映画『ドラえもん のび太のゲノム編集動物王国』（完結）by @jyouhou_syusyu

トクロンティヌス @jyouhou_syusyu

映画『ドラえもん　のび太のゲノム編集動物王国』 あらすじ: 20歳になったのび太はしずかちゃんにプロポーズするために彼女の部屋に向かうが、そこで出来杉と部屋に入るのを目撃してしまう。自暴自棄になったのび太は、『何かあったときにはこれを』とドラえもんから預かっていた箱を開けるのだが……

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「これは……？」 『のび太君へ これを読んでいるということは、君にとても大変なことが起きているのだろうと思う。でも、もう僕は助けることは出来ないんだ。おそらくもう僕はオーバーテクノロジーを過去の人間に提供した罪で、解体されている頃だからね。だから、タイムパトロールにみつからなかった

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この2つの道具を置いて行く。君が好きだった幻想動物を作れる道具で、君の心が少しでも軽くなるなら。大丈夫、この時代のテクノロジーに合わせてあるから、作った動物がタイムパトロールに見つかることはない。ああ、タイムパトロールのサイレンが聞こえる。。もう時間がない。それじゃぁ、元気で』

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手紙はここで途切れている。 「ドラえもん………あの時、突然居なくなったのは、こんな………僕にはもう何も残っていない……しず……源さん、父さん、母さん……そして、ドラえもん……」 箱の中の道具を手にとるのび太。 「これは……『全生物受精卵培養器』と『想像投影gRNAゲノム編集キット』？」

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「のび太、もう馬鹿なことはやめろ！！帰ってこい！」 「ジャイアン……スネ夫……君たちまで僕の邪魔をするのか……僕はただ、このトカゲ人間たちと静かに暮らしたいだけだというのに……いいだろう、君たち人間がそこまでするというなら、これはもう『戦争』だ！！」

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「解体する前に、何か言い残すことはあるかね？」 「……君たちは大きな間違いを犯してしまったぞ、タイムパトロール。僕は気付いていたんだ。彼が、のび太君が『ありとあらゆる未来道具を即座に理解し、応用出来る』という特殊な能力を持っているということ、そして……」

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「のび太君の『想像力』は僕たち22世紀のテクノロジーのはるか先をいっている……彼が万が一、悪の道に進むことになってしまったら……その抑止力としての『ドラえもん』……僕だったというのに……」

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「のび太ァ！！どこだ！」 「トカゲ兵たちの守りを突破してきたのか……さすがだね、ジャイアン。やはり君との決着は僕自身がつけないといけない」 「ああ、そうだな。お前が王なんて、のび太のくせに生意気だ。俺が連れ戻す。お前のものは、俺のもの。お前の罪も俺のもの……それが心の友だからな！」

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「……もう泣くなよ、のび太。お前は……お前の道を……"親友"の手にかかって死ぬのも……悪くない……」 『野比のび太だな！！タイムパトロールだ！！』 「……静かに……本当に静かにしてくれないかなぁ……今、僕はとても……とても悲しいんだ……」

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『野比のび太、貴様を第一級時間犯罪者として拘束する！』 「静かにしてくれと言っているのに……ああ、タイムパトロールか。いつも一方的な取締をする『時の偽善者』ども……そして僕からドラえもんを奪った……お前たちのせいで……僕を拘束するだって？この『トカゲの王』となった僕を？」

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「お前たちにそんなことができるのか？知っているぞ、タイムパトロール。お前たちがその権限として無効化できるのは、『オーバーテクノロジーだけ』だってことを。ゲノム編集というすでに21世紀に存在した技術で作られた生命としてのトカゲ人間たちを無効化することはお前たちには出来ないってことを」

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映画『ドラえもん　のび太とゲノム編集動物王国 Episode 2 トカゲ王国の復讐』に続く

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バズったので、カクヨムで書いてる研究者小説も是非読んで下さいね！kakuyomu.jp/works/11773540…

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野比のび太と彼の創り出したトカゲ人間たちによる侵略が進む五年後の世界ーー 「しずか君、こっちだ！」 「出来杉さん！」 「……博多もこれまでか。今日のうちにもっと南へ移動しよう。天草にレジスタンスの拠点の一つがあったはずだ」 「……ねぇ出来杉さん、私たち、何を間違ったのかしら……」

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「何も間違ってなんかないさ。野比君がああなってしまうなんて、誰も……あの『ドラえもん』でさえ、見抜けなかったことなんだから」 「本当にそう……なのかしら……ドラちゃんが姿を消す前の最後の日、ドラちゃんなんだか真剣な顔で私に『何があってものび太君の近くにいて欲しい』って……」

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「ドラえもんがそんなことを？……まさか、彼は……いや、"あれ"は22世紀では……」 「出来杉さん？」 「ああ、すまない。身重の君を急かしてすまないが、やはり今日のうちに天草に急ごう。そこに医師のスネ夫君がいるはずだからね」

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「出来杉！しずかちゃんも！無事だったか……良かった……本当に」 「スネ夫君、再会してすぐで申し訳ないのだが"妻"を……」 「あ、ああ、そうだね。しずかちゃん、医務室は向こうのテントだから」 「ありがとう、スネ夫さん」 「スネ夫君、そういえば郷田君は？」 「……ジャイアンは……死んだよ」

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「のび太の手にかかってね……」 「そんな馬鹿な！彼のような優秀な軍人が……野比君本人はただの一般人のはずだ！」 「そんなこと、僕にもわからないよっ！……わからないことだらけなんだ、出来杉……あの優しいだけが取り柄ののび太がこんなことを……それに確かにアイツはジャイアンを……」

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？？？「ええ……想像以上の……です……このままではわれわれの……が……しかし、オー……の反応はなく………」 「あなた？……出来杉さん？何をしてるの、こんなところで？」 「あ、ああ。しずか。診察は終わったのかい？」 「ええ、スネ夫さんがあなたを呼んでるのよ。来てほしいって」

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「スネ夫君、話というのはーー」 「やぁ、出来杉君に……源さん。みんな元気そうで何よりだよ」 「の……野比ッ！？なんで此処に！？」 「酷いなァ、小学校の同級生じゃないか。理由がなければ、会えないのかい？……それと今、手をかけた"ポケットの中身"を動かすのはやめておいた方がいいな」

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「身重の奥様の安全を考えるならね。"それ"はとても良くないことになるからね」 「！？……君は一体……」 「『どこまで知っているのか』かな？出来杉君。答えるなら、『すべて』だよ。君のお友達は実におしゃべりが大好きなのようでね。こちらが知りたいことはすべて教えてくれたよ」

トクロンティヌス @jyouhou_syusyu

「……あなた、のび太さんと一体何を話しているの？」 「そうだ、出来杉。僕にも一体何をお前たちが話しているのかわけがわからない」 「しずか君、スネ夫君、これは君たちにはーー」 「ふふふ。源さん、スネ夫。君たちは今、『誰と』話しているのかな？目の前にいるその男は……一体、誰なんだい？」