台湾語から邦訳された推理短編、陳明仁「番婆殺人事件」(酒井亨監訳『台湾語で歌え日本の歌』国書刊行会、2019年9月刊 所収)

まとめました。
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国書刊行会 @KokushoKankokai
【新刊】『台湾語で歌え日本の歌』(陳明仁 著/酒井亨 監訳) kokusho.co.jp/np/isbn/978433… 北京語に依らない、国民党政権下で抑圧の対象にあった“台湾語”文学の本邦初紹介。少年時代の幸福な記憶、都会の外省人との軋轢、またときに228事件など政治的モチーフが絡みあう、台湾語文学の旗手による傑作群。 pic.twitter.com/fHaGA8m2rJ
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Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
「〜〜殺人事件」というタイトルの短編が収録されていると知って、もともとあった興味がさらに増した。 中国語≒北京語≒台湾華語ではなく、台湾語(台湾ホーロー語、台湾の閩南語)で執筆された台湾語文学の初の邦訳紹介、陳明仁『台湾語で歌え日本の歌』(国書刊行会)。 kokusho.co.jp/sp/isbn/978433…
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陳明仁(ちん めいじん、タン・ビンジン)の小説集『台湾語で歌え日本の歌』(国書刊行会、2019年9月)に収録の「番婆殺人事件」が推理小説の範疇に入る作品だとしたら、台湾語(台湾ホーロー語、台湾の閩南語)から日本語に訳された初の推理小説ということになるのでは。 kokusho.co.jp/sp/isbn/978433…
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(今まで、台湾の閩南語を何のためらいもなく「台湾語」と呼んできたけど、最近台湾客家の方とつながりができて、それ以来、台湾の閩南語を気軽に台湾語と呼べなくなってしまった。)
リンク 国書刊行会 207 台湾語で歌え日本の歌|国書刊行会 台湾語で歌え日本の歌 北京語に依らない“台湾語”文学の本邦初紹介! 古くからの習俗が残る田園に、因習にしばられながらも 永々たる時の流れに生きる明朗なる人々。 歌え、彼らの口唇には歌を! 少年時代の幸福な記憶と都会の外省人との軋轢、 ときに
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というわけで、台湾語文学の初の邦訳書であり、「〜〜殺人事件」というタイトルの短編が収録されている陳明仁(ちん めいじん、タン・ビンジン)『台湾語で歌え日本の歌』を買ってきました。読みかけの本があるので、読むのはまだ先になりますが。 pic.twitter.com/JULA2gdL6y
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『台湾語で歌え日本の歌』という日本におけるタイトルは、監訳者の酒井亨氏が丸谷才一『裏声で歌へ君が代』へのオマージュでつけたタイトルとのこと。やっぱりそうだよなあ。 台湾語原題は『陳明仁台語文學選(Tân Bêng-jîn Tâi-gí Bûn-ha̍k-sóan)』。
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作者の陳明仁(1954年生まれ)の名は、明仁皇太子(当時)にあやかって祖父が名付けたものとのことで……。この辺りで、日本と台湾の複雑な関係を思い出させられますね。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
陳明仁の小説集『台湾語で歌え日本の歌』の台湾語原典『陳明仁台語文學選(Tân Bêng-jîn Tâi-gí Bûn-ha̍k-sóan)』は漢字ローマ字混じり文で書かれているとのこと。つまり、漢字で表記できない部分、漢語由来ではなさそうな語彙をローマ字で表記しているんですね。それだけで興奮してくる言語マニア。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
私が最初に台湾語に触れたのは台湾のバンド、五月天(のちにメイデイとして日本でも知られるようになる)の歌ですが、彼らの台湾語曲では「眼淚(yǎn lèi)」と書いて「バクサイ(ba̍k-sái)」と読ませるなど、表記と発音の関係を見ているだけでも本当に面白い。バクサイの本来の漢字表記は「目屎」。
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台湾語作家、陳明仁(ちん めいじん、タン・ビンジン)の短編「番婆(ホアンポー)殺人事件」(原題記載なし、執筆・発表年記載なし)を読みました。国書刊行会から9月に刊行された陳明仁の小説・詩・戯曲集『台湾語で歌え日本の歌』に収録。 twitter.com/Colorless_Idea…
  • 正しいタイトルは『台湾語で歌え日本の歌』です。誤入力、失礼いたしました。
陳明仁「番婆(ホアンポー)殺人事件」(酒井亨訳)

小説家の「私」はある日、元警官だという老人と出会う。その老人は私に、新人警官だったころに担当した事件のことを語り始める。それは番婆という名前の老婆が変死した事件の顚末であった。

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
推理小説として見た場合の出来はさておき、この短編「番婆殺人事件」が推理小説として(少なくとも、推理小説というものを強く意識して)書かれたものだというのは間違いないです。この(元)警官は、殺人事件を10パターンに分類し、その際にクリスティーの『ABC殺人事件』に言及したりもする。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
そして元警官は話の顚末を「私」(小説家)に途中まで語ったあと、何か分かったかと問いかける。その際の会話がざっと簡略化して紹介すると、「小説を書いてるんだろ? 探偵小説は読まないのか?」「探偵小説は古い言い方で、今は推理小説っていうんですよ」のような感じ。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
警官は、被害者の家で発見されたある不自然な点を起点に捜査をし、真相に至る。読者が真相を当てられるタイプの小説ではないですが、これは間違いなく推理小説。というわけで、台湾語(中国語ではなく)から日本語に訳された最初の推理小説ということになるかと思います。 twitter.com/Colorless_Idea…
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台湾語から日本語に翻訳された初の推理小説、陳明仁「番婆殺人事件」ですが、ネットで調べてみると初出は1997年「番婆命案」の題で『台文BONG報』(1996年10月創刊)の11号・12号(1997年)に前後編で掲載。その後、個人作品集に収録する際に「番婆命案――漁村警察ê經驗」に改題……のようです。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
「漁村警察ê經驗」の「ê」は文字化けではなく、中国語でいう「的」、日本語でいう助詞の「の」にあたる台湾語の単語です。「番婆命案」を含む陳明仁の台湾語小説は、(実際に見たわけではないですが)漢字ローマ字混じり文で書かれています。
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
(仮に原題が「~~殺人事件」であればしょうがないなと思っていたのですが、台湾語原題は「番婆命案」のようなので、邦題が「番婆殺人事件」なのはちょっと気になりますね。番婆(ホアンポー)は変死体で発見される人の名前なので、「~~殺害事件」のほうがよかったのでは……?)
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas
スレッドの一番最初のツイートで書籍タイトルを誤入力してしまった……。『台湾語で歌え日本語の歌』ではなく、『台湾語で歌え日本の歌』です。申し訳ないです。

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