「書道」というコンテンツの触れにくさ ~書写教育が生み出した弊害~

書道はなぜ気軽に始められないのか。 自分なりの言葉でまとめました。
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はじめに

沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

どうやったら書道というコンテンツに触れやすくなるかな

2019-11-01 18:53:20
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

色々な人に「書道してみない?」って誘うと、全員が口をそろえて「自分書道下手だから」と返答する 「そりゃ、練習しないと上手くならないよ」と言うと、渋い顔をされ、結局筆を執ってはくれない この触れにくさの背景にはまた別の要因が関わっていると分析する

2019-11-01 18:58:59

「書道が上手い」とは

沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

そもそも「書道が上手い」とはどういう意味なのか 世間一般的な目線に立って考えてみると「毛筆で字が綺麗に書ける」という意味で使われているような感じる 正直、書道をし続けている自分としては「書道が上手い」人を一人として見聞きしたことはない 書道に上手も下手も無いと考えるからだ

2019-11-01 19:07:30
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

書道ではなく書写には確かに上手と下手がある それは書写の目的が文字を美しく書くという場所にあるため、美しく書くことができれば上手とされ、汚く書ければ下手とされる しかし、書道の目的は美しさを目指しているわけではない

2019-11-01 19:14:29
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

この「書道の目的が非常に曖昧でハッキリしない」というのが私が書道に上手も下手もないと考える理由である 日本における書道は、道という字が付いていることから「字を書くことによって精神を鍛練する」という修身的な目的があった 現代において、その目的で書道をしている人は少ないと推測する

2019-11-01 19:20:38
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

ではなぜ私たちの心の中に「書道は上手くならなければならない」という固定観念が生まれてしまったのであろうか 私は小・中学校の国語科教育における書写教育がその原因にあると考察する 中学校までの教育が義務化された日本において書写教育は誰もが避けては通れない道である

2019-11-01 19:26:32

書写教育が及ぼした影響

沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

先に述べた通り、書写の目的は美しく書くことにある 書写の授業では教師が「お手本通りに書きましょう」と指導し、生徒もその言葉に習って手本を見ながら練習する つまり、 お手本=美しい であり、 お手本通り書けない=美しくない という考えの下に書いてしまうからである

2019-11-01 19:34:18
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

さらにその施行年数はあまりにも長すぎる 小学校6年間+中学校3年間の計9年間、美しさを求めて字を書き続けなければならないのである その結果として生まれてしまったのが「書道は上手く書かなければならない(美しく書かなければならない)」という誤った観念なのではないのだろうか

2019-11-01 19:39:24
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

加えて書写教育が生み出してしまった弊害はもう一つある 「書道と書写の混同」である 書道と書写という言葉を聞いて最初に想起することは、毛筆で字を書くという一つの動作であろう しかし、字に美しさを求め続けた9年間を過ごした者は 毛筆で字を書く→美しく書かなけばならない という連想が起こる

2019-11-01 19:48:45
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

そうして書道を書写と同様に捉えてしまい、遠ざかってしまう人がいるのだと考える (この論は主に書写教育の中で字を美しく書けなかった人に目線を当てて進めている。逆に美しく書けていた人の中で書道をしない人の理由は、書道以上に熱中するものがある等、様々あるのではないのだろうか)

2019-11-01 19:58:04

書道と書写の共通要素

沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

しかし、現代において私たちが行っている書道は書写と同じ要素を持っている 芸術書道において最も主立った練習方法とされる臨書-形臨は元となる古典(お手本)を見て、その通りに書いて表現方法を学ぶというものだ 現代の書道と書写は目的は異なっているものの、行っていることはほぼ同じなのである

2019-11-01 20:10:10

おわりに

沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

この問題についての解決方法は自分でも考えているが、良い案が見つからない 小・中学校における書写教育のカリキュラムを変えるか、また小・中学校の教育にも芸術書道の授業を取り入れるか考えたが再現性がなく、具体的な内容にもたどり着いていない 墨でも摺りながら徒然なるままに考えることにする

2019-11-01 20:19:35

おまけ なぜ字が下手なことを恥じるのか

沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

余談 考えていくうちに疑問が生じた なぜ文字が下手であることを人は恥じるのであろうか

2019-11-01 20:29:14
沼尻かずまっちょ @iintyou_h100707

普通の人ができる水準と同じまたは超えることができないことを恥ずかしいと感じる現象は確かに納得できる しかしながら毛筆で字を上手く書くことは世間一般的に見て少数派であり、むしろ上手く書くことができない方が当然である そのような背景にありながら下手なことを恥じるのは少々奇妙な気がする

2019-11-01 20:38:34

みなさんのコメントでの反応・意見等はしっかり見させていただいています
ありがとうございます

書写教育について否定的に書いていますが、全否定しているわけではありません
書写教育にしかない長所もあります

書道をする目的について明確な答えを求める意見が寄せられていますが、残念ながら私一個人では答えは出せません
なぜなら書道をしている人一人一人でその目的は異なっているからです
大会で賞を取ることを目的で書道をしている人もいれば、字を書いて題字・ロゴとして提供しお金を稼ぐことを目的としている人もいます
書道が様々な場所で展開される現代、その目的も多様化しているのだと思います

今の私は作品制作が楽しい一心で書道をしています
特に作品が完成した時の興奮と熱気はたまらないですね
単なる文字の羅列がなぜここまで心をかき立てるのか、不思議でたまりません

※ここの部分の説明が私のツイートでは不透明でした。お詫び申し上げます。