サンプルボイス制作の「後出し」について

同人作品（音声作品、ゲーム等）の宅録依頼の中でのお話です。
基本的には、それぞれの声優さんの依頼についてのページ（これは受けられません。最低○円から等、条件の書かれたページがあります）をチェックして、メールを送るのがスタートになります。

依頼の時点で、
過去出演作の○○のキャラの声イメージ
サイトにあるボイスサンプルAのイメージ
等、ボイスの指定が可能です。（追加でサンプルを録ってもらわなくても、そのイメージで本編を収録してくれる）

「OKをもらった後でお願いすること」が問題。
簡単に「サンプルボイスお願いします」と連絡するかもしれませんが…
台本（サンプル台詞）チェック→声出し→機材の設置・設定→収録→編集→提出
の作業が必要です。

※この場合のサンプルボイスとは、依頼者が用意した台本の一部（１台詞だけを読んで欲しいという希望もあれば、２ページ読んで欲しいというような依頼もあるし、同じ台詞部分を数種類の声質・演技で読んで欲しいといった相談をされる場合も。）をその案件のために新規に収録したファイルのことです。

これで仕方なく無理をして働く、寝ない…等の作業が発生する率が高いです…つらい……
できるだけ「○日ズレたので、○日増やして下さい」と相談しますが、最初から「○日じゃないと間に合わないので！」と言われていると、なんとか間に合わせるしかないですし、依頼を受ける側からすると、追加報酬希望は非常に出しづらいです…。（そもそもサンプルなんて簡単に出せる！と思っていての相談のため）

どれかをやっておけば、声優側からして【しんどい依頼】（最初は必要のないはずだった無理をしないといけない仕事）にはなりません。

この案件のためだけの追加作業で、絵やシナリオ等と違って、他の案件で使うこともできないし、サイトに置くサンプルにもできないし、キャンセルの場合１円も発生しない…のに、作業時間が必ず発生する「サンプル作り」です。

悪質な依頼の場合、サンプルを何度も無料で作らせて、依頼はキャンセルし、音声だけ無料でもらって帰り、作らせたサンプルだけを勝手に売る、公開する。（勿論無許可で）
そもそも１円も払わず、サンプルを色んな声優に作らせるだけの行為を楽しんでいる…という恐ろしい人間もいます……。
頭の中にあるイメージを、声優側にきちんと文字にして伝えていないのに、「なんか違うから」と何度もサンプルをリテイク（追加収録）させ、「やっぱりいいや」という人も。

頭の中に既に強いイメージがある場合には、強くスタジオ収録をオススメします。
その方がその場その場で「ここをこうして欲しい」と調整ができるので、宅録で「録った物を送ってもらってリテイク」を繰り返すよりも、クオリティも高く早く確実に持って帰れます。

声なんて出すだけ！サンプルなんて簡単につくれる！と思うかもしれませんが……意外と色々な作業が発生していたりするので、少しだけ頭の片隅に置いておいてもらえると、声優側が作業しやすい依頼をできると思います。（結果、作品のクオリティが下がりにくく上がりやすくなる）