ア㊙️イさんのお尻と学ぶドローン攻撃(更新中)
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注:今後このまとめに「サイバー攻撃」に関する実証論文も追加していく予定なのだ。
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ドローン攻撃とテロリズム:その1
米軍は中東諸国で無人攻撃機(ドローン)を用いてテロリストの拠点を攻撃している訳だけど、果たしてこの作戦はテロ攻撃を減らしているのか、それとも逆に増やしてしまっているのか?最近の複数の実証的研究を参照しながら、この問題を考えてみたいのだ(前中後編に分割しますのだ) (1/21) pic.twitter.com/octhusKXL3
2019-10-10 19:46:35ドローン攻撃がテロにもたらし得る影響は、理論的に色々考えられることに加え、表にまとめたように、実証的研究においても主張が異なるのだ。だから先に結論を言うと、「更なる分析が必要」ということになるのだ。 (2/21) pic.twitter.com/WtJke9k87Z
2019-10-10 19:46:38[訂正 ]
このまとめの段階では3本取り上げる予定だったけど、その後2本追加したのだ。
パキスタンでは2004年から米軍によるドローン攻撃が始まったのだ。ドローンによる「ピンポイント爆撃」は通常の空爆よりも正確な攻撃が行え、「テロリストだけ」を標的にできる…というのが米軍側の主張なのだ。 (3/21)
2019-10-10 19:46:38ドローン攻撃によってテログループの拠点を破壊し、リーダーを殺害できれば、組織としては弱体化するはずなのだ。テロ攻撃を成功させる為には装備・資金・人員・ネットワークといった多くの資源が必要だけど、ドローン攻撃はテロ組織が有する資源を削ぎ、結果的にテロを防げると考えられるのだ (4/21)
2019-10-10 19:46:39でも違うストーリーも考えられるのだ。爆撃によってリーダーが殺害されれば、彼によってコントロールされていたグループ内の過激派が勝手にテロをやり始める可能性があるのだ。さらに、パキスタン特有の状況を鑑みると、ある組織「だけ」が弱体化するのはマズいのだ。 (5/21)
2019-10-10 19:46:39米軍がドローン攻撃を行なっているのは、パキスタンのFATA(連邦直轄部族地域)と呼ばれる自治領なのだ。各部族による自治が行われ、パキスタン政府の統治が及ばないことに乗じて隣のアフガニスタンからイスラム過激派テロ組織がかなり流入していたのだ。 (6/21)
2019-10-10 19:46:39FATA内の各部族は、基本的にはパキスタン政府と対立しているんだけど、部族同士も(例えばタリバン支持/不支持派で)対立しているのだ。当然そうした対立はFATA内のテロ組織にもあるのだ。そんな状況で、ライバルの組織が(ドローン攻撃で)弱体化したと知ったテロ組織はどうするか? (7/21)
2019-10-10 19:46:40だいぶ前に紹介したメキシコの麻薬カルテルでも似たようなことが起こっていたけど、ライバルが弱くなったらその機に乗じて自分たちの勢力を伸ばすことができるのだ。この際にテロ攻撃が使われる可能性があるのだ。 (8/21)
2019-10-10 19:46:40また、ドローンがピンポイントにテロ組織を狙う為には、彼らの正確な居場所の情報が必要になるはずなのだ。もしテロ組織がドローン攻撃を受けたら、真っ先に疑うのはご近所さん、つまり拠点周辺の市民たちなのだ。 (9/21)
2019-10-10 19:46:40攻撃を受けたテログループは、これ以上の情報の流出を抑制するため、あるいは市民たちに「罰」を与えるために市民に対してテロ攻撃を行う可能性があるのだ。 これらに加えて、テロ組織がシンプルに「報復」としてテロを起こす可能性もあるのだ。 (10/21)
2019-10-10 19:46:41さらに、よく批判されるようにドローンはテロリストだけを狙える訳でなく、市民が攻撃の巻き添えを食うこともあるのだ。テロ組織はこうした市民の犠牲をプロパガンダに用いて、アメリカやパキスタン政府(公式にはドローン攻撃を批判してるけど)に反感を抱く市民をリクルートするのだ。 (11/21)
2019-10-10 19:46:41つまり、ドローン攻撃は組織の弱体化を通じてテロを減らす可能性がある一方で、組織の分裂や対立、裏切り者への「罰」、そして市民の過激化を通じてテロを増やす可能性があるのだ。 じゃあ実証の結果はどうなっているか?最初に述べたように、研究者の間での合意はおそらくまだ無いのだ。 (12/21)
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