【募集中!】『Twitter小説大賞』応募作を公開しませんか!

誰もが「選考には落ちたけど自信あるんです!」という作品があるのではないでしょうか。 落ちたものはしょうがない。 でも、ツイッターの面白いところは、「それでも発表の場はある」ことではないでしょうか。 あなたの応募作も、ぜひ読ませてください♪ 続きを読む
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@netabareOK

「『Twitter小説大賞』一次選考通過作品まとめ」をトゥギャりました。 http://togetter.com/li/14132

2010-04-13 21:03:26
@netabareOK

さて,こうしてツイッター小説大賞の一次選考が発表されたわけですが,思わずにはいられないのは「なぜ私/僕/俺/わし/あたし/ミー/俺様/おいら/etc...の作品がないんだ!」ではないでしょうか.もとより,選考にはあぶれたけれど素敵な作品はたくさんあるはずです.

2010-04-13 21:10:37
@netabareOK

そこで,あなたの応募した作品をここに,大いに白日の下さらしませんか? 多くの人の目に映ることで,誰かがあなたの作品をふぁぼることもあるかもしれません.何も無くても,多くの人に読まれるだけで,それは掛け替えの無い喜びではないでしょうか.

2010-04-13 21:13:46
@netabareOK

というわけで,以下ご自由に作品を追加してください.デコレーションも自由にどうぞ.作品への愛があれば,他者の作品もデコレーションして構わないと思います.

2010-04-13 21:37:12
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 鹿から鹿をつくる奈良の鹿職人。一頭の鹿から二頭の鹿を作れるようになると一人前だが、修行はきびしい。三頭の鹿で一頭をつくるところからはじまり、数年で二頭から一頭を作れるようになる。もちろん彼らは奈良公園の鹿の数を増減させないよう細心の注意を払っている。

2009-08-28 23:46:53
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 黒猫をなでながらその骨格を組み立てなおし五重塔をつくったら夕立がきた。そこで今度は傘のかたちにして右の後足を握った。雨がやみ、ずぶぬれの黒猫をしぼったら三毛猫になった。しかたないので硯の海を泳がせたらもとの黒猫に戻ったが、体長は約3センチになっていた。

2009-08-29 07:58:38
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 滝の中ほどにある無人駅。屋根はなく、真上から激しい水流が間断なく落ちてくるので、列車から出るとずぶ濡れになってしまう。駅から外へゆく通路はなく滝壺を泳ぐしかない。ここで降りるのは修験者のみである。彼らはひととき瀧にうたれ、次の列車に乗って帰ってゆく。

2009-08-31 22:11:59
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 姉が鏡に捺した人差し指の指紋が砂漠となり、その中ほどを駱駝に乗った隊商が進んでゆく。この家のどの部屋からもアメリカは見えないが、この鏡にはいつもアメリカが映っている。隊商はアメリカの破片を拾って運んでゆく。姉の涙が落ちてオアシスになりそこで隊商は休息する。

2009-09-09 20:28:47
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 桜の樹が螺旋状に伸びて途中に雲がからまっている。季節が来ると下から順に花をつけ、頂の花が散るのは六月末である。人々は見頃の高さまで登って花見を楽しむが、頂までゆくには一泊しなくてはならない。五月の連休に満開となるあたりまではエレベーターで行くことができる。

2009-09-14 06:33:36
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 白装束の兄上の割かれた腹より、芸者や幇間や猿廻が這ひ出てくる様子が面白く、介錯をしばし忘れてをりました。七日七晩かけて研ぎあげた太刀は透き通るほど薄く、振り下ろすと兄上の首を通り抜けます。最後に出て来た乞食が後ろ手に腹の傷口を閉めて、形ばかりの切腹が済みます。

2009-10-07 21:02:00
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel なにごとの不思議もなく妹の木に十人ほどの妹が実つたので、天秤棒を担いで売りにゆきます。高値がついた三人は花魁になり、すこし安値の四人はメイドになります。袋をかける前に悪い虫がついてしまった残りの三人には値がつかず、緑色に塗られて観葉植物の代はりになります。

2009-10-08 16:07:40
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 大きな蛍のやうに青白い光が、川の流れに逆らい上流へと動く。よく見るとそれは光る酒壜で、引いてきた水尾の綾目を照らしつつ、スピードに緩急をつけ、方向転換などしながら進んで行く。壜には月光と鬼の片目が詰められてあり、ただの好奇心から一尾の鮎を追ひつめてゐるのだった。

2009-10-10 00:26:56
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 雲の塊を捏ねて阿弥陀如来の像を拵へ、金箔を貼りつけて仕上げた。秋晴れのひと日、この軽い仏像を薄の穂に載せたまま、二人で花を摘んだり、歌をうたつたり、双六をしたり、さては遊びに飽きて日の暮れるまで抱擁したりしてすごした。月の出に野分が吹いて仏像は西方へ飛び去つた。

