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「風の谷のナウシカ」
その異世界のルーツ

ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo
『人が消えた福島の町、緑がのみ込む 原発事故7回目の夏』 東京電力福島第一原発事故から6年余り。人の姿が消えた町では、手つかずの自然が生活の痕跡をのみ込み、辺りを緑一色に染めていた。 asahi.com/sp/articles/AS…
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人が消え、緑に覆われた福島の町は『風の谷のナウシカ』における腐海に飲み込まれた廃墟の街のようだ。 宮崎駿によると、腐海の着想は、水銀に汚染され漁をしなくなった水俣の海に、豊かな自然(だが汚染されている)が戻った光景への衝撃だという。 twitter.com/woody_honpo/st… pic.twitter.com/MjWDdMyRen
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名作「地球の長い午後」で宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に影響を与え、スピルバーグの映画「AI」の原作でも知られる、英国ニューウェーブSFの巨匠、ブライアン・オールディスが92歳で亡くなりました。 amp.theguardian.com/books/2017/aug…
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宮崎駿「風の谷のナウシカ」に描かれた異世界は、ブライアン・オールディスの「地球の長い午後」とフランク・ハーバート「デューン・砂の惑星」の作品世界のアマルガムだ。 これは、当初から指摘されていたが、その点をキチンと分析した評論は意外と無いように思う。 pic.twitter.com/jPpLtMtHu3
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宮崎駿は完全にオリジナルな世界を創造するというより、他人の作品からの影響を割りとストレートに反映させる作家だ。しかし、そこにはオマージュ的な目配せはない。だから、あたかもパクリであるかのように話題にされることがあるが、その影響は「宮崎駿というフィルター」をしっかり通ったものだ。
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宮崎駿は諸星大二郎を敬愛していて、「もののけ姫」は「マッドメン」にかなりインスパイアされている。最近は、こういうのを「パクリ」と言う人がいるが、インスパイアとパクリは違う。影響を受けた作品を自分の中を通して表現に昇華したらパクリではない。パクリはただラベルを貼り替えただけのモノ。 pic.twitter.com/9o4InCpquo
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しかし、宮崎駿が他の作品の影響を大胆に取り入れることと、他人の作品を脚色する時に完全に自分の世界に引き寄せてしまうことは、どこかで繋がっている気がする。悪く言えばオリジナリティに対する敬意が薄い。「創作において一番大事なのは、それではない」と思っているのではないか?とすら感じる。
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「魔女の宅急便」は、宮崎駿のイメージが余りにも強くなってしまったので、原作者の角野栄子は複雑な心境なのではないかと思う。宮崎駿は、原作に忠実というよりも、完全に自分に引き寄せてアレンジしてしまうタイプで、しばしば「原作への敬意が無いのではないか?」とすら感じさせる人だから。
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自作のイメージが乗っ取られた感じがして複雑な心境、という意味では「耳をすませば」や「コクリコ坂から」の作者も同じかもしれない。他人の作品から「核」を貰って自分の世界を構築するというのは、宮崎駿の昔からの手法で、そこに罪悪感はない。と言うより罪悪ではなく「創作の宿命」と考えている。
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この宮崎駿の「原作に対するスタンス」は、彼の創作の出発点が「世界の名作」を原作にアニメーション化していた東映動画にあるからなのかもしれない。ディズニーもそうだけれど、そこでは原作(多くは著作権のきれた名作)は、多くのスタッフから検証を受け、時には大胆に改変されるのが当然だからだ。
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業界に宮崎駿の名を轟かせたのは「長靴をはいた猫」のクライマックスを手掛けたことで、いちスタッフだった宮崎駿は「こんな受け身の主人公にお姫様が惚れるハズがない」と言って、原作を書き変え自ら作画した。主人公が急にヒーローとなってしまう、このクライマックスの面白さに子供たちは熱狂した。

