刀を真っ直ぐ振るためのツイート

lornplum @lornplum

刀を真っ直ぐ振る、というのはシンプルながら非常に難しい技術です。私も未だに出来ないのですが、理屈の上で「どうなっていればよいか」という話は出来ます。今から三通りの実験を示しますので時間のある方は試してみましょう

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①両腕を上げてバンザイの姿勢にし、両掌を内側に向け、両腕を内側へ傾け、両掌が触れるか触れないか、という状態にします。そこから、両手をゆっくりと斬り下ろすように下げていきます。 恐らくこれは、ブレずに真っすぐ下せるのではないでしょうか。

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② では、①と同じように両腕を上げた状態から、いつも刀を振っているのと同じように思いっきり振り下ろして下さい。 途中で両掌が押し付け合うような感覚があるでしょうか？

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③ 今度は、両腕を上げた状態で両手の指をガッチリと絡ませ、②と同じように思いっきり振り下ろして下さい。 よほどのことが無ければ、真っすぐ振り下ろせると思います。また人によっては、肩や背中や胸に圧迫感を覚えると思います。

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刀を真っすぐ振り下ろせないとお悩みの方は、②で書いたように「振り下ろす途中で両掌が押し付け合うような感覚になる」はずです。実際のところ私もそうです。何故そうなるのか。そして①と③の方法では何故真っすぐ振り下ろせるのか、という話をしますね

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①と③の方法で腕を振り下ろす時、腕が掃く（腕を線と考えてその線の軌跡が描く）図形はどのようになってるかというと、肩を頂点とした三角錐の側面ですよね。一周するわけじゃないので「その一部」ということなりますが。

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では、②で振り下ろす最中に両掌が押し付け合ってしまう人はどのような動きになっているのかというと「両腕がそれぞれ平たい円を掃くように動いている」のです。

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左に傾いている右腕を平たい円を描くように下していくと、身体の正面までは左に逸れ、そこより下へは真ん中へ戻り、さらには右側へ逸れていきます。左腕はその逆で、右へ逸れた後真ん中へ戻り、左へ逸れていくという動きになります。

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なので、そのような動きで右手前、左手後ろという握り方で刀を振り下ろすと、前半は右手が左に、左手が右に行こうとするので刀の切先が左に逸れ、後半は右手が右に、左手が左に行こうとするので切先が右に逸れるわけですな。

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ただそれでも、真っすぐ振ろうとは思いながらやるわけですから、振り下ろしの最中、反射的にその軌道を修正しようと力を掛ける、その結果として刀の軌道がふにゃふにゃにブレてしまうのです。

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ではどうすれば真っすぐ振れるようになるのか？ということですが、簡単に実現するなら③の方法の流用です。つっても、両手の指を絡めつつ刀を握るってのは無理がありますから、両手がくっつくように（右手の小指と左手の人差し指が触れるように）して柄を握るのです。

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勿論この方法は、簡単に真っすぐ振れるというだけで「正しい」わけではありません。剣道をはじめ多くの流儀では右手と左手を離して柄を握りますよね。理由は様々教えがあるでしょうが、一つには自由度の低さがあります。絡められた際に身体ごと崩されやすいのですね。

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一方、両手をくっつけて握る方法の圧倒的なメリットとして「再現性」が挙げられます。かつて日本で行われていた死体を用いた試し切りにおいて、記録を見ると柄の握り方が両手を付けるものとなっています。試験ですから公平を期すという意味で「正しい」運用と言えますね(画像はwikipediaより) pic.twitter.com/FZQgS0iChH

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んで、そうではなく、右手と左手を離して柄を握り真っすぐに振るにはどうすればよいか？となれば、①の方法に則るしかないんですよね。まずはゆっくり振る。そこから始まるわけです。

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そして、腕を円錐（さっき三角錐って書いたのは間違いです）を描くように振るとなれば、それは意図的に出来るのだろうか？ということを考えなければいけません。パントマイムの天才でない限りは難しいですよね。私も無理です。

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実際的には、①と③を組み合わせて②を真っ直ぐに出来るよう訓練する他ないのですね。結論としては、腕を「刀と肩を繋いでいる紐」となるようにしなければいけない、となります。これが巷で言われる「腕で刀を振らない」という話の本質なのです