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前回の話

ツイートまとめ エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~5世代目・後編4~ 長い… ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜トールキンネタトークにでもどうぞ。 5422 pv 7

以下本編

帽子男 @alkali_acid
えー、この物語はエルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系のドスケベウハウハご都合ファンタジーです。 嘘じゃないよ!嘘じゃないよ! 今日はドスケベだよ!ほんとだよ! 卑猥を語ってその道ン十年のもんが言うとるのや。 疑るかあ!? はい。
帽子男 @alkali_acid
さてエルフの女奴隷を受け継ぐ家系の五代目、盲目の船長オズロウは巨船しろがねの凱歌号を操り東の海へ。 途中新たに加わった乗員、青の占星術師アメノハテ。天文気違いの迷惑爺さんかと思えば、意外な特技がある。 星読みである。 南北のどのあたりにいるか、方位は、今の季節と月日はいつ。
帽子男 @alkali_acid
そういうのを細かく当てる。当てるというか測れる。いろいろな道具も持っているのだ。例えば象限儀というのは星や日の高さを調べ、そこから今船が「日輪の通る赤い道」からどのくらい離れているかを割り出せる。
帽子男 @alkali_acid
「世界が丸いから役に立つのじゃ。平らだったら、こういう道具ではなくもっと別の何かが使われとったろうのう。あるいは航海の方法はずっと難しくなっとったかもしれん」 「せやろか」 「みな、都合のいい世界を頭の中でこねあげるが、実際に暮らしてみれば随分不便じゃろうて」 「ほわー」
帽子男 @alkali_acid
「丸くてよかったわい」 「せやけど、平らやったら、平らなりの道具があって、ほんでそれなりにやっとったんちゃう?」 「かもしれんがの。わしらの暮らしとはまるで違うものになっとったろうし、考え方も随分違うじゃろうのう。それにそもそも同じような生きものが育つかどうか」 「魔法あるやん」
帽子男 @alkali_acid
「神々、魔法、そういうもので都合のよい世界のつじつまを合わせようとしても、合わせようとすればするだけゆがみが出てくるじゃろうて。なぜなら、都合のよい世界をひねりだす頭の持ち主は、結局、このわしらのいる丸い世界に住んでて、それしか知らんのじゃからな」
帽子男 @alkali_acid
「ほんでも、都合のええ世界ほしいわ…ええ男がぎょーさんおって…あ、でも、今の世界もええ男ぎょーさんおるわ」 「お主にはここが都合のよい世界じゃろ」
帽子男 @alkali_acid
ちなみにしろがねの凱歌号には、 このおかしな星読みのほかに、 半妖精の貴公子ロンドーという風読み、 海妖精のイテルナミことネシファという潮読みもいる。 おまけに先行する「馨しの三日月号」という砂漠の精霊の助けを借りた香料船が航路に詳しく、案内役を務めるのでまず迷う恐れはない。
帽子男 @alkali_acid
しろがねの凱歌号と馨しの三日月号はともに魔法の力を帯びているので並の帆船とはくらべものにならない速さで進む。 ご都合主義ファンタジーなのでチートである。チート。 安息の国の港を出発し、途中嵐にも海賊にも遭わず、べた凪で立ち往生することもなく、あっさり暑き香料の地に到着である。
帽子男 @alkali_acid
ただし航海は無事でも、逢う人々からは暗い話ばかり聞こえてくる。 中継ぎの港では、恐怖の大王のうわさで持ち切り。 どこそこの国が滅ぼされたとか、どこそこの大神殿にいた高僧達が丸ごと火をかけられて焼け死んだとか、どこそこの藩侯が一族なで斬りにされたとか。
