ドボク鎮守府 鳳翔VS間宮 調理場が轟沈する日

まも（C103お疲れさまでした） @Kojimamo

料理を作ると海軍保健所から調理場使用停止措置が一週間取られる為に、普段は出入り禁止になってるﾒｼﾏｽﾞ鳳翔さんが、たまには台所に立とうとして、間宮と伊良湖に羽交い締めにされる鳳翔。 「貴女たち！離しなさい！ミサイル女将として命じます。私を台所に入れなさい」 #ドボク鎮守府

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「伊良湖、放しちゃダメ！絶対ダメ！厨房が！私たちの魂が二万年の荒野になる！グラウンドゼロになる！」 「いいからこの腕を話しなさい！水着ｸﾞﾗなんて給糧艦には早いのです！」 「間宮さん、誰か助けを呼ばないと！ここの鳳翔さん危険ですよ！」 「離しなさい！」 #ドボク鎮守府

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伊良湖の後ろには廊下の隅に、抑えようとして振り回されて非常口案内の緑色の電飾看板に頭を突っ込んで気絶している駆逐艦の望月。 軽空母はギラギラした目で叫んだ。 「給養班長<間宮>！いよいよその時が来ました。今こそこの不精な私にも料理の神が舞おりてきたのです」 #ドボク鎮守府

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「何がその時なのですか！？鳳翔さんが皿洗いならできるとお願いしたらZARA洗いと称してZARAさんを、洗い場の流しに連れ込んでクレンザーで磨き始めたしなければ保険所の指導も受ける事はなかったのに！」 いつもは温厚な間宮が、モーゼが渡る為に海峡が割るかのように怒りを露にする。 #ドボク鎮守府

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「貴女の鍵をこちらにもらいましょう」 「鎮守府司令官の命令を確認したのですか！？司令官の命令なくして調理場立ち入り許可はできない！」 唾をまるで機関砲のようにお互いの顔に掛けるような勢いで互が激高する。 #ドボク鎮守府

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「キューバ鳳翔…違っ、キューバ放送でわかりました。既に全世界は全面サンマ漁に突入しているのですよ！？」 「なんですか、キューバ鳳翔って！？ラテン音楽流しながら、ガスコンロで資本主義世界でも焼く気です？」 #ドボク鎮守府

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「とにかく提督さんの命令がなくては絶対に調理場立ち居入りは認められません！」 間宮とともに鳳翔を背中から抑えてきた伊良湖。鳳翔が弓を取り出し、長弓と弦の隙間に伊良湖の頭を入れて指でパチンと弦を弾いた。弦から発せられる圧倒的和弓が奏でる音波…ECM攻撃。 #ドボク鎮守府

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口から泡を吹き出し、黒目をグルんと上へ回して気絶。 提督へ緊急電を打とうとしていた伊良湖は撃沈。 「通信途絶です。提督が命令をだしてもここへは届きません。間宮！貴女は祖国がサンマのミサイルで全滅しても構わないというのですかッッ！！」 #ドボク鎮守府

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「違うっ、鳳翔さんは間違っている」 「ソユーズ・ソビエト連邦は今尚存在している。オホツークでサンマを一網打尽にしたい！ソ連万才！」 #ドボク鎮守府

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鳳翔はいきなり、羽交い締めにしていた間宮の腕を激流に身を任せ同化するような勢いですり抜けると、前に回り込み割烹着の裾を捲り上げた。 「これが間宮海峡の堰“パンツ”ですか…まさに北の海のような黒！」 #ドボク鎮守府

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不意をくらって仰向けに倒れた給糧艦を床に押さえつけ、その胸を激しくビンタする。 「この海峡の癖に！なんですかこのけしからぬ胸の盛り上がりは！」 PAM！　PAM！ 嫉妬　タンクの容積差からくる女の嫉妬　知っとくべき #ドボク鎮守府

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ぐったりとその豊穣な胸を冬の荒れ狂う海のように震わせて叩いた。気絶した間宮から鍵を奪い取り、奥の非常口案内板から望月を気遣うように優しく助け出して、目が覚めたら、磯風さんより美味しい焼き秋刀魚をアナという穴から味あわせてあげましょうと声を小さく掛けた。 #ドボク鎮守府

