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稲付香取神社例祭夜神楽「菩比上使」 菩比とは天菩比神(アメノホヒ)。高天原より地上支配の為に遣わされた天菩比神が出雲に降り立ち、国譲りを迫る。 「大八州千五百秋津島瑞穂国、天津神に捧げ奉るべし」 出雲側の国津神の代表は大国主命に一任された彼の御子である建御名方命(タケミナカタ)である pic.twitter.com/HEuco2kXtU
2019-09-14 22:19:00アメノホヒはアマテラスの御子、蘆原中津国平定を命じられるが、古事記日本書紀ではオオクニヌシに懐柔されて3年経っても復命しなかった、とあるが現在の出雲大社宮司千家家の祖神で、千家家に伝わる出雲国造神賀詞ではしっかりと仕事を果して地上平定している事になっていて真逆で面白い神様です。 pic.twitter.com/rWWZeKnAHF
2019-09-14 22:26:51しかしここで演じられるのはそのどちらでもなく、アメノホヒとタケミナカタが国譲りのやり取りをして戦うという里神楽オリジナルストーリー。国譲り外伝、今風に言えば古事記二次創作。 そしてアメノホヒの装束、面などがめちゃくちゃかっこいい。 pic.twitter.com/7dRAqL51V5
2019-09-14 22:31:19さて、アメノホヒに地上を渡すように命令されたタケミナカタ、一度は承諾するが内心絶対に渡すまいと心に決めている。何とか良い方法はないかと従者の神と智恵を絞ります。ひょっとこ面の従者はおどけ役。いかついタケミナカタとコミカルにやり取り。 3枚目「グフフ、それでいこう」「そうしましょう」 pic.twitter.com/iwjE0H8nLd
2019-09-14 22:39:56思い付いたのは「酒飲ませて酔っぱらったアメノホヒに襲い掛かる作戦」 古代日本の常套戦術。しかし記紀では天孫側がよく使うがここでは国津神側がそれを使うというのが面白い。最初は酒を拒むアメノホヒだったが勧められてついつい飲んでしまう。4枚目、もうけっこう!って言ってるのに注がれてしまう pic.twitter.com/L9NfgvCrt8
2019-09-14 22:49:27さらにタケミナカタは畳み掛けるのうにアメノホヒに舞を舞わせるよう仕向けます。酔っ払ったアメノホヒもわりとノリノリでキレキレのかっこいい舞を舞います。かっこいい。 pic.twitter.com/q3Lk8xotMh
2019-09-14 22:58:44そして酔いと舞によってアメノホヒは疲れて伏せてしまう。この後また従者の神のコミカルなやり取りがあって、ついにタケミナカタがアメノホヒに斬りかかる。しまった、と立ち上がるアメノホヒ。 pic.twitter.com/Q7wD42FJOJ
2019-09-14 23:18:44クライマックス。アメノホヒとタケミナカタ、二人の神の戦いの剣舞。互角に渡り合うが酔いと疲れと不意討ちのダメージでアメノホヒが分が悪い。この後押されていく。ちなみに中の方は二人とも女性で、身のこなしがしなやかで美しい印象でした。 pic.twitter.com/n6AGoD3HJG
2019-09-15 00:14:05ラスト、戦いに破れたアメノホヒは口惜しさを胸に地上を後にする。鞘に剣を納めるタケミナカタ。天津神の蘆原中津国制圧はならず、いまだ地上は「五月蠅なす」荒ぶる神々の幸わう国が続くのであった。 以上が神楽「菩比上使」。 この戦いの後、タケミカヅチとフツヌシが遣わされ国譲りはなるのだが pic.twitter.com/VEVk15V26B
2019-09-15 00:22:34その前段階、記紀に数行しかないアメノホヒを主人公とするストーリーが二次創作的に生まれた。この神は何も成さないダメ神のように書かれているが、記録の裏で本当にこのような戦いがあったのでは?と思わせてくれるような、そんな神話と神楽がさらに魅力的になるような、素晴らしい演目でした。終。 pic.twitter.com/OIUWlI0NMR
2019-09-15 00:31:48