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『久永』 「ひさながです」 「ほう、漢字ではどう書くんです?」 「永久追放の”久”に、永久追放の”永”です」 「追放いらんやろ」 #四文転結の乱一回戦
2019-10-12 09:13:3675 fav
「碧眼の馬」 海鳴りが聴こえる耳殻の果てに 錆びた鐘楼が沈んでいる。 肉芽の目覚めとともにやってくる朝の 充血の瞼は希臘の石柱を揺らすだろう。 (以下は画像で!) #四文転結の乱一回戦 pic.twitter.com/J5D3HU8uR7
2019-10-14 22:44:5547 fav
#四文転結の乱一回戦 「ほくろ」 国語学者も歳を取り、最近めっきり黒子の数が増えた。 皮膚は弛み経絡に沿うようにして点々と黒子が連なっている。 ある日、国語学者が首を締められ死体となって発見された。 彼が「黒子」を「黒衣」と書き間違え、自身の背中に棲息する黒衣に後ろから襲われたのだ。
2019-10-14 21:37:3539 fav
#四文転結の乱一回戦 「黴キラー」 黴を攻撃して部屋や風呂場を綺麗にするスプレーが開発された。 成分は特殊な方法で開発された菌の一種というから、鮎の友釣りみたいなものだ。 金儲けを企む盗人がスプレーを盗み自宅の風呂場で噴霧した。 すると盗人の脳味噌が攻撃され一瞬のうちに絶命した。
2019-10-14 18:18:2833 fav
『人類絶滅の日』 最後に腕を抱えて逃げていたから、あなたは私の腕を大事に思っていたのでしょうね。 あなたは見知らぬ土地に住み、見知らぬ人に目立たぬ挨拶をし、見知らぬ土地の片隅に私の腕を植えました。 #四文転結の乱一回戦
2019-10-13 15:03:59人類絶滅の日、私の腕たちは一斉に声を上げ、青白い汗を滴らせ次の世界のための種を落としました。 その美しい姿を見るものはなく、腕たちは腕に腕を巻き付け、祈るようにあなたの名をいつまでも呼んでいました。 #四文転結の乱一回戦
2019-10-13 15:05:1928 fav
#四文転結の乱一回戦 「手術」 いよいよ手術が始まる。 しかし、おれの手術をする先生は名医だと評判だから、なんの心配もないだろう。 麻酔で意識の薄れる中、その先生がおれの耳元に顔を近づけて来た。 「あんたの浮気相手の旦那が、私なんだ」
2019-10-13 11:25:5727 fav
「ロボット」 「畑仕事なんて、ロボットにやらせればいいんだよ」と俺はボヤいた。 仕事が終わり休んでいると、畑の向こうから俺そっくりの男がやってきた。 「あ、あんた、何者なんだ!?」 男は俺の首元に手を回すと「身代わりご苦労さま」と言って、俺の電源を停止した。 #四文転結の乱一回戦 pic.twitter.com/oFIM8fA2Jm
2019-10-14 16:56:14