ぱすイカ二次創作21

一応最終回のつもり 要望があったら短編とか書くつもりなので要望がある方はちゃんと要望出してくれると助かります みんな読んでくれてありがとな!! 書いたもの https://togetter.com/id/pascal_syan 2019/11/24追記:つづきや短編はトゥギャってないけど、#ぱすイカ二次創作 で検索するといろいろ投げてあります!
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ぱすかる❄ @pascal_syan

いよいよやってきた、サイキョー杯の決勝戦。ついに、ハイカラスクエア最強のチームが決まるのだ。 スクエアは、今までにないほどの熱狂に包まれていた。 勝つのは、無銘か、サキモリか。 人々はその話題で持ちきりだ。

2019-09-25 10:19:40
ぱすかる❄ @pascal_syan

「いよいよこの時がやってきたわ」 決勝戦の舞台、その控え室で、サキモリの面々は、緊張感に包まれていた。 「お父様の悲願を果たすため……全力を尽くしなさい。敗北は許されないわ」 「はーい」 返ってきたのは間の抜けた返事だけ。双子は相変わらず何も話さない。

2019-09-25 10:24:23
ぱすかる❄ @pascal_syan

「まあ、負ける気はしないですね。ちゃんと戦えれば」 頭の後ろで手を組みながら、クライスは笑う。 「油断はしないことね」 「それを言うならお嬢様もですよ」 アヤメは何も答えない。 「何が起こるか分かりませんからねえ、世の中って」

2019-09-25 10:28:40
ぱすかる❄ @pascal_syan

「ついにこの時がきた」 一方、シグルイたちの控え室にも、緊張感が満たされていた。 「もう、…もう決勝なのかあ」 サキはしみじみと語る。 「チーム組んだの、たった一ヶ月前なのに、随分一緒にいる気分……」 「ワタシも、なのね」 ヨーコも同意する。

2019-09-25 10:32:24
ぱすかる❄ @pascal_syan

「俺も、初めてのチーム編成でここまでいくとは思っていなかったな。……世の中は広い。星の数ほど人材はあるが……」 シグルイは目を閉じる。 「お前たちのような者に出会うために、今まで生きてきたのかもしれない」 「シグルイさん……」

2019-09-25 10:34:41
ぱすかる❄ @pascal_syan

少しだけうるっときてしまったが。 「こ、この先は、試合終わってからにしません?」 「そ、そうなのね!感動、後回しなのね……ね……!」 「ふふ、そうだな。全て終えてから、これまでを語り合うとしよう」 全員、同時に立ち上がる。 「行くぞ。勝利へ」 「はいっ!」

2019-09-25 10:37:17
ぱすかる❄ @pascal_syan

『いよいよ、いよいよやってまいりました!今宵、ついに!ハイカラスクエアの頂点が決まりますッ!サイキョー杯決勝戦の舞台に立つは、チーム・サキモリと、チーム・無銘です!』 フィールドは、アジフライスタジアム。普段はバスケットボールの試合が行われているが、今日は貸し切りだ。

2019-09-25 10:57:41
ぱすかる❄ @pascal_syan

スタジアムとあって、観客席の規模はこれまでよりも大きい。その全てに、この記念すべき戦いを見に来た観客が座っていた。座りきれず立ち見をする観客までいる。 『本日はここ、アジフライスタジアムよりお送りいたします!すごい熱気です!スクエア史上最大と言っても過言ではないでしょう!!』

2019-09-25 10:59:32
ぱすかる❄ @pascal_syan

リスポーン地点に、それぞれ降り立つ。 『それでは、各チームの意気込みを!まずはチーム・サキモリから……』 「必要ないわ」 『え、ええ……?』 あからさまに困惑するアナウンス。無理もない。 『で、では、チーム・無銘は……』

2019-09-25 11:12:29
ぱすかる❄ @pascal_syan

「必要ないな」 『そ、そんなぁ……』 「言葉を交わさずとも、戦いぶりで示してみせよう。本当の最強は誰かを……!」 歓声が響き渡る。 『あ、ありがとうございましたっ!なんという自信と気迫ッ!ご覧ください、この会場の盛り上がりっぷり!!』

2019-09-25 11:15:57
ぱすかる❄ @pascal_syan

「ああいうパフォーマンスが、みんなの理想の強者ってやつですよ。お嬢様も見習ったらどうです?」 「結構よ」 「そうですかぁ。まあ、お嬢様のやり方も嫌いじゃないですよ」 「黙りなさい」 「はいはーい」

2019-09-25 11:17:43
ぱすかる❄ @pascal_syan

『この決勝の舞台をさらに盛り上げようと、本日はこのお二人をお呼びしています!もう見慣れた顔ですが……テンタクルズの登場ですっ!!』 特設ステージに、スポットライトが当たる。ヒメとイイダが照らされ、会場はより一層沸き上がる。

2019-09-25 11:21:13
ぱすかる❄ @pascal_syan

「みんなーーーっ!イカしてるかーーーーーっ!!!」 イカしてるー!! 「アジフライスタジアムから、テンタクルズが決勝の様子をお送りしますっ!」 イエーイ!! 「せっかくの決勝だからよ!アタシたちもスペシャルゲストを呼んできたぜ!」 だれだれーー??

