少前ログまとめ 2019年9月-12月投稿分

orphe @orphechin

昔々あるところにCZ75とウェルロッドがおりました。ウェルロッドは川へGK社に歯向かう者を沈めに、CZ75は山へバーベキュー用の木材を狩りに行きました。CZ75が中世ゲルマン人式乱伐をしていると、一本の木が斧をブチ込む度に悲鳴を上げました。CZ75は面白がって何度も刻むと中からサトハチが #少前ログ

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「というのがこいつを拾った経緯だ、指揮官」 木を竈の中に入れながらサトハチを指差すCZ75。全身包帯でグルグル巻きの上、過剰な量の金髪を隙間から見せるサトハチはちょっとしたホラーだ。 「なんで木の中に戦術人形が」 「アルバイト中だったんです....銀杏の木が足りないってことで」 #少前ログ

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聞けばこのサトハチという人形、人生社会科見学主義を掲げておりほうぼうでアルバイトをしながら渡世の仁義を切っていたという。 「ショッピングモールでザリガニの飼育とかしたこともあるんですよー」 以前ぼくたちが巻き込まれた末法の事件を思いだすが、きっと気のせいだろう。 #少前ログ

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職歴とそこでの仕事ぶりを聞き出した後、「武器を扱う仕事に興味あるかい」ぼくは切り出した。コミュニケーション能力、身体能力、習熟度の速さ、いずれも及第点を大きく越えている。木のアルバイトを選ぶ異端の精神性にさえ目を瞑れば大いに戦術人形として役立ってくれるはずだ。 #少前ログ

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「お給料次第でしょうか~荒事も嫌いではありませんけど、やっぱりリスクが」 ぼくはカバンから"実弾"を取り出し彼女の前に積む。「手付金100万。給料は月50は保証する」 瞬間、金髪が爆発しキッチンを覆う。 「うわああ火が!!!!!」CZ75がバ○ワイザーの缶を開け竈の消火を急ぐ。 #少前ログ

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そして金髪の雨が止むと、そこには散弾銃を持ちウーファーを背負った陽気な美人が立っていた。 「商談は成立です!今すぐ人殺しの手続きに入りましょう!」話が早くて倫理観が薄いのは助かる。 「じゃ、早速テストと行こうか。CZ75ー、悪いけどここ掃除しといて」 「あいあい、畜生が」 #少前ログ

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ぼくとサトハチは訓練所にやってきた。当の本人はひどくリラックスした様子で、にへらーっと八重歯を見せながら辺りを見渡している。 「取り敢えずは根性試しかな。これからうちのベテランが君を倒しに来る。そこで音を上げなきゃ晴れて僕たちの仲間入りさ」 「はいー。お手柔らかに」 #少前ログ

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「ま、君の同郷だからね。きっと紳士的には接してくれるさ」お手柔らかに、といくかどうかは知らないが。 ビー、という音と共に僕たちとは反対側の扉が開く。お出迎えだ。 「じゃあぼくはこの辺で」ポケットから耳栓を取り出し周到に塞ぐ。 「?なぜ耳栓?」 死にたくないから。 #少前ログ

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「こ！！！！！！！に！！！！！わ！！！」 地を響かせる大音声、伝説の巨神の力めいた壮烈な挨拶が訓練所を震わせる。耳栓により即死は免れたが衝撃破が僕を襲い、壁に叩きつけられた。 「カルカノライフルです！！！！！」そう、すでに戦闘は開始されている。本人は全くそう思ってないが! #少前ログ

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「戦いの前に握手を！！！！！しましょう！！！！」戦闘前からマンティコアさえバラバラに吹っ飛ばす脅威の挨拶絨毯爆撃、これが世に名高きカルカノ姉妹の姉である。 ぼくは少しでも爆撃から逃れようと地べたに這いつくばりながら、サトハチを見やる。こりゃ闘う前からサトハチは気絶かな... #少前ログ

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...しかしサトハチは全く動じず!ウインクをして丁寧なお辞儀を返す。この大声の暴力にあってなんたる泰然自若の姿勢か。 「素敵なお姉さんですね!そしてとってもお洒落!」 「ありがとうございます！！！！！」 エネルギー換算ではジュピター砲に匹敵する感謝の言葉がサトハチを襲う! #少前ログ

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その時僕は聞いた。 サトハチのウーファーがカルカノ極限音声に対抗し重低音を鳴り響かせたのを。音と音が衝突発散され、以てサトハチは無傷。恐るべき防御能力だ。 「こんなテクノロジーを持ちながらなんで木のアルバイトなんかしてたんだ」 「趣味です~」 趣味じゃしょうがないな。 #少前ログ