宮崎駿と言うと、作品の全てをコントロールするワンマンなアニメ作家というイメージがありますが、実はけっこうスタッフの意見に影響されています。

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「風立ちぬ」のラストは鈴木敏夫が変えた。「風の谷のナウシカ」や「おもひでぽろぽろ」もそうだが、皆、元のラストの方が良いと思う。 宮崎駿も高畑勲も、鈴木敏夫の意見を入れて変えているのが興味深い。芸術的には、必ずしも納得はしていなかったようだが、興行的直感は信頼していたのだろう。
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「風の谷のナウシカ」のラスト、王蟲の波に呑まれたナウシカは死んで終わる筈だったが、鈴木敏夫の案で復活した。 このラストの変更について、宮崎駿は「ラストが宗教絵画になってしまった」と、ずっと気にしていたらしい。
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宮崎駿が尊敬していた作家の堀田善衛と対談した時、事前にスタッフが参考に「風の谷のナウシカ」のビデオを見せた。堀田善衛は面白がって観ていたが、ナウシカが王蟲の波に呑まれた所で「さて、終わりか」と席を立とうとした。「まだ(復活する)先があります」というと、意外そうな顔をしたそうだ。
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このエピソードは興味深い。堀田善衛も、宮崎駿の当初のラスト(ナウシカが死んで終わる)と同じ結末を「納得できるラスト」と考えていた、ということだからだ。
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「おもひでぽろぽろ」は当初、タエ子が都会に戻って終わる筈だったが、鈴木敏夫の提案で、農家に戻ってトシオと結ばれるラストになった。プロデューサーでもあった宮崎駿は「タエ子が農家の嫁になる筈がない。都会に帰って終わりですよ」と反対していた。
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「風立ちぬ」のラストだって、「生きて」ではなく(死の世界に)「来て」でなくては、話として成立しないのではないか。 「もののけ姫」のキャッチコピー「生きろ」は感動的だが、「風立ちぬ」の「生きて」は、言葉として完全に浮いている。
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ただ、「おもひでぽろぽろ」のラストについては、公開当時(バブル時代末期)はタエ子が農家の嫁になるのはリアリティがなかったけれど、今ならあり得るのではないかな?そもそも今は、あんな贅沢な「自分探し」をする余裕はないのかもしれないが…。 日本は変わった。 twitter.com/woody_honpo/st…

「天空の城ラピュタ」
初期の宮崎駿の集大成

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まだ宮崎駿が米国で知られていない頃、米国のSF大会で日本人のファンが「天空の城ラピュタ」の上映会を開き、ラリー・ニーヴンやジェリー・パーネルが観て感動していた。当時のSF大会レポートで読んだ記憶がある。 「ラピュタ」は全米公開が決まりかけたが、結局なくなった。やっぱり題名のせいかな?
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「天空の城ラピュタ」はコケたと言われるが、公開当時の映画館はガラガラという感じではなかった。(そう主張している批評家がいるが、私の見た光景とは違うね) 余り指摘されていないが、興行成績が振るわなかった理由の一つは、「名探偵ホームズ」を併映につけた事だと思う。あれは失敗だった。
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「風の谷のナウシカ」は、併映に当時まだTV未放映だった「名探偵ホームズ」が2本付けられ、これが好評だった。ナウシカは緊張感が高くユーモアのない作品だから、ホームズが良い口直しになったのだ。特に子供が喜んでいた。(当時はまだアニメは子供向けという印象が強く、小さな子供連れも多かった)
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その成功体験から「ラピュタ」にもホームズを2本付けたのだろうが「ラピュタ」は宮崎駿の集大成と言うべきフルコースの作品だから、オマケは不要だったのだ。ホームズも楽しい作品なのだが、その「アクションと笑い」は、すでに「ラピュタ」にあったので、似たような作品が続く印象になってしまった。
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コメント

ma08s@フォロー外からごめんなさい @bygzam_ma08s 2019年9月14日
「パクリはただラベルを貼り替えただけのモノ」 ごもっとも。
エツェ子 @beastlyelder 2019年9月15日
宮崎駿とか富野ハゲの古いやつ見ると 昭和時代の環境問題の深刻さを感じるよね
autopen @autopen10 2019年9月15日
金や知名度と引き換えに作品世界を売り渡す点では、映画化もパチンコ化も同義。そんなこと原作者も承知の上でしょ。むしろジブリ映画化されてなければどの作品も話題にすらなってない訳だから、みんな感謝して然るべき。
ブックストア ウディ本舗 @woody_honpo 2019年9月15日
宮崎駿は初参加の「ガリバーの宇宙旅行」でもラストを変えていますが、これはワンカットで東映動画の内輪でしか知られていません。 しかし、「長靴をはいた猫」は日本アニメ史の事件だったのです。当時、この作品がTVで紹介されるたびに、あのラストの追っかけが流されました。当然、「あれを描いたのは誰だ?」となりますよね。
やわらか @yawarashi 2019年9月15日
とても読み応えあった。
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