【横山光輝「三国志」講座240「仙術」】

横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座240「仙術」01】 第240話。曹操と左慈との奇妙な対決はまだ続いておりました。 魏王宮落成の大宴会の日、文武百官が国々の美味、山海の珍味に舌鼓を売っていましたが、そこにやってきたのが、あの左慈です。幽閉されていたはずでしたが簡単に脱出。曹操は思わず、うっ。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」02】 招かざる客である左慈。今日の宴会に何か献じに来たのか、と曹操が言うと、これほどの大宴会に花がないのはさびしいから、花を献じましょうかのう、と左慈は息を吹きかけ瓶にいっぱいの花を咲かせます。驚く百官達。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」03】 大王には不老の酒を差し上げましょうといって、杯に酒を注ぎます。ピッと指差すときれいに半分に割れます。まず半分は自分が毒味をするといって飲む左慈。すると残った半分がきれいに切れています。透明なゼリーをつくったわけではないのでしょうが。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」04】 このような薄気味悪いものが飲めるか、と杯を投げ捨てる曹操。もしかしたら本当に不老の酒だったかも知れませんが、ガチャンと中身がこぼれてしまいます。ゼリーではなかったようです。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」05】 すると、バサバサっと羽根を広げる一羽のツルが現れます。あっと驚く曹操。あれよあれよ、と驚くばかりのぶ形。ふと気がつくと、左慈の姿が見えません。曹操はあのような者を放っておくと人心が惑う、とすぐに捕らえるように命じます。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」06】 さっそく兵士たちが捜索開始。すると、王宮から外に出た野原を歩いている左慈を発見。軍勢は走って追いかけます。ところが、どうしたことかいくら追っても追いつくことができません。ならばと矢で射ようとしますが、これまた当たりません。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」07】 すると羊の群れがおりまして、左慈はその中に隠れてしまいます。見つけ出せ、と軍勢は羊の群れに入り込みます。邪魔だどけ、と羊たちを刺し殺す兵士たち。あらかた羊を殺してしまった後に、一人の子どもが大泣きしています。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」08】 羊飼いの少年にしてみたら、なんで自分の羊を殺すんだ、と正当な抗議。兵士に向かって石を投げつけます。隊長は、近くにいるはずだから、他を探せというほかありません。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」09】 結局、左慈は見つからなかったようで、翌日、曹操にその報告がなされます。しかし、おかしな訴えがあるという報告が来ます。昨日殺された羊が今朝起きてみると皆生き返っているというのです。子どもは御大将に悪口を言ったのでお詫びに来たとか。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」10】 謝りにきた子どもはともかくとして、死んだ羊が生き返ったという話は薄気味悪いもの。もし、左慈が不思議な力を見せながら劉備玄徳こそ都を治めるべきだと説いて回ったら、人心は動揺し国は乱れると曹操は考えます。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」11】 左慈を生かしてはおけぬと、王宮の画家を呼び、左慈の人相書きを描かせるように命じます。指名手配しろということです。意外にうまく左慈の人相書ができまして、各地に張られることになりました。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」12】 わかりやすい顔なので、左慈が捕らえられますが、各地で捕らえられます。いろいろなところで捕らえられ、王宮に連行された左慈の数は500名にものぼりました。またしても奇怪な術を使ったなと、曹操は全員の首をはねるように命じます。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」13】 500名にのぼる左慈が刑場で次々に首をはねられたわけですが、この時、死体の山から一すじの煙が立ちのぼります。そして鶴に乗って一人の左慈が現れ、王宮の上を高笑いしながら飛び回ります。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」14】 笑い声を聞いた曹操。空を見上げて見ると、鶴に乗った左慈が飛び回っています。すぐに射止めるように命じる曹操。兵士たちが次々に矢を放ちますが、鶴にはあたりません。左慈が指をある方向に指し示すと、暴風が起きます。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」15】 首を切られた500の左慈の頭がコロコロと転がったと思ったら、胴体にピタッとくっつき、ムクッと起き上がります。もはやホラー展開。ゾンビ左慈は集団でアラヨイヨイ、ヨイヨイと踊りながら王宮内を練り歩きます。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」16】 その光景を見ていた曹操は、気分がすぐれぬ、と頭を抱えてダウン。側近が慌てて寝所に連れて行きます。鶴に乗った左慈老人は高笑いを残して飛び去っていきます。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」17】 そして、甦ったというか、ゾンビ軍団というか、踊っていた左慈ーズも、いずこへともなく去っていきます。とたんに狂風はぴたりと止まり、穏やかな日差しが王宮に降りそそぎました。

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【横山光輝「三国志」講座240「仙術」18】 結果的に曹操への嫌がらせとしか思えない左慈の行為。この不思議な事件以降、曹操は体調を崩していきます。曹操の人生の「終わり」の始まりともいうべき奇譚でございました。とはいえ、曹操の話はまだ続きます。この続きはまた次回。 今回はここまで。