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kyoshimine
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問題の記事
少なくとも4点の法的間違いが指摘されています
- 暴行概念の解説が不適切
- スウェーデン法の条文を恣意的に切り取って引用
- スウェーデン法の誤訳
- フィンランド法の条文を恣意的に切り取って引用
暴行概念については訂正が入りましたが、外国法についてはそのままほったらかしです。
暴行概念の不適切な解説

伊藤和子先生のコメントは間違い。 強制性行等罪の暴行脅迫は最狭義の暴行脅迫よりも弱い「被害者の抗拒を著しく困難ならしめる程度」で足ります。 >最狭義の暴行は、人の反抗を抑圧するのに足りる程度の人に対する有形力の行使で、強制性交等罪のほか、強盗罪などに適用 headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191005-…
2019-10-07 19:00:47
はい、既に複数の弁護士から指摘が入って、記事も訂正されていますが、これは「嘘にならない狡猾なミスリード」だと思いますね。 (2019年10月7日21時05分:伊藤弁護士と協議のうえ、最狭義の暴行の部分について、表現を改めました) headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191005-…
2019-10-07 23:15:18
訂正前は、こうなっていました。 「刑法では同じ「暴行」という用語でもランクがあり、最広義、広義、狭義、最狭義と程度が分かれています。 →
2019-10-07 23:16:30
最狭義の暴行は、人の反抗を抑圧するのに足りる程度の人に対する有形力の行使で、強制性交等罪のほか、強盗罪などに適用されます。強制性交等罪では、暴行が非常に強い程度であることが求められているのです。」
2019-10-07 23:16:56
強盗の暴行は「反抗を抑圧する程度」 強制性交(旧強姦)の暴行は「反抗を著しく困難ならしめる程度」 で、程度が違うと教科書的には解説されています。強盗罪の方が強い暴行、強制性交は(強盗と比較すると)軽い暴行でよい、というわけです。
2019-10-07 23:21:32
訂正前の伊藤記事を読むと、どっちも同じかのように書いてますね。 実は強盗の反抗抑圧程度の暴行と、強制性交の著しく困難にする程度の暴行は、歴史的経緯から、いずれも「最狭義の暴行」と呼ばれているのです。 いわば、最狭義の暴行(強)、最狭義の暴行(弱)みたいな感じですね。
2019-10-07 23:23:44
なので、 強盗も強制性交も、どちらも「最狭義の暴行」、最高ランクの暴行が必要とされます と書いても、一応、ギリギリ嘘にはならないのです。非専門家を誤解させますが。
2019-10-07 23:25:41
あえていうと、訂正前伊藤記事の 「最狭義の暴行は、人の反抗を抑圧するのに足りる程度の人に対する有形力の行使で、強制性交等罪のほか、強盗罪などに適用されます。」 は間違いです。 「最狭義の暴行」=反抗抑圧程度の暴行ではないですし、反抗抑圧程度の暴行は強制性交罪に要求されませんから。
2019-10-07 23:27:57
それもいい抜けできるようにということでしょうが、訂正前の伊藤記事は、 「過去の判例では、この「暴行または脅迫」が「被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度」である必要があるとされています。」 と、強制性交の暴行の定義を、前の方にさりげなく書いているんですね。「書いてますよ!」って。
2019-10-07 23:30:21
予備知識のない一般人が読んだら、強制性交(旧強姦)に必要なのが、反抗抑圧程度の暴行なのか、それとも、反抗を著しく困難にする程度なのか、分かりませんよね。 もちろん、伊藤和子は全部理解していますよ。 理解した上で、あえてギリギリ嘘にならない線を狙って、印象操作をやってるのです。
2019-10-07 23:33:12
いや、もちろん、「著しく困難にする程度」の暴行が要求されるという「解釈」が妥当かどうかっていうのは、問題なんですよ。 それを問題にする前に、いちいち「最高ランクの暴行が必要だ」とか、嘘ギリギリの印象操作をやって、読書をわざと誤解させる必要はないんです。やめましょうよこういうの。
2019-10-07 23:35:14スウェーデン法を恣意的に切り取って引用

もちろん、伊藤記事のミスリードはこれだけではありません。 私が気づいたのはスウェーデン法の紹介のところで、ミスリードというより、あえて間違った引用をやっていますね。
2019-10-07 23:36:59
引用 「スウェーデンでは、被害者が自発的に参加しているかどうかがレイプ罪としての認定に関わりますが、被害者が「無意識、睡眠、深刻な恐怖、酩酊その他薬物の影響、疾患、身体障害、精神障害もしくはそのほかの状況」の場合は自発的関与がないとしており、非常に明確です(刑法第6章第1条)。」
2019-10-07 23:37:53
伊藤和子が事務局長をしているHRNでまとめた報告書から、スウェーデン法の条文の訳文を引用してみましょう。 hrn.or.jp/2019_sex_crime…
2019-10-07 23:40:16
「以下の場合は、自発的関与があると認定することは許されない。 1 …… 2 無意識、睡眠、深刻な恐怖、酩酊その他の薬物の影響、疾患、身体障害、精神障害もしくはその他の状況により特別に脆弱な状況に置かれていた状況を行為者が悪用した場合」
2019-10-07 23:42:01
「特別に脆弱な状況」と「行為者が悪用」を引用から明らかに落としてます。特に「特別に脆弱な状況」を落とすと、全然意味が変わってしまいます。 スウェーデン法は明確だと主張してますが、「特別に脆弱な状況」の立証がハードルになるかもしれません。自分の主張に不利な文言を無視してるわけです。
2019-10-07 23:45:48