“一体だれが安倍内閣を支持しているのか?” 答え → 経済的豊かさを重視して、貧富の格差を容認する若いエリート男性。または、何かの宗教を信仰していて、「社会は変えられない」という宿命論的な思考の国民。さらに追記あり。

追記しました。タイトルを修正しました。 さらに追加しました。
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イヌノオー@ @inunohibi

世論調査―質問と回答〈10月19、20日〉:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASMBQ…

2019-10-25 23:57:22
イヌノオー@ @inunohibi

先日、朝日新聞が世論調査の結果を発表した。先月は48%だった内閣支持率が、今月は45%になっていた。リベラル・左派の中では、消費税増税などの影響で「支持率を落とすだろう」という観測があり、私もそう思っていた。しかし、わずかな減少幅にとどまった。

2019-10-25 22:27:23
イヌノオー@ @inunohibi

どういうことだろう? リベラル・左派とみられる人の中で結構目立つのが、世論調査の「ねつ造」説だ。「今のマスコミは、どれもこれも安倍政権に媚びているので、世論調査でも支持率が高く出るようにしているに違いない」…らしい。

2019-10-25 22:28:56
イヌノオー@ @inunohibi

しかし、読売や産経ならまだしも、朝日や毎日までそんな数字操作をしているとは考えづらい。さらに、こういった世論調査は別々の新聞社(計12社)が行っているため、ねつ造するとしたら12社すべてが示し合わさなければいけない。

2019-10-25 22:30:35
イヌノオー@ @inunohibi

数字にばらつきはあるものの、すべての世論調査で支持率が高い傾向を示している。三春充希「武器としての世論調査」も、さらに詳しく、ねつ造説を丁寧に否定している。

2019-10-25 22:32:03
イヌノオー@ @inunohibi

そうなると、疑問は絞られるだろう。“一体だれが安倍内閣を支持しているのか?”――答えを先に書く。安倍内閣支持者とは、物質的豊かさを重視して、貧富の格差を容認する若い男性。または、宗教を信仰していて、長いものには巻かれろ的な国民、である。(つづく)

2019-10-25 22:32:33
氷室澪(片瀬友里亜) @Yuriakatase2

@inunohibi 問題はむしろ中央紙・経済紙のそれと各有力地方新聞との差に有意な差があるかどうかでしょうね。そのあたりは意外に研究がない気がします。あともうひとつ、世論調査と言っても選挙などの時と一般時とでは精度に差がある可能性があります。最後に、「内閣を消極的に支持する」層がどの程度いるかですね

2019-10-25 22:37:00
イヌノオー@ @inunohibi

@Yuriakatase2 「消極的支持」については、つづきをお待ちください。

2019-10-25 23:26:02
イヌノオー@ @inunohibi

ネット上の安倍政権支持者は、こう力説する。「景気が回復したし、失業率も改善した。経済を良くしているから、安倍内閣は支持されている」――部分的にはそれもそうなのだが、それだけでは説明できない点がいくつもある。

2019-10-25 23:16:35
イヌノオー@ @inunohibi

安倍政権は一方で、生活保護給付額の大幅な引き下げを行い、消費税を2度上げて、5%から10%にした。最近数か月の景気動向指数は、悪化を示している。経済が全てだったら、こういった政策や現象が支持率に響くはずではないか。

2019-10-25 23:16:57
イヌノオー@ @inunohibi

安倍政権支持者は、「経済」を強調しすぎている。

2019-10-25 23:17:11
イヌノオー@ @inunohibi

まずは全体的な傾向。「武器としての世論調査」では、口絵の1に都道府県別の内閣支持率が、12に都道府県別の宗教信仰率(神道、キリスト教、仏教など各宗派の合計)が色分けされているが、これがほとんど重なるという興味深い傾向が分かる。

2019-10-25 23:17:59
イヌノオー@ @inunohibi

信仰率と内閣支持率は、概して西日本および北陸三県(富山、石川、福井)で高く、東日本で低い。同書第5章の4では、西日本の方が文化的に共同体が強く、地縁・血縁による集票が効果的なのではないか、と類推している。

