茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2336回「大学入試改革は結構だが、英語の四技能を民間テストでという発想は筋が悪く愚である」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2336回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2019-09-17 07:08:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

大学入試に英語の民間テストを導入する話がいろいろと騒ぎになっているようだ。ぼくは、大学入試のあり方は見直すべきだと思うし、その中で、テストの位置付けや形式も変えていくべきだと思うけれども、この「改革」については正直その意義がよくわからない。

2019-09-17 07:09:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語の民間テストが、実施会場や料金の点で、不平等だという話は確かにそういう側面もあるのだろうから、政策として補助するとか会場を増やすとか、そのような措置をとるべきだと思う。しかし問題の本質は別のところにある気がする。

2019-09-17 07:10:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語の従来のテスト(ヒヤリングがあるペーパーテスト)では、いわゆる「四技能」のうち、「話す」力、「書く」力が把握できないということが今回の「改革」の理由となっていると理解しているが、そもそも「話す」、「書く」ことはテストすることではないように思う。

2019-09-17 07:12:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

「話す」ことだったら、たとえば学校で日常的に会話をしたり、あるいはspoken poetryで自作の詩を読んだり、drama educationで英語の劇を上演したり、時事問題について英語で議論したり、そのような実践が大切なのであって、別に「テスト」してスコア化することではないと思う。

2019-09-17 07:13:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

同様に、「書く」ことだったら、エッセイをがんがん書かせればいいし、自分の言いたいことを書かせたらいいし、その際、文法がただしいかとか、スペルがどうかということは副次的なことであって、要するに何が主張したいのかが大切なのである。

2019-09-17 07:14:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語の「四技能」を「テスト」して「スコア」化するというアプローチ、発想の「筋」の悪さは、「話す」とか「書く」ということは点数をつけてスコア化することに根本的になじまないということで、むしろ、箸の上げ下ろしまでうるさくチェックすることで話すこと、書くことが萎縮してしまう。

2019-09-17 07:15:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

前にも書いたけれども、中学生が英語嫌いだったのが、あるロックバンドが好きになって、紙の表裏にだーっとそのバンドへの思いを書いてもっていったら、文法ミスやスペルミスで「0点」だったという話がある。そういうことをしていたら書く意欲が消える。書くことをテストでスコア化することは愚だ。

2019-09-17 07:16:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語の「四技能」を育むことは大いに結構だけれども、それは話すこと、書くことの積極性をうながす文脈、マインドセットを通して行うべきで、テストしてスコア化するというちまちました箱の中でやるべきことではない。大学入試の改革は良いが、四技能の計測のための民間テスト導入は筋が悪く愚である。

2019-09-17 07:18:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2336回「大学入試改革は結構だが、英語の四技能を民間テストでという発想は筋が悪く愚である」をテーマに8つのツイートをお届けしました。

2019-09-17 07:19:33