2019年10月3日

日本刀を片手で使うことについて。

定期的にTwitterで話題になる 「日本刀は両手で使うもので片手では使えない(切れない、効果的でない)」 「いや、片手で使える。刀は本来片手で云々」 といった議論ですけど、この話題についてそもそも議論できる前提をみんな共有してないのでは?と思って思うところをまとめました。
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みんみんぜみ @inuchochin

今更だけども、日本刀は片手だ両手だ論争。前提を共有しあわず話している事には興味ないけどもいくつか事実を。まず剣術をやっている武士(18世紀頃)が刀の重さについてどう考えていたかの一例を。

2018-12-09 01:43:35
みんみんぜみ @inuchochin

新當流系の流派だけども、 「二尺三寸を常寸とするが、個人個人に合わせるべき。ただし二尺五寸以上は良くない。」 「使えるものより少し軽めのものがよい。流儀には片手打ちの技があるためだ。」 とある。いたって現実的な考えで、どこにもおかしいところは無いと思います。

2018-12-09 01:43:35
みんみんぜみ @inuchochin

江戸時代中期では当然一般的な刀は両手で構える事を前提に作られているでしょうし、両手で自分が丁度良いと思う重さより軽く、とあるのは片手打ちを考えれば当然だと思います。片手打ちではないですが、黒田鉄山先生のお爺さんは、数百回素振りしても疲れない重さを使えと教えていたと著書にあります。

2018-12-09 01:46:26
みんみんぜみ @inuchochin

ツイッターで発言されている方の多くが、「今の自分が既にある刀を使う」という想定で発言されているのかもしれませんが、実際に自分の道具(武器)を選ぶとすれば、片手で使う事も考えているなら軽いものにするでしょうし、片手で使わないならちょうど良いものを使うのではありませんかね?

2018-12-09 01:48:33
みんみんぜみ @inuchochin

次に、特定流派の剣術など特にやっていなかっただろう、単純に切り合いの稽古くらいだった武士や、それも殆どしてないだろう雑兵の事を考えてみます。(時代は戦国時代や室町時代) 特に自分用の刀ではなく、適当にありあわせの武器を使っていた場合。

2018-12-09 01:54:00
みんみんぜみ @inuchochin

武器が片手で持って打つ事を考えて作っていれば、片手で打つか、力がいるとき(受ける時とか)は両手で持つのではないでしょうか? 持ってみれば片手で振り廻せるか、両手の方が良いか、くらいはわかると思います。それにいつでも片手で振り廻す必要はないですし、時に応じて使えば良いでしょう。

2018-12-09 01:55:51
みんみんぜみ @inuchochin

片手で持つように作られている武器でも、スポーツでは無いので決まった持ち方をする必要はないですし、両手で持つように出来ている重く長い刀でも、ぱっと打ったり突いたりするときに片手になったり、持ち方を変えたりくらいしても罰はあたらないとおもいます。

2018-12-09 01:57:38
みんみんぜみ @inuchochin

というのは使う側の考えで、では作る側はどう考えていたのか?というと刀剣学の方々が書いている時代による変遷が正解に近いのでは?根拠や史料もあるのでしょうし(このあたりは疎いのでよくわかりませんけど)

2018-12-09 01:59:07
みんみんぜみ @inuchochin

まぁ、二刀流の話とか、武術の伝承だなんだもそうですけど、史料や記録、事実を前提にしたうえで、言葉の定義や認識を擦り合わせてから話をしないと、何を話しているのかよくわからなくなって終わるだけだと思います。根気も時間もいるのでめんどくさいですけど。(私はもうよーやらん)

2018-12-09 02:02:37
みんみんぜみ @inuchochin

片手両手の話なら、 A「道具としておよそどういう使い方を想定されていたか」 B「一般的にその道具の使い方はどうだったか」 C「ある流派でどのように使われていたか」 はどれも答えが変わってくると思います。 Aを知りたい人がCを話したい人と議論すると互いに「わからん奴だな」となると思います。

2018-12-09 02:18:10
みんみんぜみ @inuchochin

これ、復元の話も一緒で、 A「ある時代のある流派がどのような稽古をしていたか検討・復元する」 B「ある流派の技を記録や現存の技から再現してみて、実際に使ってみる(使えるように稽古する)」 は全く別の話になると思います。

2018-12-09 02:20:37
みんみんぜみ @inuchochin

おまけで、戦国末~江戸時代の兵法(剣術)をやっていた武士がどのように片手で使うことに現況していたか。まずは有名な江戸時代初期の剣豪、柳生十兵衛。父(宗矩)や祖父(石舟斎宗厳)の言葉や伝書をまとめた「月之抄」より二点ほど引用。

2018-12-09 11:41:19
みんみんぜみ @inuchochin

「せんだんとは、ひとうち打て、後へくつろぐる心、身へあたらぬ心なり。二葉は本は一つ、一つは二星(※両拳のこと)なり。身のかかりを敵の太刀とわかって打なり。片手太刀、もっぱらよし」 「片手太刀をば、あさく打事あし、ふかく思入一尺八寸を手字とからみかけて打心持也」 「月之抄」より

2018-12-09 11:42:29
みんみんぜみ @inuchochin

センダンとは、敵の拳を根元、自分の太刀と敵の太刀を芽吹いた双葉に例えて、敵の太刀と並ばないように敵の拳に切りつける教えだと思いますが、このように敵を打つ際は片手打ちが良いと言っているのだと思います。 同書の中でこの技は疋田豊五郎の得意技だというようにも書かれています。

2018-12-09 11:46:46
みんみんぜみ @inuchochin

柳生石舟斎や疋田豊五郎の兄弟弟子丸目蔵人佐のタイ捨流は片手打ちをどう考えていたか?というといくつの資料があります。一つは 「仕合をする時、敵之変化に依り刀を片手にする事」 「総じて當流は太刀を片手打にする本目之事」 とあり片手打ちを重視しています。 個人蔵「タイ捨流(1641年)」より

2018-12-09 13:14:52
みんみんぜみ @inuchochin

江戸時代中期には成立していたタイ捨流の伝書にも片手太刀に言及があります。 「副掌 右を握る。かたてうちの時、弓手(※左手)にてめて(※右手)をにぎりて討」 とあり片手打ちの際に左手を使う事を教えているようです。 日本武道全集第一巻「剣術タイ捨流家伝要極」より

2018-12-09 13:18:15

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