【議題0】生徒Aはエンドロールに名前を遺せるか (非)日常編

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水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽あなた達は、それぞれ、狭い真っ暗な小さな部屋の中にいた。

2019-09-02 23:00:43
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▽真っ暗で、手を伸ばせば壁にぶつかるし、足を折りたたんで座れなければいけないほど、小さな部屋。

2019-09-02 23:01:03
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▽手を伸ばすと、どこかのスイッチを押したようで、カチリという音と共に、僅かに指が沈む。

2019-09-02 23:01:16
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▽──ぷしゅう、と、空気の漏れるような音と共に、目の前の扉が開いたようだ。 ▽しかし、まだ、そこは暗闇のまま。

2019-09-02 23:01:32
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽手探りで進んでいく。ある地点で、壁の感触が変わった。 ▽冷たいペンキの感触。あなたたちは、扉を押す。

2019-09-02 23:02:01
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽光を多量に含んだ向こう側の景色は、その眩しさに慣れていない瞳を容赦なく攻撃する。あなたたちの目は、瞼を開いていたとしても、柔らかな闇に覆われる。

2019-09-02 23:02:21
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽──さらさらと、水の流れる音が聞こえる。 ▽次に感じたのは、雨上がりのコンクリート特有の湿った匂い。ペトリコールと呼ばれる心地の良いそれは、あなたたちの鼻腔をくすぐった。

2019-09-02 23:03:29
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽戸惑いながらも1歩踏み出せば、足裏の靴越しに伝わる、湿った木の床。まだ暑さの残る気温の割には冷たく涼しい風が頬を撫でる。

2019-09-02 23:03:56
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽──闇になれた瞳が、ようやく景色をはっきりと映した。 ▽まず目に入ったものは、どこまでも広がる青空と ▽──それから。

2019-09-02 23:04:33
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▽きっぱりとした眩しい青と白のコントラストの中に、まるでそこだけコラージュか何かのように、文字通り、島が『浮いていた』。 pic.twitter.com/jILMqCJeCV

2019-09-02 23:04:58
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▽遠くには、まるで床が抜け落ちかのようにどこまでも水が広がっている。ここが孤島であることをあなたたちは察することだろう。

2019-09-02 23:05:33
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▽あなたは自身の異常事態に気がつく。 ▽ここは、どこだ?

2019-09-02 23:05:48
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽周りでは、自分と同年代の少年少女がいるらしく、彼らはあなたと同じく、ペンキの塗られた扉から出てきた。

2019-09-02 23:06:24
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽足元に伝わる、僅かな揺れ。それは、この場所が海の上であることを証明していた。 ▽あなたたちのいる場所は、船だった。

2019-09-02 23:06:45
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽あなたたちは、その場にいるお互いの服装に違和感を感じる。違和感、というか、奇抜というか──ああ、時代錯誤。時代錯誤だ。

2019-09-02 23:08:48
水懸論破【企画終了】 @Wttoronpa

▽彼らの中の一人の少女が、口を開いた。

2019-09-02 23:09:09
藤平夏柑 @72ka_mzrn

「……えーと、その、ごめんね……君たち、誰? ここがどこだか知ってる?」

2019-09-02 23:09:28
シンタロウ @shintaro_mzrn

「……それは、おれも聞きたいけど」

2019-09-02 23:10:06
湯川灰吹 @HAIHUKI_mzrn

残念だけど僕はさっぱり。 僕がいたところはこんなに綺麗ではなかったよ。

2019-09-02 23:10:25
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