2019-10-25 23:18:32
イヌノオー@ @inunohibi

ただし、こういった“伝統的”な票田は、確実にやせ細っている。自民・公明与党の絶対得票率は、下がり続けている。 当たり前ですな。地域のつながりは薄くなっているし、日本人の信仰心も薄れているし。そこで、内閣の支持率を維持している、別の要因が存在する。

2019-10-25 23:20:01
イヌノオー@ @inunohibi

「分断社会と若者の今」第3章「若者はなぜ自民党を支持するのか」では、先にあげた「経済的にうまくいってるから」説、つまり物質的豊かさ説とともに、「新自由主義」説を上げている。 松谷満氏は、2015年のデータだが、高齢者の自民党支持率が下がる一方で、

2019-10-25 23:21:08
イヌノオー@ @inunohibi

若者(具体的には20~30代)で自民党支持が上昇している現象に着目する。 その若者の内訳をさらに見ると、「大卒男性」「大卒女性」「非大卒男性」「非大卒女性」の4つのグループで、「大卒男性」の自民党支持率が一番高かった。以下、「非大卒の男性」「非大卒の女性」「大卒女性」の順になる。

2019-10-25 23:21:52
イヌノオー@ @inunohibi

さらに、職業を「ブルーカラー」「自前(主に自営業、農業)」「専門職」「中小企業ホワイトカラー」「大企業ホワイトカラー」に5分類すると、壮年男女の「大企業ホワイトカラー」と比べて、若年男女の「大企業ホワイトカラー」は、自民党支持率が高かった。

2019-10-25 23:22:25
イヌノオー@ @inunohibi

これを松谷氏は、アンケート調査の結果から、新自由主義思想の反映と裏付ける。新自由主義を率直に言うと、弱肉強食的な経済観であり、貧富の格差を容認する立場であるといえる。

2019-10-25 23:23:07
イヌノオー@ @inunohibi

女性の全体的な支持率の低さを差し引くと、「男性の大卒、大企業ホワイトカラー」が、他のグループよりも目立って自民党を支持している。彼らビジネスエリートといえる階層の利益にかなっているから、安倍政権は彼らに支持されている。

2019-10-25 23:23:38
イヌノオー@ @inunohibi

法人税を下げて、消費税を上げる安倍政権のちぐはぐな政策も、「大企業ホワイトカラー」にとってみれば、大企業優遇であるし、所得税を大幅に上げられるほど痛くもない。(つづく)

2019-10-25 23:24:54
イヌノオー@ @inunohibi

(1)物質的豊かさ、(2)新自由主義、に続いて松谷氏が3番目にあげる理由は、「宿命論」である。例が前後してしまったが、これは若者に限らず、国民全体の傾向らしい。 「どうせ社会は変わらない」と、現状追認での政権支持。

2019-10-25 23:42:20
イヌノオー@ @inunohibi

これは、10%の消費増税後も、支持率に大きな変動がなかったことを説明する、と思う。「宿命論」層は、政治の中身ではなく、ただあきらめで安倍内閣を受け入れているのだ。

2019-10-25 23:43:53
イヌノオー@ @inunohibi

ただし、この(3)層はあくまで消極的支持であり、選挙に行って自民党に投票するほどでもないようだ。先の参院選では、記録的な低投票率の中で、なんとか自民・公明与党が勝利していた。

2019-10-25 23:44:32
イヌノオー@ @inunohibi

以上の原因を総合すると、「なぜ野党の支持が伸びないのか」ということも説明できると思う。たとえば、れいわ新選組は「消費税廃止」といった大胆な経済活性化策と、弱者への再分配を打ち出したが、(2)の新自由主義的なビジネスエリートには響かず、

2019-10-25 23:45:22
イヌノオー@ @inunohibi

(3)宿命論的な国民は流れていかない、ということになる。 とりあえずメニューだけなら、野党は(1)向けの経済政策もそろえている。(2)は、リベラル・左派政党にはもうどうしようもないだろうが、なんとかして(3)の層から票を掘り起こすのが、課題であろう。

2019-10-25 23:46:11