2019-09-25 11:23:54
ぱすかる❄ @pascal_syan

『え、え?待ってください、そんな予定はどこにも……』 スピーカーの向こう側から、スタッフの騒ぎ声が。今までにない慌てっぷりに、会場は少しだけ困惑する。 「それじゃー呼ぶよ!」 『ど、どなたをですかっ?』 「今大会の主催者、ゲンイチロウさんですっ!!」

2019-09-25 11:27:21
ぱすかる❄ @pascal_syan

イイダの宣言と同時、ライブステージの上に、ゲンイチロウが立った。 「な……爺さん、何を……!?」 シグルイが動揺する。彼にとっても、祖父の登場は想定外だったようだ。 「じゃ、じーさん!挨拶よろしく!」 ヒメがゲンイチロウにマイクを渡す。

2019-09-25 11:30:37
ぱすかる❄ @pascal_syan

「お集まりの諸君!」 腹の底に響くような、力強い声。 「今日のこの日、この時を、儂はずっと待ち焦がれていた!今宵、ついにハイカラスクエア最強のチームが決まる、この記念すべき瞬間を!」 観客が歓声をあげようとするが。 「…だが、この素晴らしい舞台を汚す、不届き者がいるのだッ!」

2019-09-25 11:33:31
ぱすかる❄ @pascal_syan

歓声から、ざわつきへ姿を変える。 「皆も気づいていただろう。この大会の……いや、この大会以前からも、輝かしい戦いの舞台の裏で暗躍する影の存在に……!」 皆の視線は、ごく、ごく自然に、チーム・サキモリのほうを向く。 「……何を……」 アヤメの険しい表情。

2019-09-25 11:36:44
ぱすかる❄ @pascal_syan

「言い逃れはさせねーからな!」 ヒメが叫ぶ。片手でイイダに合図を送る。イイダはそれを受け、何やら機械を操作した。 フィールド中央上部の、巨大な四面モニターに、とある人物のビデオ映像が映し出された。

2019-09-25 11:39:10
ぱすかる❄ @pascal_syan

「私が、やりました……」 その男は、泣き腫らしたような顔で、カメラに向かって吐露していた。 「チーム・サキモリの……製薬会社ファーマシーの命令で、毒性のあるインクの開発に携わりました……証拠は、すべて、お出しします……お願いします、どうか、どうか……」

2019-09-25 11:43:39
ぱすかる❄ @pascal_syan

モニターに、何らかの文書が続々と表示される。 「チーム・サキモリをはじめ、全206チームが、この毒インクを使用していたことが判明した!」 「体調不良がやたら多かったのは、こいつのせいだったってことだよな?」 「いかにも。この男はその開発に携わった者だ」

2019-09-25 11:59:08
ぱすかる❄ @pascal_syan

「なんで……」 アヤメは、絞り出すように呟く。 どうして、こんな映像が、彼らの手にあるのか。お父様が手を回しているはずではなかったのか。 「家族を人質に取るなんて卑怯だぞ!ま、あたしのパパがみんな助けたけどな!」 ヒメは得意げに言い放つ。

2019-09-25 15:09:58
ぱすかる❄ @pascal_syan

「この件以外の証拠も出揃ってます!」 モニターに次々と映し出されていく。その中にはもちろん、スキッパーズの一件も含まれていた。 「徹夜でハッキングするの大変でしたが、間に合ってよかったです……!」 イイダの目の下には、確かにクマのようなものが。彼女がやってくれたらしい。

2019-09-25 15:14:48
ぱすかる❄ @pascal_syan

「お嬢さん方の協力には、大変感謝しておる。決め手に欠けていたからな」 「気にすんなよじーさん!……アタシたちの大切なダチがひどい目に遭ったんだ、仕返ししなきゃ気が済まねーだろ?」 「センパイの言う通りです!観念してください、サキモリのみなさん!」

2019-09-25 15:17:36
ぱすかる❄ @pascal_syan

サキモリの最大の失敗は、テンタクルズの友人・ハチに手を出してしまったことだ。豊富な財力を持つヒメ一家と、凄腕の技術者イイダ……そこに、ゲンイチロウを始めとしたシグルイ一派の力が加わり、決定打となってしまったのだ。

2019-09-25 15:19:36
ぱすかる❄ @pascal_syan

サキモリの背後から、大勢のスタッフが駆け寄る。 メンバーが持つブキを回収していこうとする。 「や、やめなさい!なにを…!?」 「お嬢様〜、抵抗しないほうがいいんじゃないですか?どうしようもないですよ、これ?」 クライスは素直にブキを受け渡したようだ。

2019-09-25 15:21:29
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