匿名希望K@SOS団団員その一 の自己紹介。

上記の通り、俺がどうやってこの世界に来たのか、俺の団長様がどんなやつかの簡潔な説明だ。
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匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

事の始まりは、情報統合思念体の急進派が喜びそうな夢、そして俺にとっては最悪の悪夢が正夢になったことだった。 ハルヒが、全てに気付いてしまったのだ。自分の力、俺以外の団員の素性、そして俺がジョン・スミスであることの全てに。

2019-09-17 22:13:11
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

ハルヒのやつは、身近に自分の望んだ不思議が転がっていたことについて、喜んではいたが物足りないようだった。 「あたし全て知ってんのよ」 と言ったハルヒの古泉ばりに含みを持った笑顔は、今でも俺の頭の中に焼き付いている。フィルムの残像でもここまでしつこくは残らないだろう。

2019-09-17 22:17:25
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

残念ながら、こうなってしまった以上俺にはどうすることもできない。長門をちらりと見てみたが、 「情報統合思念体による情報操作は涼宮ハルヒが本心より希望したことの前では無力」 の一言で黙ってしまったのだから完全に詰みだ。

2019-09-17 22:20:07
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

どうにも困ったので、とりあえず俺はハルヒに尋ねてみることにした。世界の命運はあいつの今の気持ちにかかっているんだから、それを知らないことには始まらないだろう。 「お前はどうしたいんだ?」

2019-09-17 22:21:31
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

ハルヒは、しばし考えた後、 「この世界が十分に面白いことは分かったわ。でも、こんな風にすぐに見つかってしまうんじゃ物足りないじゃない。だからあたしは探しに行くわ、未だ来ていない異世界人を!」 とのたまった。

2019-09-17 22:35:12
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

アイディアが見つかるとすぐに満面、赤道直下で百ワットな笑みを取り戻したのは何ともハルヒらしい。 「で、どうやって見つけるんだ?」 「決まってんじゃない?あたしが直接異世界に乗り込むのよ!あんたたちも来なさい!」 「おいおい、お前がいなくなっちまったらこの世界はどうなるんだ?」

2019-09-17 22:35:40
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「平気よ。世界維持に必要な分だけの力は、ヤスミちゃんをこっちに待機させておくことで温存するから!そんじゃ早速行ってくるわね!」 「おい待てよ!」 言ったときは既に遅く、ハルヒは手に持っていた本と一緒にさっと姿を消してしまった。

2019-09-17 22:36:15
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

その本は題して『涼宮ハルヒの憂鬱』。やれやれ、憂鬱になりそうなのは俺の方だ。 だが、その本を手掛かりに長門が何とかハルヒの向かった先の世界を割り出してくれた。とはいえ、ハルヒを連れ戻すべく、その世界に俺たちが向かうのには一定のリスクがあるという。

2019-09-17 22:36:59
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「あなた、わたし、朝比奈みくる及び古泉一樹の有機結合情報を涼宮ハルヒの転移先に該当する世界に転送することは可能。但し個人単位となるため、転移先世界での私達の再会は保証できない。あなたは涼宮ハルヒ、わたし、朝比奈みくる、古泉一樹を自力で見つけ出す必要がある」 何だって?

2019-09-17 22:41:58
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「情報統合思念体の力を以てしても、有機生命体の異世界への転送は一人単位が限界。また転送先の物理的座標には多少の誤差が発生することは不可避。つまり当該世界内時空連続体の同一座標への転送は不可能。その誤差は数km単位となる」 「だが長門、お前の力なら全員を見つけられるんじゃないか?」

2019-09-17 22:48:22
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「不可能。情報統合思念体は当該世界には存在しない。故に情報統合思念体と同期することはできない」 「それで、なんで俺が全員を探す必要があるんだ?」 俺が問うと、長門はミクロンほど俯きながら、

2019-09-17 22:50:39
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

私、朝比奈みくる、古泉一樹は転送先では能力が減少するが、あなたは転送の影響を受けないため。これは、あなたが宇宙人、未来人、超能力者のいずれにも該当しないことに起因する」 「なるほど」 言ったのは古泉だ。お前はいつもそうやって。

