
ちょっと気になったうぃき先生のプール・ル・メリット勲章の内容について。リヒトホ ーフェンの説明が間違っている気がするので調べてみました。勲章の表記法は多めに見てください(詳しくないので)。どうも英語ページの翻訳を間違えたと思われるのですが。http://bit.ly/mpmpel
2011-05-27 22:19:26
まずおかしいのは概要の4段落目の2文目。1文目でPour le MériteのGrand Cross( 大十字章)について説明していますが、Richthofenに授与される予定だったのはOak Leave(柏葉)です。
2011-05-27 22:19:45
そもそもPour le MériteのGrand Crossはヴィルヘルム1世、フリ ードリヒ皇太子(後3世)、カール・フォン・プロイセン(ヴィルヘルム1世の甥)、ア レクサンドル2世、大モルトケの5人しか受章していません。
2011-05-27 22:20:03
さらに3文目の赤鷲大十字勲章。この勲章は国家元首や大将 クラスに授与されるものです。英語ページを見るとはっきりとthe Order of the Red Eagle, 3rd Class with Crown and Swords(赤鷲勲章3等王冠・剣付)と書いてあります。
2011-05-27 22:20:21
なので、これも誤りだと思います。 ちなみにこの赤鷲勲章3等も本来なら大佐・中佐クラスがもらうものでPour le Mérite柏葉付に比べるとわずかにおちるものの、大変な名誉であったそうです。
2011-05-27 22:20:46
そして、極めつけは4文目。後に通常の~とありますが、Richthofenにこの階級の勲章を与えるかどうかが問題になったのは1918年初頭です。1917年1月には通常のPour le Mériteは授与されているので、ここの内容も誤りだと思います。
2011-05-27 22:21:10
反証元は英語のページです。http://bit.ly/jNQXJd Military orderの項目の2段落 目に詳しくでています。何かしら英語のページの内容がごちゃまぜになっている印象が…。このへんの事情に詳しい方はいらっしゃいませんか?誰か情報を下さい…。
2011-05-27 22:21:29
①以下にRTしたRichthofenの叙勲について。ろくはらさんのツイートで正解。 RichthofenはPour le Merite(通常)と赤鷲勲章4級(Roter Adlerorden IV.Klasse )の王冠及び剣付きでFAです。
2011-05-28 06:28:02
②Pour le Merite(PLM)とRoter Adlerorden(RA)の変則的な等級が混乱の元。 PLMは通常のもの、柏葉付、王冠付(等級ではなく授与から50年の記念章)大十字章の四種類。
2011-05-28 06:28:15
③RAは大十字章および一級〜四級までの五種類。戦功章の場合は各等級に剣が付き(mit.Schwerterと表記)柏葉も存在(上位の等級を叙勲した者が、下位の等級を既に叙勲されている場合)その他にも”剣付柏葉章””剣および輪付き””50年記念”などもあり魔窟。
2011-05-28 06:28:23
⑤未確認な話。赤鷲勲章剣付はWWI以前の植民地戦争では数多く叙勲されているものの、WWIでは鉄十字章の再制定とホーエンツォレルン王家勲章剣付の乱発で相対的に極めて叙勲数が少ない(理由は不明)のでリヒトホーフェンの尉官で王冠剣付き4級はかなりの事と言えます。
2011-05-28 06:36:21
http://twitpic.com/53ckv7 - ロンメル元帥の勲章一覧。騎士十字章の各等級とプール・ラ・メリートに並んでルーマニア、イタリアなどの同盟国からの勲章。お亡くなりになる直前に叙勲された戦傷章金章なども。
2011-05-28 07:17:35
Pour le Meriteといえば、Moltke the elderは青年時代のトルコ勤務で通常を授与され、その後柏葉付・大十字章を受章し、さらにCivil Classまで受章している。
2011-05-28 07:33:41
勲章の等級の大ざっぱな見分け方。①頸飾(chain,kette)文字通り首飾り、天皇陛下がつけてるああいうの。首飾りと胸に付ける星章で構成。君主・国家元首クラス ②大綬章(Grand Cross,Grosskreuz)肩から下げるリボンと胸の星章で構成。大臣・将官クラス(つづく)
2011-05-28 07:34:18
Pour le MériteのMilitary ClassとCivil Classの両方を受章しているのは、Moltke the elderとOtto von BismarckとHermann von Kuhlの3人のみである。
2011-05-28 07:35:13
@toge_inu リヒトホーフェンの赤鷲もうぃき先生(英語)によると3等らしいですが、とげいぬさんのツイートをみると4級とあるので、混乱しました(笑)王冠と剣付ということははっきりそてそうですが。
2011-05-28 07:39:07
③司令官級(Commander)日本だと勲三等、首からリボンで下げるいかにも勲章。下級将官・大佐クラス。④騎士級(Knight class)リボン付きを左胸に付ける佐官・尉官クラス、下士官用に更に下の等級が制定される場合も。
2011-05-28 07:39:30
@rokuharaminami 3級は白い七宝が十字にあり、4級は七宝がなく銀地なので、私は写真から4級と判断しています。説明不足すみません。
2011-05-28 07:41:04
補足・勲章(order)と徽章(medal)は似て非なるもの。前者は騎士団が発祥なので宮廷序列や年金、位階などにも関わるが、後者は単純に名誉だけのもの。近現代になると境界が曖昧になってきたりもしますが…
2011-05-28 07:43:12
補足2・無茶苦茶有名なナチスドイツの「騎士十字章」が勲章の中ではかなり変則的な勲章でみんなそこから入るので他が複雑に見えるような気が、します。騎士十字章はプロイセンの赤鷲勲章の系譜がわかるとそこから柏葉や剣などの意匠を意味を変えて等級分けしたシステムなのだなと最近理解。
2011-05-28 07:45:51
PLMちょっと調べ直したらErnst Jüngerは双方授章と思ってたら平和章は貰ってない。あと日本語wikiのFelix von LucknerがPLM授章はよくある間違いだけどJohanniterordenの見間違い。
2011-05-28 08:04:40
Pour le Mériteを最初に受章したパイロットはMax ImmelmannとOswald Boelckeの二人で1916年1月12日のこと。最後に受章したのはTheodor Osterkampで、彼もパイロットでした。
2011-05-28 10:11:27
赤男爵が出たので調べてみた。UPされた写真はどう見ても赤鷲4級なんだけどとある海外の勲章サイトは3級の王冠剣付き章を授与された稀有な10例の中として彼が入っている。さて実際授与されたのは4級か3級どっちなのだろうか。下手な文献には赤鷲大十字章とか書かれていて始末が負えない。
2011-05-28 11:58:40
追記、PLMも調べてみた。柏葉章を受章したのは最低でも大佐から。そもそも佐官で柏葉を貰っているのは1割にも満たない。そりゃ、いくら英雄でも尉官が貰うのに反対意見は出るわーとか納得。ついでに海軍航空隊のPLM受章者は3人しかいないらしいのでコスプレではやらない方が無難。
2011-05-28 12:03:51