金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas さんのMMT批判に対して再反論する

ご指名でしたので論駁させていただきました。 参考程度にどうぞ。
4
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

どストレートなMMT批判の筋立てが組めましたわ。MMTの理論的拠り所って ①信用貨幣論に基づく信用創造の理解 ②ラーナー流の財政機能論に基づく財政の理解 ③表券主義に基づく現金通貨の理解 の3つに依拠してるわけなので1つ崩せれば十分なんですけど、3つ全部崩せますね。まあ後で話します。

2019-10-16 14:49:25
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

①信用創造の話。MMTは貨幣発行に関して信用創造のアナロジーを用いている。 しかし、信用創造の理解が誤っている。準備預金率の逆数が信用創造の上限であって信用創造に上限がないという説に誤りがある。

2019-10-16 18:21:58
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

そもそも、信用創造とは「銀行にハイパワードマネーが流入したとき、銀行は組織全体として預金をどれだけ創造できるか」という議論である。 現金の漏出がなければ預金準備率の逆数まで信用は拡大する(上限あり)。しかし実際には借り手が一部は現金として引き出す以上、信用創造は上限にすら達しない。

2019-10-16 18:26:59
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

②財政の理解について。 MMTは財政赤字が民間部門の貯蓄によってファイナンスされるわけではないと考えているが、大嘘。 「誰かの負債は誰かの貯蓄」(三面等価のISバランス)に従うと 民間貯蓄+財政赤字=経常収支 となる。

2019-10-16 18:30:04
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

ここで、国債の発行通貨如何に拘らず、財政赤字>民間貯蓄ならば海外からの資金流入が不可避である。要するに海外投資家が国債を買うというわけである。日本の場合は財政赤字<民間貯蓄なので問題ないが、財政赤字>民間貯蓄となったのがアルゼンチンである。

2019-10-16 18:32:52
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

投資家はアルゼンチンペソではなくドル建てでアルゼンチン国債を買う。というのは、ペソ安になることが分かっているからである(事実MMTは国債発行によって通貨安になることは認めている)。したがって、自国通貨建て国債が返済不可能となることはないという前提が崩れる。

2019-10-16 18:35:59
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

また、財政赤字を制約するのはインフレ率でありインフレが進行したら財政赤字を拡大すればよいという理論も疑問が残る。 第一に、インフレになったときに増税を速やかに行えるわけではないし、第二にインフレ率のコントロールが困難なことは歴史およびモデルが明らかにするところである。

2019-10-16 18:38:44
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

③表券主義の理解について。 MMTは、貨幣は納税手段となることによってその価値が担保されると主張する。しかしこれはそもそも表券主義とどう関係があるのか全く不明。 また、納税手段として使えたとしても政府に対する信用がなければ額面価値で通貨が流通するわけではないのは太政官札の例で明らか。

2019-10-16 18:42:30
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

以上がMMTの理論それ自体としての問題点ですね。当然、そのような理論にすらなっていない理論(笑)に基づいて財政出動しちゃえ!なんていうのは持っての他と言わざるをえません。

2019-10-16 18:44:52
金麦 Crusade of Liberty @KNMG_Libertas

さすがにこれ、日本で最もMMTを理解しているであろう望月さんでも全部に対して再反論するのは厳しいんじゃないかな。

2019-10-16 18:47:25
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ご指名のようですのでご対応いたします。 多忙の中、合間を縫っての対応ですので、シンプルなものにとどめさせていただきます。何卒ご容赦ください。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:33:06
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

まずこの部分、まず「準備預金率の逆数が信用創造の上限であって信用創造に上限がないという説」が『MMTの主張』だという理解が、そもそも金麦さんの誤解なのではないでしょうか。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:33:20
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

現実の信用貨幣は、銀行の負債として発行される。 そこでは当然、借り手(非金融部門)の信用や、銀行の自己資本および流動性調達能力などが制約。 MMTが批判しているのは、準備預金が又貸しされるとか、法定準備率が信用創造の制約になるといった虚偽に対してです。 参考: econ101.jp/%E3%83%93%E3%8…