帽子男 @alkali_acid
「恐怖の大王というのは暑き香料の地を呑み尽くさんばかりの勢いですね」 ロンドーがオズロウが通訳して語る内容に感想を述べる。 「こわいわー…でもええ男かもしれん」 「しかし、戦(いくさ)のただ中に舳先を突き入れることになるかもしれません」 「ま、なんとかなるやろ」
帽子男 @alkali_acid
いわく恐怖の大王は 二十万の歩兵と四千の戦象を有している。 いわく広がる版図にいた武人と僧侶は絶滅した。 出自は卑しい奴隷であり、奴隷の王ともいわれる。 しかし奴隷すら穢らわしい行いを民に強いる。 秩序はめちゃくちゃになり、今では常民が兵士となり、下民が商売をし、医者がのさばる。
帽子男 @alkali_acid
「医者?」 「恐怖の大王は、医者を厚遇しているて話やで。特に疫(えやみ)を防ぐ知恵のある医者。無神の徒?から異端の徒?まで、知恵さえあれば取り立て、要職につけるて。なんや双蛇の女王はんに似とる」 「しかし虐殺をなすのでしょう。それは安息の国では重罪です」 「せやなあ…」
帽子男 @alkali_acid
誰もが口をきわめて恐怖の大王を罵った、かというとそうでもない。 まず外国の商人のうちには悪くは言わないものもいる。 「恐怖の大王は戦支度にやたらと武器だの何だの仕入れるんやけど、取引が正直やて。記録もようつける。銀貨の一枚一枚の重さや大きさがぴたりと合うとこもええて」
帽子男 @alkali_acid
さらに中継ぎの港で働く暑き香料の地の民のうち、身分の低いものは、恐怖の大王の話をいまわしげに話す身分の高いものの言葉に口は挟まなくとも、奇妙に光る眼で聞き入るのだった。
帽子男 @alkali_acid
「奴隷の王と…しかし奴隷すら疎む穢らわしい行いとは何でしょう」 「わからーん。せやけど恐怖の大王の土地ではそれが当たり前やて。神々を忘れて皆そうするようになってまうて」 「神々を忘れる…まるで闇の女王…」 「言葉の綾やと思うけどなあ…ほかの話やと色んな邪教が栄えとるて」
帽子男 @alkali_acid
さて船はいよいよ暑き香料の地の港に入る。 安息の国からものすごく南に下った、というほどではないが、海の水が温かいせいか、熱風が吹くせいか、それを山脈が受け止めるせいか、かなり蒸す。
帽子男 @alkali_acid
「陸の入ったとこのだだ広い高原まで行けばそうでもないけどな」 すでに幾度も訪れたことのあるディヴァが、合流次第そう説明する。 「このあたりは割としけっとるなあ…」 「ぐええ…」 海賊アルトゥーセはかなり弱っている。涼しい北方の出身なのだ。
帽子男 @alkali_acid
「人間は不自由なことよ」 漁りの巨人バゴはもっと北の出だが、ぜんぜん平気だ。 肌には汗一つかかず、依然として霜をはりつかせている。
帽子男 @alkali_acid
「海豚(イルカ)がいるぞ!やつらがいない水域はないのか…おお…青と緑の女神よ…この世界はすでに海豚に支配されているとでも…くっ…人間の漁夫に餌などもらって!“さようなら今まで魚をありがとう”などと海豚語で鳴いて媚びを売っているぞ!」 海妖精のイテルナミは何か良く解らない苦悩を吐露。
帽子男 @alkali_acid
いつものように乗員は二手に分かれる。 まずは留守番組は海妖精のイテルナミ、漁りの巨人バゴ、毒蔵の番人ラファエリ。そして塚人カゲノツキ。 「オズロウよ。こたびは我がともに行こう」 は、なぜか今回上陸するそう。
帽子男 @alkali_acid
風の司ロンドー、歩く檻アンググ、小人の船大工鉄船建て、海賊アルトゥーセ 、珈琲の伝道ガティが海を離れる。
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コメント

よーぐる @Seto_yasu1987 2019年11月3日
後編というか黒の渡り手本編?