茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2352回「アインシュタインが苦手だったこと、得意だったことから見る神経学的多様性」

まとめました。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2352回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2019-10-03 07:11:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

子どもの頃、アインシュタインの伝記を読んでいて興味深かったのが、彼が数学は必ずしも得意ではないと認識していたということで、確か、複数の藁の山があったときに、そのうちのどちらに行ったらいいかわからないロバのようなものだ、という自己認識があったように思う。

2019-10-03 07:13:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

アインシュタインがすぐれていたのは、純粋に数学というよりも、物理的直観の方だった。特殊相対性理論の端緒となった「光を光のスピードで追いかけたらどうなるか」という思考実験もそうだし、一般相対性理論のスタートとなた「重力場と、一定の加速度で動いている場は等価である」という等価原理も。

2019-10-03 07:15:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

逆に、数学的なフォーマリズムが精緻に発達しても、アインシュタインのような物理的洞察、直観が欠けている場合もあるように感じる。超弦理論、超膜理論にはそのようなことがあるかもしれない。

2019-10-03 07:16:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

物理的直観はすぐれているけれども、純粋に数学的な能力には欠けるところがあるというアインシュタインの自己認識は、神経学的多様性(neurodiversity)の視点からたいへん興味深い。人間の能力は、ピンポイントである点がすぐれていて、別のところはダメであるということがある。

2019-10-03 07:17:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

アインシュタインの脳を研究した論文によると、言語野の発達が典型的ではなく、そのことと、アインシュタインが5歳くらいまでほとんど話さなかったと伝えられることと関係があるかもしれない。いわゆる「望ましい困難」(desirable difficulty)がアインシュタインの空間的直観を発達させた。

2019-10-03 07:19:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

アインシュタインは数学が卓越していないとは言っても程度問題で、一般相対論のテンソル方程式を導いたり、EPRのような議論をする能力はあるわけだけれども、アインシュタインでさえ得意なことと苦手なことがあったという視点こそ、多様性を考える上で重要だと思う。

2019-10-03 07:20:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

神経学的多様性(neurodiversity)については、まだ学術的に理解されていないことが多いが、現時点での我々の態度としてはすべての個性を平等に尊敬することが大切だろう。たとえば分数の足し算ができない人は他のものすごい能力が隠れているかもしれない。アインシュタインと同じように。

2019-10-03 07:21:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

異常、連続ツイート2352回、「アインシュタインが苦手だったこと、得意だったことから見る神経学的多様性」をテーマに7つのツイートをお届けしました。

2019-10-03 07:22:50

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