内生的貨幣供給論における擬似的な「セイの法則」としてのMCT(Monetary Circuit Theory)

某所で話題になったので
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

以前、「CT(貨幣循環理論)からMMT(現代金融理論)へ」 ameblo.jp/nakedcds/entry… において、CT(Circuit Theory、Monetary Circuit Theory、Theory of Monetary Circuit)は政府支出が常にインフレ的であるとする議論であり、MMTはCTを批判的に包摂した、という経緯を紹介したことがある。

2019-11-26 12:37:24
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

このことは、言い換えれば、「Circuit Theoryは、内生的貨幣供給論における”セイの法則”」と表現することが出来る。 Circuit Theoryでは、民間主体は、生産可能分の借入を行い、その分の内生的貨幣が経済に供給される。 このため、生産追加分の貨幣が不足する、というようなことは原理的には起きない。

2019-11-26 12:41:24
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

よく井上智洋氏が言及する成長通貨(Growth Money)の文脈で、「経済全体の生産が増える分だけ貨幣供給を増やさなくてはいけない」という主張がなされることがあるが、これは内生的貨幣供給論の観点からは、必ずしも正しいとは言えない。というのは、CTでは生産分の貨幣は事前に創造されるからである。

2019-11-26 12:43:07
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

プレーンなCircuit Theoryでは、生産増加の分の貨幣は、企業の借入支出によって事前供給される寸法になっているので、MMTが支出追加を提唱する際、それは「経済全体の生産が増える分だけ貨幣供給を増やさなくてはいけないから」というような、ある種『外生』的な論理に基づくものではない。

2019-11-26 12:46:02
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そうではなく、MMTは、プレーンなCTにやや修正を加えて、「内生的貨幣供給論における”セイの法則”」の『破れ』を論じようとする。 例えば、債務にヒエラルキーのある金融経済では、取引規模の拡大に伴って比例的に最高位負債(=政府通貨)の需要は高まるだろうとか、

2019-11-26 12:48:05
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

CTにおいて、ある民間主体が貯蓄を増やそうとするときは他の民間主体の借入支出が増加せざるを得ないため、(民間貯蓄需要を考慮に入れた場合)民間部門全体が『均衡』するのは、民間貯蓄需要=民間借入となる特殊ケースに限られる。ギャップがある場合、埋め合わせるのは政府などの他部門となる。

2019-11-26 12:51:47
佐藤一光 @kazzuaki

@motidukinoyoru ギャップがあるというのはCTの破れ(現実を説明できない)ということですよね。民間貯蓄需要が存在するというのは内生的貨幣供給論からすると違和感がありますがどうなんでしょう。 MMCの元では債務ヒエラルキーの下位の貨幣=負債均衡は安定性故の不安定の源泉となるから、と理解しておりましたが。

2019-11-26 13:20:31
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@kazzuaki Circuit Theoryの中でも、民間の貯蓄は想定されますよ。 それは、民間企業の生産投資のうち、まだ財として生産・販売していない分(在庫含む)と一致する(というより、一致しなければならない)ということになります。 (尤も、実物資産を形成しないタイプの銀行融資もありますが……。)

2019-11-26 18:41:16
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@kazzuaki そして、(マルクス経済学的な話ですが)近現代的工業社会では収穫逓増と寡占傾向によって、庶民層の所得が抑制される傾向がありますから、これによって、民間経済は「①民間投融資不足による潜在貯蓄過剰→長期停滞に陥る」か「②所得不相応の借入に基づくバブル経済に突入する」の2択を迫られる。

2019-11-26 18:45:00
windsurfcafe @windsurfcafe

@motidukinoyoru @kazzuaki ②がアメリカ、①が日本でしょうか。

2019-11-26 18:52:16
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@windsurfcafe @kazzuaki 全ての先進諸国は、近現代史を通じて大なり小なり①→②→①→②→①…… を繰り返しています。 当然、現在も例外ではなく。

