ドラマにおける第一次世界大戦後に女性がまとうトレンチコートの意味

ワンサイズ大きくてベルトを結んでいるのがポイント
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西洋魔術博物館 @MuseeMagica

雑。一次大戦後に女性がまとうトレンチコートは「戦死した恋人の遺品」という属性がついてしまいます。ヴェルダンやソンムでついた泥汚れはなかなか落ちず、基本的によれよれ。吉凶定かでないアイテムとして霧のなかを彷徨うのであります。なお、これを嫌う幽霊も多いとか。わからんでもないような。 pic.twitter.com/SlQUre9TqP

2019-11-03 11:45:37
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恋人の遺品ですからだいたいワンサイズツーサイズ大きいわけです。それをがばっと羽織って、ベルトは普通に締めると余るので帯みたいにきゅっと結ぶという着こなし。ある意味「幽霊を着ている」状態になりますので、彼女を守ってくれるのですが、新たな恋には障害になるというメロドラマの定番小道具

2019-11-03 12:04:10
西洋魔術博物館 @MuseeMagica

問題のトレンチコートを届けてくれたのは亡き恋人の戦友で、なんだかんだと連絡を取り合ううちにお互い好意を抱いてしまう。しかしどちらも一歩踏み出せないまま時間がだけがずるずると経過して、というメロドラマが大量生産。読者はヒロインがトレンチコートを着てるだけでいろいろ察しろ、と。

2019-11-03 15:33:41
西洋魔術博物館 @MuseeMagica

彼女が正式の未亡人なら再出発もしやすかったんですが。婚約者未満の状態でしたのでややこしい。そこらの事情もからんでもう一人で生きていくと決めて働きに出るわけです。一次大戦後、タイピストや電話交換手といった職につく若い女性のトレンチコート姿はなんとも「わけあり」。

2019-11-03 21:11:08
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トレンチコート姿の彼女たちは、やがて煙草を吸ったりお酒を飲んだりして周囲から白い目で見られますが、煙草もお酒も亡き恋人が好んでいた銘柄なのです。それを知った例の戦友が「もうやめろよ」と言ってしまう。「ほっといてよ」と答えたあと、小さく「いくじなし」とつぶやく彼女。お約束の展開。

2019-11-04 08:48:59
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怪奇ものですと、ここから憑依ものになったり吸血鬼ものになったり。人情系ですと、街頭で元将軍の老紳士に呼びとめられて「そのコート、〇〇大尉のものでは?」。いずれにせよ新品のコートでは話が成立しないわけです。新品のを着てると「やる気あるのか」「参加せんか」と非難される状況も到来。

2019-11-04 08:55:18
Yukari062 @yukari06210

@GAMEnobuse BURBERRYは第一次世界大戦頃、兵士用にトレンチコートを製造、販売していましたから合っていると思います。あと特徴的なタータンチェックから。

2019-11-04 05:51:55