2019-10-19 18:33:44
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

繰り返しになりますが、「預金準備率の逆数まで信用は拡大する」というのは誤解です。 詳しくは econ101.jp/%E3%83%93%E3%8… を参照下さい。 端的に言うと、中央銀行は準備預金の量ではなく価格(金利)を誘導しているので、量的な需要の増減にはBM量が受動的に増減される。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:34:40
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

既に論じたように、実際の信用創造で制約になるのは、借り手側の信用力や、銀行の自己資本などであって、準備預金や法定準備制度そのものは融資を制約するものにはなっていません。 教科書的な又貸し型信用創造モデルは、現実の金融とは似ても似つかないものなのです。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:35:59
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

次にこれについて。 まず、現実の「順序」として、民間貯蓄を”借り入れ”て政府支出が行われているのではなく、政府支出によって通貨が創造されることによって、初めて民間による貯蓄が可能になるというのは厳然たる事実。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:36:12
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

その上で、極めて当然のことですが、民間の潜在的貯蓄需要を超える通貨が供給された場合、どうなるかについてもMMTerは勿論考察していて、 econ101.jp/%E3%83%93%E3%8… 実に当たり前ながら、「消費支出が増える」という常識的な結論を得ています。

2019-10-19 18:36:53
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

MMTは、「政府支出は全部民間貯蓄になるんだからいくらでも政府支出は出し放題」なんてことは全く言ってなくて、「政府は通貨のissuerなんだから、『民間貯蓄から国債をファイナンスできないとデフォルト』なんてことは端的にあり得ない』と言っているだけです。

2019-10-19 18:37:10
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

過剰な政府支出(この場合は、民間の潜在的貯蓄需要を十分に超過するような政府支出)が起こす問題は、常にインフレだけ。 モズラーが口を酸っぱくして言っている ameblo.jp/nakedcds/entry… ように、MMTerが言っているのはソルベンシーリスクがないって話であって、インフレが起きないって話ではない。

2019-10-19 18:37:47
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

以上を踏まえると、金麦さんのここの認識も違う。 既に論じたように、民間貯蓄によって赤字(国債)をファイナンスするなどという構造はありません。 現実に起きうるのは、民間貯蓄需要に比した通貨発行(政府支出)の過剰であり、それが起こすのはインフレです。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:38:05
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ただ例えば、購買力の(生産力に対する)過剰の結果として、海外からの輸入が過剰に増加する、ということは可能性の一つとしてあるかもしれません。その場合は、対外赤字が計上されることになり、海外部門はそうして蓄積した円建て資産の一部を、既発国債で運用するということはありうるかもしれない。

2019-10-19 18:38:32
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

でもこれは、「民間貯蓄を超える財政赤字は、ISバランスを通じて対外債務を増やすはず」という金麦さんの考えとはかなり違ったものなはず。 政府が通貨のissuerである関係上、『貯蓄をファイナンスして支出する』という順序関係は”絶対にあり得ない”ことに注意しましょう。 twitter.com/motidukinoyoru…

2019-10-19 18:40:09
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

この点については、「外貨建て国債が財政デフォルトの大体の元凶」という理解はおおよそ共有可能なところでしょうけども、並行して重要なのは、純粋な変動相場制度を採用しているか、ペッグ制度を採用しているかの違いです。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:40:28
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

レイが件の金ピカ本に書いたことですし、ケルトンが懇親会でも論じていたところ togetter.com/li/1377929 なのですが 、発展途上国など、財の安定的輸入に対し政府的な為替誘導政策を必要とするような国では、当然ながら政府の財政スペースはその分だけ制約されることになります。国ごとに事情が違う。

2019-10-19 18:40:57
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

この指摘については、「だからこそMMTは、雇用の(分配面を含めた)最大化と物価安定を如何に両立するかに腐心している」という事実があまり顧みられていないようで、とても残念に感じます。 MMTからのメッセージが全然伝わっていない。 twitter.com/KNMG_Libertas/…

2019-10-19 18:41:30
残りを読む(4)

コメント

24ckg @24ckg 2020年4月24日
MMT側の説明はどれも納得感がある。ジャーゴンが少ないからかな
0