茂木健一郎さんの連続ツイート 「鬼は外、福は内」

脳科学者・茂木健一路(@kenichiromogi)さんの5月25日の連続ツイート。 「鬼は外、福は内」の秘密について、清水博先生から聞いた話を発展させてツイートをされています。 鬼を近づけないんじゃなくて、軒下まで来ることを許容している・・・
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茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(1)節分の豆まきで、「鬼は外、福は内」という。あれには秘密があって、鬼が家の軒下まで入ってくることを許容して、コミュニケーションをしているのだ。これが、清水博先生からうかがった卓見である。

2011-05-25 07:30:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(2)この世に生きている以上、「外」との折衝は避けられない。鬼が一切入って来られないように、がちがちにセキュリティを固めてしまったら、自分たちの生命が枯渇してしまう。鬼を軒下までは許す「節分」の呼吸は、生きる知恵である。

2011-05-25 07:31:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(3)日本人は、「外」をうまく使ってきたのだと思う。「黒船」が来たら、それを自分たちが変わるきっかけとする。外からの鬼に適応する文化は、それなりに蓄積している。問題は、自分たちの内側にも、「外」があることに気付かないことだ。

2011-05-25 07:33:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(4)「外」の人がやるのならば許容するし、賞讃もするのに、「内」の人が同じことをやるのは許さない。そのような同化圧力によって秩序を保ってきたが、そのようなやり方では、グローバル経済の中でうまく行かなくなってきてしまった。

2011-05-25 07:34:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(5)これからは、日本人も外に出ていって、「鬼」にならなくてはならない。リヴァイアサンの時代。グーグルやフェイスブック、アップルのように、自分たちのシステムを外に出していかねばならぬ。そのためには、国の内側で「鬼ごっこ」をして練習するしかない。

2011-05-25 07:35:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(6)日本という文化圏の中で、既存の秩序に挑戦し、やらかして、出る杭になる人が輩出しなければ、世界の中でのプレイヤーになることはできない。日本市場は同化圧力を前提にしているから、どうしてもぬるくなる。世界市場との断絶の前に、多くの人が佇んでしまう。

2011-05-25 07:37:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(7)「外」からは何がくるかわからないという意識はあるのだから、その感覚を、自分たちの「内」にも適用すれば良い。フェイスブックやグーグルのようなものがぽこぽことわき出してくる泉が、日本の国内にもあると想像してみれば良いのである。

2011-05-25 07:38:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(8)内側からは何も新しいものは生まれて来ないという哲学は、結局は「自分」を貶める。本当は、自分の中にも、未知の領域がたくさんある。自分の無意識の中には、鬼がたくさんいる。それをうまく活かさないと、創造的にはなれない。

2011-05-25 07:39:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

内外(9)創造性ということをマジメに考えている人たちは、必ず、自分たちの「内」から生まれてくる鬼たちに寛容であるはずだ。既存の秩序を最優先に、鬼が生まれることを許容しない人たちは、結局、創造性とは無縁の生活をしているのである。

2011-05-25 07:40:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「鬼は外、福は内」の「内外」についての連続ツイートでした。

2011-05-25 07:40:58