2019-11-26 19:20:33
佐藤一光 @kazzuaki

@motidukinoyoru ご教示頂きありがとうございます。サーキット理論はパスしてきてしまったので、上記の2つのツイートを理解することが出来ませんでした。もう少し勉強してから出直します。

2019-11-26 19:40:49
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@kazzuaki 拙note『Modern Monetary Theory』の信用貨幣論・内生的貨幣供給論の項目 note.com/motidukinoyoru… をご参照ください。

2019-11-26 20:19:57
佐藤一光 @kazzuaki

@motidukinoyoru ありがとうございます。what is moneyは読んでいないのですがMCTの議論はこういうものなんですかね。貨幣と資本の両方が計上されていて、労働がモデルにないものだから純資産が生まれたように見えますが、貨幣論的には資本は貨幣ではないし、価値論的には労働力を計上しないとアンバランスでは?

2019-11-26 22:12:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@kazzuaki 「労働がモデルにないから純資産が生まれる」 というのがちょっと分からないです。 実物資本蓄積と、それに並行する労働所得の貯蓄は、いずれも資本形成に対する労働投入の結果かと思いますが。

2019-11-27 07:09:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@kazzuaki わかってくださっていると思いますが、こうした資本形成(と並行する貯蓄形成)は、貨幣性生産サイクルの中で一過的に発生するもので、1サイクル終了時は確かに貯蓄形成はありません。 裏を返せば、民間相互取引の中では、貯蓄形成が出来るかどうかは中途のサイクルがどれだけ存在するかに依存する。

2019-11-27 07:13:53
パルテノン @knight_04

なんかイマイチな議論に見えた。内部留保ってその期の利益を配当せずにどれだけ会社に残したか、という情報でしかないので、そんな数字に大した意味はない。そこからどれだけ設備投資したかが最重要。内部留保>設備投資だと金融資産として滞留する。これが需要不足およびデフレを招く。

2020-02-07 11:42:07
パルテノン @knight_04

企業は本来、内部留保<設備投資で足りない分を借り入れで賄う存在でなければならない。でないと家計か政府、あるいは両方が借入主体にならざるを得ない。

2020-02-07 11:42:08
パルテノン @knight_04

借金をして設備投資することが信用創造のキモなんだと思うがあまり言及されてない気がする。

2020-02-07 14:27:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

Circuit Theory of Money(Monetary Circuit Theory、あるいはCredit Theory of Money)は明示的にそういう議論をしていますね。 プレーンなCTの議論だと、「生産のための貨幣が足りない、ということはあり得ない(必要な分の貨幣が信用創造されるため)」という結論が得られたりする。 twitter.com/knight_04/stat…

2020-02-07 14:37:09
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

内生的貨幣供給論における擬似的な「セイの法則」としてのMCT(Monetary Circuit Theory) togetter.com/li/1435422 で論じたように、プリミティブなMCT理論では、生産追加分の貨幣創造が内生的に生じるので、例えば井上先生がよくなされる成長通貨の議論が基本的に成立しないことになってしまう。

2020-02-07 14:39:13
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

これに対して、民間の”潜在”貯蓄超過や、不安定性に基づく安全資産選好を元に、単純なCTの推論の「破れ」を論じるのが、国家部門を含んだCTや、MMTの議論ということになるわけです。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-02-07 14:41:57
パルテノン @knight_04

@motidukinoyoru 将来の利益を今実現するために借金して投資するわけだけど、それが100%成功するわけじゃない(将来の生産を増やさない)かもしれない点はどれくらい考慮されてるんでしょうか?

2020-02-07 14:43:38
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@knight_04 信用創造された貨幣で購入出来るのは、貨幣性生産の過程で生産された商品だけですので、例えば想定された財生産よりも少なかった、となれば、その分のインフレ(?)になりますし、丸っ切り生産できなかった(ジンバブエやベネズエラみたいに生産体制自体が壊滅した)ならハイパーインフレになるかと。

2020-02-07 14:47:10
パルテノン @knight_04

@motidukinoyoru あんま間抜けなところに投資するとインフレになるってことですね。まぁ確かに当たり前の話ですねw

2020-02-07 15:03:45

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