反出生主義の喝破方法を模索する前に、まずは出生主義を自分なりに喝破してみた

基本的に意見・ご感想等大歓迎ですが、くれぐれも誹謗中傷にならないようにお願いします。 【転載元URL】 https://ameblo.jp/iyokandoll/entry-12536121859.html
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いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

勿論先述の「共通の目的」や「規範」、「共同」も社会集団を存続するには欠かせない大事な要素ではありますが、その社会集団はあくまで参加者一人一人の力があってこそ始めて成り立つものであることを第一の前提にしなければ意味がありません。

2019-11-06 18:59:49
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

その辺りを取り違うと必ず個人の尊重が蔑ろにされる事態に発展して結果的に数多くの悲劇を招くことになります。 例えばごく真っ当に育った子供であれば家族や友人からの愛情や信頼を十分受けているので、その恩恵を糧に生きる意味を見出すのが容易なのは想像に難くないでしょう。

2019-11-06 18:59:49
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

しかしながら世の中は先述の健全に育った子供だけじゃないのもまた事実で、特に子供の気持ちや取り扱いに対して不理解な親、所謂毒親に育てられた子供は幼い頃から不幸な毎日を過ごせざるを得ない境遇にあるという点でまさに悲惨そのものだと言えます。

2019-11-06 18:59:50
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

その為毒親育ちの子供がどうしても自らが生きる意味を見出すにはまず毒親がいる家庭から抜け出すことがほぼ大前提になってきます。 それに子供自体が親も出生地も生年月日も選べない関係で結果的に子供の同意無しで世界に生み出されていることを踏まえると、

2019-11-06 18:59:50
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

将来人間社会を支える要となる子供を尊重した育児を行う義務がある親の責任は思った以上に重大であることも忘れてはなりません。 そういう意味では毒親とその子供がいる家庭というのは、要するに親が子供の尊重を蔑ろにしている歪な家庭だと言っても過言では無いのです。

2019-11-06 18:59:50
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

また人間社会に再度目を向けると、確かに人類は文明発展のおかげで多くの個体を生かせるようになって今や生物史上稀に見る繁栄を享受するに至っていますが、じゃあその文明発展が果たして多くの人々に幸福をもたらしているのかと言えばそれは全然違います。

2019-11-06 18:59:50
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

何故なら文明発展はあくまで生物種としての人類が生き抜いていく為の手段であり、それ自体は客観的な目的を追求する為の手段以上の意味を持たないので、幸福の追求等といった主観的な要素が強く絡んでくる目的を追求するには適していないからです。

2019-11-06 19:04:49
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

その根拠を示す一例として、人類は新石器時代に農耕や牧畜を通した食糧の安定的な供給とそれに伴う定住化を始めるという変革、所謂「新石器革命」を行うことで人口を増加させ、その積み重ねが文明化をもたらして数多くの都市や国家を生み出していきましたが、

2019-11-06 19:04:49
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

実はその裏には長い歴史の多くの期間を飢饉の恐怖・栄養不足・重労働の三重苦に直面し続けてきた庶民達の姿がありました。 というのも農耕や牧畜を通した食糧の安定的な供給が可能になったことが皮肉にも多くの人間に上述の三重苦をもたらす結果に繋がったからです。

2019-11-06 19:04:50

【新石器革命の参照URL】
https://ja.wikipedia.org/wiki/新石器革命

いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

また農耕や牧畜を行うには多くの土地や動植物を保有する必要があるので、万が一争いに巻き込まれた場合は遊牧民でもない限り全てを投げ打ってでも田畑や家畜を守らなければなりません。

2019-11-06 19:04:50
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

それらの課題が未来の不安を煽るものだと知った人類は法律や貨幣を始めとする想像上の秩序を次々と生み出すことで解決を試みたのですが、結局はむしろそれ自体が貧富の格差や様々な属性による差別等の新たな問題を生み出して余計に多くの人間を苦しませるという結果に終わっています。

2019-11-06 19:04:50
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

そしてその後科学革命を筆頭に様々な改善策が施され、現代社会では飢饉も疫病も戦争も十分対処出来る段階にまで来ていますが、それでも実情的には人類の繁栄と個人の幸福は依然として乖離されたままである為に根本的な解決には至っていないのが現状なのです。

2019-11-06 19:04:51

【科学革命の参照URL】
https://ja.wikipedia.org/wiki/科学革命

いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

まあこのように家庭や人間社会に関する一例をそれぞれ挙げただけでも、社会集団の概念が時に個人の尊重を傷付けることは十分あり得るという訳です。

2019-11-06 19:04:51

何でもかんでも人口を増やせば解決する訳ではない

いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

続いて2番目の弱点については要するに「闇雲に出産を促せばいい訳ではない」という意味を示しており、その内容からして先程出生主義の定義で述べた4番目の項目、所謂「中絶や避妊に対する制限」とも大きく関係しているのは大体想像出来ると思いますが、

2019-11-06 19:04:51
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

実は国家単位で極端な出生主義的政策を実施したことでかえって国民の怒りを買った挙句崩壊してしまった国があります。それがドラキュラ伝説で有名なルーマニアです。

2019-11-06 19:04:51
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

んで、この国はチャウチェスク政権時代に政府が「人口増加は国力増強に繋がる」という考えを基に一定数以上の子供を持たない家庭に対して中絶や避妊を禁止する法律を作ったのですが、

2019-11-06 19:04:52
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

そのせいでむしろ非合法の中絶による死傷や育児放棄によって孤児院に引き取られる子供の増加、不十分な治療による小児エイズの蔓延が相次いでしまいました。

2019-11-06 19:04:52
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

特に極端な出生主義的政策で発生した孤児達は「チャウシェスクの落とし子」と呼ばれ、ストリートチルドレン化する等と後々までルーマニアの深刻な社会問題となりました。

2019-11-06 19:04:52
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

しかも当の政府はこれらの現実を無視して対外債務を返済する為の飢餓輸出や大豪邸の建設による税金の無駄遣い等といった国民の心境を逆撫でした行動に走っていました。

2019-11-06 19:04:53
いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

その結果1989年に起きた東欧革命の最後を飾るルーマニア革命では首都のブカレストで市街戦が勃発した4日後にチャウシェスク夫妻が公開処刑されるという流血沙汰にまで発展したのです。

2019-11-06 19:04:53

【ルーマニア革命の参照URL(※開いた瞬間にどっちのことか聞かれるので、そこで1989年に起きた方をクリックすること)】
https://ja.wikipedia.org/wiki/ルーマニア革命
【チャウシェスク夫妻の参照URL】
ニコラエ・チャウシェスク:https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコラエ・チャウシェスク
エレナ・チャウシェスク:https://ja.wikipedia.org/wiki/エレナ・チャウシェスク

いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

とは言え経済的な観点で見るとこの極端な出生主義的政策の効果は決して馬鹿に出来るものではなく、チャウシェスク世代が中年期を迎えたリーマンショック前年の2007年までの10年間のGDP伸び率は隣国のブルガリアやハンガリーと比べても突出して高く、所謂人口ボーナスの状況だった可能性もあります。

2019-11-06 19:04:53
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