2009-10-10 14:50:20
中村 安伸 @yasnakam

#twnovel 幽霊船が進む、夜は炎の塊となり、昼は無数の海鳥を纏ひ。乗組員らは夜は焼かれて灰となり、昼は鳥に啄ばまれて骨となる。朝焼けと夕焼けが空と海を燃やし尽くす僅かな間、美しい肉体を取り戻した乗組員らは甲板に出る。そして優雅にして幽玄なる遊戯を楽しみ、変はらぬ友情を謳ふ。

2009-10-13 18:58:41
相応恣意 @aioushii

「じゃあ先輩は、恋しないんですか?」「え、私?するわけないじゃん」あっけらかんと言い放つ。意外だった。きっと、得意科目の一つだろうと思ったのに。「だってさ、恋はするものじゃなくて、落ちるものでしょ?」夕陽で朱に染まる先輩の顔を見ながら、僕は恋に落ちる音を聞いた。 #twnovel

2009-11-26 02:02:38
相応恣意 @aioushii

「顔はいいけど、如月先輩はねーよ、椎名もそう思うだろ?」先輩のことを分かってもらえない寂寥感と、先輩のことを自分だけが知っている優越感。切なさと心地良さの狭間で僕は答える。「確かにな」だってこの気持ちはもう少し忍んでいたい。せめて先輩の前で形にするその日まで。 #twnovel

2009-11-28 22:48:33
とおる6th @windcreator

手紙を書きました。あなたに手紙を書くのは、随分と久しぶりのことです。あの頃は毎日のように書いても書き足りなかったのに、今では書き出しにすら迷ってしまいます。今更、時節の挨拶でもないでしょう? とはいえ、愛の告白も書けません。それらはもうあの頃に書き尽くしました。 #twnovel

2009-12-06 07:09:48
相応恣意 @aioushii

「美味いな」父がポツリ呟く。「母さんの味だ」それは母が死んでから二年間、ずっと求めていた言葉だった。どんなに忙しい朝でも、欠かさず朝食を作ってくれた母。その境地に私も至れたのだろうか?知らず流れる涙を拭い、母の味の秘密を確信する。そう、それは永谷○のあs(ry #twnovel

2009-12-07 17:35:55
とおる6th @windcreator

涙が止まらない。悲しくなんかない、寂しくなんかない。涙なんて、この程度のことで流してたまるか。そう強く思っても、ツンとしたものが込み上げてくる。もう、これで、終わり。しばらく、天井を見上げて強く目をつぶる。すると、愛する夫が帰って来た。「どうしたの?」「玉葱」 #twnovel

2009-12-08 00:12:59
相応恣意 @aioushii

次のニュースです。エコ対策の一環として、今年のクリスマスは中止となることが決定しました。この思い切った政策に対し、経済界を中心に関係各所からは批判の声が上がっていますが、世論の一部では熱烈な賞賛の声も上がっており、今後の首相の対応が注目されます。 #twnovel

2009-12-11 23:43:55
とおる6th @windcreator

彼はしきりに時計を気にしていた。4時が近い。彼が予約した流れ星が、私達が見上げる空に輝く時間だ。相変わらず準備不足なのは私が補える。残り30秒を切っても、彼は何も言い出さなかったので、代わりに言ってやった。「今から30秒数える間に流れ星を二人で観れたら結婚しよ」 #twnovel

2009-12-13 00:37:50
相応恣意 @aioushii

「あなたがいけないのよ、お花を買ってくれないから」俺が黙り込んだ途端にこれだ。盗人猛々しい。「ほんの一言か二言お話できればそれで良かったのに。でも今では、あなたのハートは私のもの」言って、心底嬉しそうに優しく赤黒い塊を――かつての俺のピンクの太陽を抱きしめる。 #twnovel

2009-12-17 15:56:59
相応恣意 @aioushii

俺はお前が恨めしい。振られても、今までと変わらず接してもらえるのだから。俺は今では、まともに言葉を交わしてももらえないというのに。こんな様では、もう一度告白なんて夢のまた夢。後悔はない。けれど、あの日をなかったことにできないかと考えてしまう。俺はお前が恨めしい。 #twnovel

2009-12-18 23:06:03
相応恣意 @aioushii

僕は君が羨ましい。彼女の態度で振られたことが痛感できるのだから。確かに今まで通り接してもらえるのは幸せなことかもしれない。でもだからこそ、あの日のことは彼女の心に響いてないのでは?そう思えて仕方ないんだ。いっそもう一度振られれば楽なのだろうか。僕は君が羨ましい。 #twnovel

2009-12-18 23:07:55