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非感染症医のための海外渡航者・訪日客の感染症初期診療(敗血症セミナーより)

来年の東京五輪では東京を始め日本各地に多数の外国人が訪れるため、各医療機関の受診の大幅な増加が予想されます。2019年9月7日に開催された敗血症セミナーin東京2019から、非感染症医が対応するにあたって最低限の情報をまとめました
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EARLの医学ツイート @EARL_Med_Tw

昨日の敗血症セミナーin2019(輸入感染症がテーマ)の内容について、特に重要なポイントを抜粋して、多少補足しつつ連ツイします。

2019-09-08 17:54:16
EARLの医学ツイート @EARL_Med_Tw

感冒症状、発熱、下痢、発疹等の患者診察の際は海外渡航歴は必ず聴取する。渡航歴を把握できなければそもそもマラリアやデング熱、腸チフスといった感染症(場合によってはエボラやMERS)を想起できない。海外渡航歴を患者自ら申告するとは限らないので、必ずこちらからとりにいく。

2019-09-08 17:58:01
EARLの医学ツイート @EARL_Med_Tw

輸入感染症では、症状に加え、渡航地、曝露歴を組み合わせて病原体を推測する。ただし、感染症医以外が各病原体ごとの流行地と曝露経路を覚えるのは無理があるため、すぐにアクセスできるウェブサイトを抑えておくとよい。

2019-09-08 18:06:11
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1.「症状からアプローチするインバウンド感染症への対応〜東京五輪2020にむけて〜 感染症クイックリファレンス 日本感染症学会」 kansensho.or.jp/ref/ 非常によくまとまっているサイトで、総論から始まり、渡航地別に感染症各論が閲覧できるようになっている。

2019-09-08 18:07:37
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2.「厚生労働省検疫所情報サイトFORTH」 forth.go.jp 更新が比較的リアルタイムに近く情報量も多いため有用。渡航前の予防相談にも使える。

2019-09-08 18:10:02
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3.「ProMED-mail」 promedmail.org 感染症にかかわる世界各国の公衆衛生医や臨床感染症医によるメーリングリストで、世界各地における最新のアウトブレイク情報を共有できる。日本語ではなく、専門性も高いため使用機会は少ないが、流行を最もリアルタイムで把握できるものである。

2019-09-08 18:14:03
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4.「fitfortravel」 fitfortravel.nhs.uk/home.aspx 英国NHSが運営。渡航地域で流行している感染症についての情報が掲載されているが、ここの特徴として、特にマラリアについてかなり詳細なデータを知ることができる。

2019-09-08 18:16:48
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問診すべき曝露歴 ・食事歴:非加熱、サラダ、カットフルーツ、ペットボトル以外の水分摂取、屋台での食事など ・節足動物曝露歴:蚊やマダニなど。忌避剤使用有無、服装も聞く ・性交歴:セクシャリティも把握しておく必要あり ・淡水曝露歴 ・動物接触歴 ・渡航地の季節、雨季or乾季 ・都市部or田舎

2019-09-08 18:25:18
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・森林、海への曝露歴 ・現地での抗菌薬曝露歴 ・マラリア予防歴 ・ワクチン接種歴 ・過去の輸入感染症罹患歴(特にデング熱やSTD)

2019-09-08 18:32:48
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特に警戒すべき死亡率の高い輸入感染症 ・エボラウイルス病:コンゴ、ウガンダなど。患者やコウモリとの接触歴 ・中東呼吸器症候群(MERS):アラビア諸国。患者やラクダとの接触歴 ・高病原性鳥インフルエンザウイルス:H5N1は東南アジアやエジプト、H7N9は中国 ・狂犬病:動物噛傷

2019-09-08 18:35:48
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海外渡航歴のある発熱患者への診療アプローチ N Engl J Med 2017;376:548-60 nejm.org/doi/full/10.10… 海外渡航者のアプローチの図がアルゴリズムとして掲載されており、(文字が多い上に煩雑ではあるが)有用である。印刷して外来に置いておくといいかもしれない。 pic.twitter.com/2dj1uUqJ6S

2019-09-08 18:42:42
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渡航後の発熱患者のうち「高頻度」「重症化する」「治療可能」の全てがあてはまるものとしてマラリアがあるため、マラリア流行地からの患者であれば真っ先にマラリアを診断or除外しにいかなければならない。特に熱帯熱マラリアは重症化しやすい。診断は末梢血Giemsa染色によるマラリア原虫の確認である

2019-09-08 18:48:20
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末梢血Giemsa染色で注意すべきは、マラリア原虫が認められなくても除外できないことである。熱帯熱マラリア以外のマラリアは寄生率が高くないこともあるため、3日間連続で検査を行って陰性であれば初めて除外可能となる。熱帯熱マラリアでは迅速診断キットも有用だが、保険未収載である。

2019-09-08 18:52:20
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重症マラリアの治療薬として推奨されているアーテスネート注射薬は日本では入手困難であるため、熱帯病治療薬研究班が輸入・管理しているグルコン酸キニーネ注射薬を使用することになるが、原則下記サイトの研究班薬剤使用機関31施設で使用可能である nettai.org/%E7%A0%94%E7%A…

2019-09-08 19:03:57
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マラリア以外でも重症化するリスクが高く、かつ比較的頻度が多くみられる輸入感染症としては、腸チフス、パラチフス、レプトスピラ、リケッチア関連、デング熱。また、血液培養で検出しうる重症輸入感染症は腸チフス、パラチフス、類鼻疽、ペストがある。

2019-09-08 19:09:43
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現在日本は麻疹排除国となっており、海外から持ち込まれている。風疹も海外からも入ってくるため、病院全職員の麻疹・風疹抗体価の把握とワクチン接種が急務である。結核についても、特にフィリピン、インドネシア、中国、ベトナム、ネパール、ミャンマー出身者に非常に多い。肺外結核も多いことに注意

2019-09-08 19:13:54
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海外渡航後の下痢で旅行者下痢症と決めつけるのは厳禁。マラリア、デング熱、リケッチア、レプトスピラ、エボラ、SARSは腸管外感染症だがしばしば下痢を呈する。発熱がない場合や潜伏期間等で旅行者下痢症と判断できるケースもあるが、基本的に旅行者下痢症はあくまでも除外診断

2019-09-08 19:16:01
EARLの医学ツイート @EARL_Med_Tw

海外から持ち込まれる感染症は本邦にいない病原体だけではなく高度薬剤耐性菌も該当する。日本での調査でも、海外で入院歴のある患者のうち56.5%が何らかの薬剤耐性菌を保菌している。このため、耐性菌を考慮するには最近の渡航歴だけでは不十分で、期間に関係なく過去に遡って問診しておく必要がある

2019-09-08 19:22:51
EARLの医学ツイート @EARL_Med_Tw

海外入院歴のある患者の入院の際は、ICTに事前連絡と個室隔離・接触予防策を行い、スクリーニング検査を実施する。 詳しくは下記を参考 医療機関における海外からの高度薬剤耐性菌の持ち込み対策に関するガイダンス -国立国際医療研究センター国際感染症センター dcc.ncgm.go.jp/prevention/res…

2019-09-08 19:28:57

コメント

NS JAWS @nsjaws 2019年9月14日
190907敗血症セミナー 海外渡航者・訪日客の感染症初期診療
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