和声を学ぼう ー基礎編ー 〜第3課《J.S.バッハ『平均律』の「平均律」とはいいったい?》〜

和声たんによる,和声のお話。
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和声たん @Harmonics_tan

【音律】について解説していくネー♪ 前回はこちら→twitter.com/Harmonics_tan/…

2019-05-17 18:52:18

前前回 〜第1課《そもそも「音」ってなんなの?》〜
はこちら 👉 https://togetter.com/li/1395981

前回 〜第2課《「音程が悪い」の「音程」とはなに?》〜

はこちら 👉 https://togetter.com/li/1402813

第3課《J.S.バッハ『平均律』の「平均律」とはいいったい?》

和声たん @Harmonics_tan

twitter.com/Harmonics_tan/… このツイートに載せた表では, 「周波数比が 2 : 3 だと完全5度〜, 3 : 4 だと完全4度〜」 などと表記したわ。 "周波数比"が単純なものほど,「うなり」が少なくなるの。

2019-05-17 19:00:28

《おさらい》

周波数比音程の呼び方

1:1
 完全1度
1:2
 完全8度 =1オクターヴ
2:3
 完全5度(純正律の場合)
2:3
 完全4度(純正律の場合)
2:3
 長3度(純正律の場合)
2:3
 短3度(純正律の場合)

和声たん @Harmonics_tan

「うなり(eng: beat)」 振動数,周波数が異なる波が干渉して,合成波が生ずる現象。 例えば 440Hz442Hz を同時に鳴らすと,二つの波が干渉し合い,2Hzの波が生まれるわ。 同様に, 440Hz(A4)660Hz(E5)を同時に鳴らすと,220Hz(A3)の音が現れるの。ただし,非常に小さい音量だけどね

2019-05-17 19:00:29
和声たん @Harmonics_tan

管弦楽器などの作音楽器(鳴らすだけでは正確な音が出ない楽器)がピッチを揃えるときや,ピアノなどの楽器が調律するときは,この「うなり」に着目することもあるわね。

2019-05-17 19:01:56
和声たん @Harmonics_tan

この「周波数比」が単純で,「うなり」が少ない音程のことを,「純正音程」というわよ。 【純正律】とは,この「純正音程」を用いた音律だよ!

2019-05-17 19:03:18

《純正律》

和声たん @Harmonics_tan

純正律において,Cを1とした場合の周波数がコレだよ!! pic.twitter.com/z6m28ibuEj

2019-05-17 19:09:56
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例えば……

Cが100Hzだった場合
 (※あくまで例ですので実際の数値ではありません)

D…100 × 9/8 = 112.5Hz
E…100 × 5/4 = 125Hz
F…100 × 4/3 ≒ 133.3Hz
C'…100 × 3/2 = 150Hz
C'…100 × 5/3 ≒ 166.6Hz
C'…100 × 15/8 = 187.5Hz
C'…100 × 2 = 200Hz

和声たん @Harmonics_tan

これの利点は,C-G,C-E,G-C',F-Aなどが単純な比になるために,うなりが極めて少ない和音が得られることなの。 ただ,何事も諸刃の刃で,致命的な欠点もあるわ……

2019-05-17 19:12:23
和声たん @Harmonics_tan

【純正律】は,確かに"うなりが極めて少ない和音"が得られるよ。 でもそれは,"ある一部"のものだけなんだ。 この表は,隣り合う音どうしの比を表したものよ。 見ての通り,全音(あとで改めて言うけれど,"長2度"という音程よ)が二種類生まれるわ。「大全音」「小全音」pic.twitter.com/AulJSeWJ6u

2019-05-19 19:05:11
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和声たん @Harmonics_tan

このために,例えば C - G の完全5度は非常に整った和音になるけれど,D - A の 和音は,うなりが大きいものになってしまうんだ。

2019-05-19 19:06:39
和声たん @Harmonics_tan

一番大きな問題とも言えるのが,「転調ができない」ということになるんじゃないかな。 純正律で調律された楽器は,ある決まった調でしか演奏できなくなるね。 転調する際には 新たに調律し直す必要があるわ。 (ただ,わざとそのまま転調させて,うなりをもたらすこともあったかもしれないわ)

2019-05-19 19:10:15
和声たん @Harmonics_tan

これが【音律】の一つである【純正律 (Eng; Just intonation)】だよ。 他の【音律】である【ピタゴラス音律(Eng: Pythagorian tuning)】【中全音律(Eng: Meantone temperament)】については,別で解説しようかな。

2019-05-19 19:16:14
和声たん @Harmonics_tan

長くなってきたから,新しくツイートを繋げるね♪ この,前回の【純正律】👉twitter.com/Harmonics_tan/… の欠点を補うべく,現在主に使われているのが【平均律(Eng: Equal temperament)】だよ

2019-05-19 19:19:14

《平均律》

和声たん @Harmonics_tan

【平均律】とは,「1オクターヴ(=完全8度)を12等分した音律」だよ。 隣り合う音(=半音,短2度)との周波数比は 1 : ¹²√2 となるわ。 この音程間隔を対数単位"セント (cent)"を用いて「100セント」と定義するわ。

2019-05-19 19:25:36
和声たん @Harmonics_tan

こんな感じだね。 比較として純正律の数値も載せたよ。 すべて「C」を基準とした場合の,小数点第二位までの値だから,注意してね。 pic.twitter.com/k9vpHuUDBx

2019-05-19 19:44:55
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和声たん @Harmonics_tan

今回は力尽きたのでここまで…… 次回はいよいよ「【音程】part 2」と,すっかり忘れていた【倍音】についてかしら……

2019-05-19 19:47:47

第3課《J.S.バッハ『平均律』の「平均律」とはいいったい?》まとめ

・うなりの少ない音程を純正音程という
・純正音程を用いた音律を純正律という
・純正律はうなりの少ない和音が使える一方で,うなりの大きい和音が出てしまう
・半音の周波数比を1 : ¹²√2にして,全体に平均的な響きをもたらす音律が平均律

〜第4課《『倍音』とは?》〜
はこちら 👉 https://togetter.com/li/1496374

ちなみに………

こちらのまとめのタイトルにあるJ.S.バッハの『平均律』は,ピアノで弾いたことのある方も多いんじゃないかしら??

あちらは,ドイツ語で≪Das Wohltemperierte Klavier≫といいまして,日本語では『平均律クラヴィーア曲集』と訳されます。

ただ,この"Wohltemperierte"は必ずしも「平均律」という訳が正しいわけではなく,直訳すると「良く 調整された」となります。
鍵盤楽器が,あらゆる調で演奏できるよう「良く調整された」…という意味のようです。

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第1巻の1番 ハ長調の前奏曲は,のちにグノーがこれを伴奏として使い,アヴェマリアの旋律をつけました。
どこかで聴いたことのある旋律,これはバッハとグノーの作品だったのです!

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