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「それにしても素敵なお洋服ですねー。自作ですか?私にもよろしければ一着、作っていただければ」 「素敵だなんてそんな!」カルカノが照れる。 それは即ち破滅を意味する。 「照れるじゃないですか！！！！」顔を赤らめながら、カルカノが陽度10000%の笑顔を返す。 #少前ログ

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IOPの取扱説明書によれば、カルカノ姉の最大スマイルが保有する太陽光エネルギーは実に実物の太陽の表面爆発にも匹敵し約束された勝利の剣とも対等以上に渡り合えるほどの対界兵器だという。こんなものを普通に販売してて国際条約に違反しそうだが今日もあの会社の株価は上がり続けている。#少前ログ

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万物焼却の集束スマイルビームがサトハチを襲う。ぼくは慌てて彼女の後ろに回り込む、こればかりはいくらなんでも耳栓では防ぎきれない、というか溶けて死ぬ! しかしこの1万度の死を前にしてもサトハチはあくまでマイペース、ウーファーを軽く響かせるとフィールドを展開。 #少前ログ

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「お日様の中に飛び込んだみたいですね、ポカポカしませんか?」とサトハチ。 ポカポカどころか全身の血がグツグツ煮えたぎって死んでもおかしくないんだが。しかしフィールドはカルカノスマイルさえも鮮やかに受け流し、その内部を快適に保っている。 「これが私の力、鉄壁理論ですー」 #少前ログ

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「私の力、お認めになりますか?」 「前金もう100万追加。試して悪かったよ...」 カルカノの光が止み、同時にフィールドも消えた。後にはサトハチの天真爛漫の笑顔だけが残っている。 「光栄です」 カルカノの大声が響く。「では挨拶も終わりましたし、試験スタートです!行きますよ!」 #少前ログ

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カルカノが銃口をサトハチに向ける。 先程の猛攻(本人は全くの無自覚)に比べれば、ライフル弾は随分可愛く見える。あのフィールド相手には豆鉄砲といったところだろう。 が。 銃声と共に普通にサトハチの腹に穴が開いた。 「あちゃー」内部の機械を露出させながら金髪の人形が舌を出す。 #少前ログ

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「え、なんで」 「電池切れですねー。しばらくフィールドをお休みしないと」 「どんどん行きますよ!!!!」 カルカノがテンポよく発砲していく度にサトハチの全身が要モザイク処理になっていく。 「せめて避けないと!」 「いやあ思うように身体が動かなくてですね。何せ戦闘経験ないもので」 #少前ログ

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たははー、とサトハチが笑った瞬間、カルカノの銃弾が彼女の頭を吹き飛ばした。 ..... ....... ......... 「経験は未熟、ですが戦いの中でも笑顔を忘れないその姿勢、とってもタフで素敵です!これからもどうぞよろしく!」 湯船に沈んだサトハチの残骸に、カルカノ姉は熱く語りかける。#少前ログ

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顔面の原形を未だ留めない状況ながら、サトハチは湯船から腕を出し、親指を立てる。 それに応じてカルカノも親指を立て返す。 イタリアの娘は死の鍔際にあっても陽気である。例え世界が終わろうと、彼女たちから愛と笑顔を奪うことは出来ないであろう。 おわり #少前ログ

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春田「戦術人形知能検査~セックスを別の言葉で言い換えましょう!」 指揮官「知性と品性を疑う」 カルカノ姉「デュエル」 指「清潔感」 M4「な、なかよし」 指「かわいいに見せかけておっさん風味」 M16「特攻(ブッコミ)」 指「"!?"」 カルカノ妹「肉交」 指「言葉の粘度」 #少前ログ

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FNC「トリックオアトリート、お菓子をくれなきゃ私が昔実の親にされたようなイタズラするよ」 指揮官「お菓子よりカウンセリングが必要では?あと親だれだよちょっと焼いてくるよ」 #少前ログ

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「スゥー、ハァー...よし!!畜生!誰がボスか思い知らせてやる!!!!」 「ぱぱー、やめてよー、ぱぱー、演じてて昔のこと思い出しちゃうからやめてーぱぱー、ちゃっくおろさないでー」 今日はハロウィンなのでAA12とFNCが平均的なアメリカの父子家庭の仮装をしている。地獄では? #少前ログ

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ハロウィンで唐突に重すぎる過去が明らかになったFNCのため、急遽当社では彼女へのインタビューを行うことにした。 「民間人形だった時の記録？うん、まあアカシックレコードに残ってるから取り出せるよ」 アカシック・レコードとは。 「チョコという鍵で開ける宇宙史の図書館」 とは。 #少前ログ