の日本でも最初に将棋を指したのは仏教の僧侶だったから、そういう交流でインドのチャトランガ(チェス)が入って来て、しだいに象棋(将棋)として定着した?

2019-08-26 18:41:39

陸より海の方が速い?

巫俊(ふしゅん) @fushunia

増川氏の著作を読み直して、なるほど…と思ったのですが、ラクダに荷を積んで商品を運ぶ砂漠のシルクロードでは、軽そうな茶でさえ粉末に固めて小さくして運んでたとあり、重たいチェス(将棋)盤を運ぶのには全く向いて無かったとあります。

2019-08-30 01:30:40
巫俊(ふしゅん) @fushunia

とはいえ、中央アジアではチェスの駒が出土してるので、ヒトの移動とともにチェスを遊ぶ楽しさもシルクロードを移動していたことは確かなのですが、南海経由の海のシルクロードだと、将棋盤程度の重量のものは積んでおいて暇つぶしに遊ぶことができたので、伝播が早いと推測できるのだとか。

2019-08-30 01:35:37
巫俊(ふしゅん) @fushunia

それほど古くは無いのでしょうが、荷物を運ぶ箱の上部に、チェス(将棋)の盤を描いたものが見つかってるそうで、こういう工夫で重さの制限を受けずに、船上でチェス(将棋)を楽しんでいたのだとか。そして増川説では、東南アジアから中国沿岸を経由して日本の将棋はインドから伝来したとしてます。

2019-08-30 01:40:25

チェスを何て呼ぶ?

巫俊(ふしゅん) @fushunia

@Namfon_in_Thai 将棋はインドから世界中に広まった遊びで、名前も似ていて、 インドでは「チャトランガ」Chaturanga イランでは「チャトラング」Chatrang、 英語では「チェス」Chess、 マレーシアでは「チャトール」、 タイでは「ジャドルング」と呼ばれてたとあります。

2019-09-01 03:23:41
雄介(math) @shoukax

増川宏一さんの将棋の歴史本に、タイのマークルックとの類似が指摘されていたような。 シャンチーは、囲碁のように線の交点に駒を置くけど、タイのは、チェスや将棋と同じように枡の中に置くから、南方の影響が大きいとか。 twitter.com/fushunia/statu…

2019-08-26 19:10:06
巫俊(ふしゅん) @fushunia

韓国の象棋が、北宋時代に成立した中国の新しいタイプ(現行タイプ)の象棋(シャンチー)にそっくりなのに対して、日本の将棋はむしろ駒の動きや配置が東南アジアのチャトランガ系ゲームに似てることから、中国に伝来した古いタイプの象棋(将棋)が、海で隔離された日本に化石のように残ったのでは?

2019-08-26 19:00:46

シャンチーは、北宋時代に成立した中国の新しい象棋(将棋)

タイの将棋マークルックは、カンボジアから受け継いだゲームとされ、カンボジアは三国志の「呉」など、中国の南朝(六朝)と貿易をしていた。カンボジア時代の将棋の名前は不明だが、起源はインドのチェス(チャトランガ)。

マークルックは、チェスと同じ8×8マスのゲームで、並びはほぼチェスと同じだが、日本の将棋とチェスの中間的特徴があるとされる。
前から3列目に「歩兵」が構えていることや、敵陣3列目に入ると昇格できること。「歩兵」は「金将」にあたる駒に成るが、タイの「将」の駒は動きが弱い。
そして、後述するように、タイの「象」駒は日本の「銀将」と全く同じ動き方をする。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

チェスの起源にあたる、インドの2人制ボードゲーム「チャトランガ」は、「4兵科」(車、馬、象、歩兵)を意味するサンスクリット語ですが、このインドのチェスから派生した4人制ボードゲーム「チャトラジ」は、サンスクリット語で「4人の王」という意味です ↓ 亜種ゲームは「名前をもじり」になる

2019-08-26 04:43:22
巫俊(ふしゅん) @fushunia

あー、そうか。チェスの語源にあたるインド語の「チャトランガ」も、当然の如くインドヨーロッパ祖語まで語形を戻すことができるっぽいです。インドヨーロッパ祖語の時代には、まだチェスや将棋の類は存在しない可能性が高いですが。

2019-08-23 06:11:36
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