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非常ベルがけたたましく鳴り響く廊下を歩き、久々に調理場で何を作ろうか、野菜とか調味料は何が何だかさっぱりだけど、核戦争後のサバイバル食に比較すれば至高のメニューを超えるだろうと謎の自信に口を綻ばせて、調理場の開き戸のステンレス板を突き破った。 #ドボク鎮守府

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そこには停電用蓄電池による換気扇起動ランプは配電盤のキャビネットに点っている。間宮が最後の力を振り絞って緊急用斧で配電線を切断していたにも関わらず。 もう換気扇は起動用の垂れ下がった紐を引けば換気が始まるのだ。 #ドボク鎮守府

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「鳳翔さん…何をしようとしているんだい？」 後ろを振り返ると駆逐艦のヴェールヌイがワナワナと震えながら入口に立っていた。 「あら響さん改メ、偉大なソ連邦の不死鳥の可愛い駆逐艦さん？私を止めに来たのですか？」 #ドボク鎮守府

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鳳翔はツツツと料亭の女将が畳の上を歩くような素振りでヴェールヌイへ接近。腕を掴んで「さぁ、私と一緒に回すんです。この鍵を回せば祖国も資本主義から解放され、浜辺に大量の銀と黒の魚たちが来寇してくるのです。我々は生き残るために秋刀魚を喰らいつくせねばなりません！」 #ドボク鎮守府

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鳳翔は提督へ酒の徳利を勧めるかのような手つきで、間宮から奪い取った鍵を一つ渡した。 「いいですか？鍵穴へ押し込んでくださ…」 「ほ、鳳翔さん。換気扇を動かすんだよね？紐を引くんじゃないのかい？鍵ってなんだい。貴女はなにか勘違い…」 #ドボク鎮守府

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鳳翔は核ミサイル発射シークエンス時の鍵による二人同時起動と換気扇機動を、混乱して取り違えていた。 「…1・2・3…まわせ！」 もう鍵などどうでもよかった。鳳翔は天井の換気扇フードから下がった紐を思いっきり引っ張った。 #ドボク鎮守府

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鈍い衝撃とともに換気扇が天井の壁面から飛び出していく。いや堕ちてゆく。艦娘パワァで取り付け枠から剥がれ堕ちて落下し迫ってくる換気扇の丸い羽が鳳翔とヴェールヌイが気を失う前の最期に見た光景だった。 #ドボク鎮守府

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顔を突き破り体を突き抜ける換気扇のフード。故障を示す配電盤のレッドランプを見ながら鳳翔は叫んだ。 「ゴルバチョフ書記長万才！総統！私は調理場に立てます！」 #ドボク鎮守府

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呉の対岸の江田島のサルベージ基地、海に近い山の中のトンネル型執務室の提督ベッド。 枕元の電話器のベルがけたたましく鳴り響く。連日の御蔵掘りで疲労から泥のように眠り込んでいた提督も目を覚まし、ベッドに起き上がる。 #ドボク鎮守府

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受話器を取る。海軍設営隊司令部の大淀の声である。 「NCEUH（Navy Civil Engineering Unit Headquarters) の旗艦大淀です。基地の調理場にて重大災害発生。観測機及び司令部妖精の解析の結果、軽空母鳳翔が暴走し、食堂及び調理場、給養艦、その他艦娘数名が大破の可能性… #ドボク鎮守府

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更に被害拡大の可能性の公算大。換気扇が落下し、舞い上がった塵埃が調理場ならず食料品庫を汚染。この地区にも鳳翔が焦げさん魔を持参し来襲が予想されるために核攻撃避難命令に準じる警報を発令しました！」 #ドボク鎮守府

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提督は悪夢を見ているような気がした。 「おお何てことだ。止めろ！何をぼやぼやしているんだ。早くSRG（艦娘暴走対処班）で鳳翔をとめろ！」 #ドボク鎮守府