2019-09-17 22:51:43
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「つまり、僕達は向こうの世界では普通の人間になってしまう。しかし、元々普通の人間である彼はそのことによって何かを失うことはない。一方僕達は自分の力が使えない故に不利益を被り、人探しどころではなくなる可能性がある。そういうことではありませんか?」 「その理解で正しい」

2019-09-17 22:53:31
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「つまり、俺だけが向こうでは元のままでいられるから俺がハルヒに加えてお前らも探せということか?」 「そう。それ以外にわたしたちが再会できる現実的可能性が期待できる方法は存在しない」 「…しょうがねえな。で、俺はどうすればいいんだ?まずハルヒを見つければいいのか?」

2019-09-17 22:55:22
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「そう。涼宮ハルヒの存在が確認できれば、わたし、朝比奈みくる、古泉一樹も発見できる可能性が約50%増加する」 「だが、どこをどう探せばいいんだ?」 「Twitterというツールを利用すると効率的に発見できる可能性が高い」

2019-09-17 22:57:27
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「Twitter?」 「この世界に存在するものと同じ」 「なるほど。何となくわかった気がする。だが、どうしてそのTwitterを使うとハルヒを見つけやすくなるんだ?」 「涼宮ハルヒがTwitterの利用を開始し、かつ自らの能力を自覚していることを明かすことが予想されるから」

2019-09-17 23:00:29
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「つまり、自ら自分は力を持ってますと告白するハルヒをTwitterから探せば、あいつに会える可能性が高いってことだな?」 「そう」 「で、俺はそのために向こうに行ったらTwitterを始める必要があるってことか」 「そう」

2019-09-17 23:03:09
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「分かった。だが、お前らもこっちに来たらTwitterを始めればいいんじゃないか?そうすればお前らのこともきっと探しやすくなるはずだ」 「了解した。但し気を付けて」 「何にだ?」 「当該世界には私達を名乗る別のアカウントが一定数存在する可能性が高い。真贋の判定には気を付けて」

2019-09-17 23:06:10
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

「分かったよ。俺は曲がりなりにもSOS団の団員その一だ。お前らのことは絶対に見間違えない。心配すんな」 俺がそう言うと、長門はうなずき、 「わかった。それでは転送開始する」 と言った。それからしばらく、俺は時間酔いに似たグルグル感を覚え、気が付くとここにいた。

2019-09-17 23:09:05
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

長くなったが、それが俺がこうしてTwitterを始めた理由だ。朝比奈さんの悩殺画像流出を阻止したプライバシー意識の高い俺は、全面的な顔画像を出す気もなければ、名乗るつもりもない。匿名希望ということで勘弁してくれ。 俺は早速ハルヒを探した。するとあいつは驚くほど簡単に見つかった。

2019-09-17 23:10:57
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

涼宮ハルヒを名乗るアカウントも複数存在したが、一つだけご丁寧にもプロフィールに自覚ありと記載してあったのだ。だからこいつが俺の、いや、俺たちの団長様ということで間違いはない。日頃の勢いそのままにツイートを乱発しているところもあいつらしい。いずれ飽きるだろうが、その前に捕まえよう。

2019-09-17 23:13:38
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

問題は他の団員だ。驚くほどそれらしいアカウントがうじゃうじゃいる。故に俺は、ひとまず全員と接触の門戸を開きたい。 古泉や長門は頭がいいから、本物の俺がどんな俺だか察知して自分から接触してくるであろう。そうなれば後は朝比奈さんは俺たちでしらみつぶしに探せばきっとすぐ見つかるはずだ。

2019-09-17 23:15:17
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

ある意味他力本願だが、少なくともハルヒは俺が見つけたんだ。それで再会確率が50%増しになるなら、あいつらならきっと何とかできる。そう信じていい。あいつらも、SOS団でこの一年活動してきた、たたき上げの団員だからな。 そういう訳だ。みんなよろしく頼む。

2019-09-17 23:17:19
匿名希望K@SOS団団員その一 @AnonJohnSmithK

最後に注意書きすると、俺のハルヒは、いつも通り何も知らずにいる「ただのハルヒ」に飽きたラディカルなファン向けのハルヒだ。俺だって正直ほとほと戸惑っている。何も知らないハルヒがいいなら、あいつとは関わらないことを推奨する。 これは団員その一としてのせめてもの忠告だ。

2019-09-17 23:20:01