ストレイトロード:ルート140(44周目)

オリジナル短編「ストレイトロード」のコンビが毎日お届けしている、掌編という名の習作。今回は2151~2200+イベントレポートなど。 終盤のリクエスト回を除き、タイトルが「しりとり」になっています。各話のつながりはありません。 今後も引き続き1日1組つぶやいていきます。 続きを読む
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↑既刊です。BOOTHにて取り扱っております。よろしくお願いします。

今回の本編

Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
「見たことあると思ったら」展望台の跡地に立った藍が急に表情を曇らせた。「パパがママを連れて来た場所だった」広場の形と遠景の山を写真で見たという。娘を預け二人きりで楽しんだ旅と聞き、楽しそうに話す母親の笑顔が目に浮かんだ。風が冷たい。夫が愛妻だけに見せた夕景の再現は叶いそうにない。
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140文字で描く練習、2151。愛妻。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
山頂に巣を構えた怪物が次に探すなら餌場だろう。藍は集落の人々に救援要請を促したが、誰も良い顔をしなかった。「お上はだめだ。我らの土地を取り上げる策しか考えておらん」どんなに危険を説こうと実例を示そうと、最終的には住民の意向が優先される。特に守るものが多い程、人は頑なになりやすい。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
140文字で描く練習、2152。意向。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
晴天は猛暑を連れてきた。私達は屋内に移り、苗木の植え替えを手伝った。「確かに言われた通りになったがなあ」農園の主は未だ天候の急激な変化を信じられていない。「他には何が必要なの?」新しい鉢に収まった苗木の高さは藍の背丈と変わらないが、天候が安定すれば作業場の屋根より高く育つという。
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140文字で描く練習、2153。植え替え。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
謎の力を得た子供の一人と出会ってからしばらくして、藍の実家に手紙が届いた。「文通ですか」「端末持ってないんだって」封筒を開けた藍に背を向けて数分。便箋を差し出された。「大人としてどう思う?」並ぶ字をざっと見た印象に違わず、世間の噂への厭悪を煮詰めた内容だった。私には慰めきれない。
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140文字で描く練習、2154。厭悪。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
「お前は学校に行ける、なのにチャンスを捨てるなんて」「そう、もっと必要な人が勉強すべきよ。わたしの代わりに行く?」藍の気楽な誘いが工場の少年達を怒らせた。実情を知らない人々は彼女が自由を謳歌していると見るだろう。本人は気に入らない制約を背負っているつもりだから、話は噛み合わない。
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140文字で描く練習、2155。謳歌。
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長雨から解放された町が久々の朝市に沸いた。足音と絶え間ない呼び込みを窓越しに聞くだけで活気を感じる。「雨でも市場は開くそうですが」「売れる物が少ないんだって」悪天候の原因が床に伏している。藍が雨の加減を誤ったのは不可抗力でもあったが、子供達の顔まで曇らせたのが無理を重ねた理由か。
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140文字で描く練習、2156。活気。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
店主が藍に渡した皿の陰にメモが隠れていた。「本人の前でこの話は出すな」善人の見本のように振る舞う深紅の女には禁句があるという。内容を一読した藍は首を傾げた。「もし言ったら」「生きて帰れると思うな」店主は藍をきつく睨んだ。「あと儂の頭をじろじろ見るな」平たい頭を気にしているらしい。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
140文字で描く練習、2157。禁句。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
大波も高所の侵略者も嫌だ。そんな人々を引き寄せる集落は意外な場所にあった。「変な形の屋根」藍には珍しく興味より嫌悪が勝った感想だった。やがて着いた草分けとされる一軒で、予想外の一言が待っていた。「静かに暮らしたかったのに」処分場に家を建てる物好きが他にいるとは誰も思わないだろう。
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140文字で描く練習、2158。草分け。 分野の開拓者を指すこともあるが、元は村などを開いた最初の居住者を言うらしい。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
避難所になっている施設の片隅に即席の柔道場が作られた。居合わせた指導者の元に人々が集まったのは無力さへの恐れと無関係ではないだろう。「わたしも習おうかな」稽古を見学していた藍が言う。弟子入り自体は歓迎されそうだが、私達はここに長居できない。覚えた技の練習相手も私の仕事になるのか。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
140文字で描く練習、2159。稽古。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
暗号を解く最後の鍵が見つからない。「道を見失ったら基本に戻るべし」藍はゲームブックの一文を唱え、会場の地図を広げた。各々が指示通り歩いた道をペンでなぞると、藍が引いた青と私が書いた赤が一ヶ所だけ交差した。「ここ見て」「特に目立つ物はなかったかと」「地図を見て!ヒント書いてある!」
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
140文字で描く練習、2160。交差。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
地図に従って着いた場所に肝心の家がない。何とか探し出した玄関は錯視を巧みに使って隠されていた。「山を下りたくないからってここまでする?」藍は役場の人々に泣きつかれた場面を思い出したのだろう。施錠も見かけだけ、中へ入れば歪んだ通路が下り坂になっている。ふと振り返ると扉が消えていた。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
140文字で描く練習、2161。錯視。
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya
ホテルの裏手は東洋式を取り入れた庭園だった。想像だけで造ったのか違和感も多々あったが、藍は見慣れた実家の庭と全く違う趣が面白いのだろう。周囲を見回しながら歩き、小さな池と橋を見つけて走り出し、通路を外れた。そして白州を横切る足音の響きに驚いて立ち止まった。「いいこと思いついた!」
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