悪役令嬢モノという観点から屈指の名作「小公女セーラ」を振り返る

さすが作家さんというか、SOWさんの語りが本当にうまくて引き込まれます
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SOW@ @sow_LIBRA11

まぁ昨今、男性向けには異世界無敵チートハーレムが大人気ですが、女性陣には「悪役令嬢」モノが人気だとか・・・まぁでも、その土壌はあったんでしょうな。 その昔「小公女セーラ」って作品がありましてね。 日曜夜七時半の、ハウス名作劇場の中でも、屈指の名作です。 pic.twitter.com/O4UIYojYjP

2019-11-27 06:42:16
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主人公セーラは大金持ちのお嬢様だったのですが、ある日父親が死に、財産を失い路頭に迷う。今までお嬢様故にちやほやされていた寄宿舎の学園に、下働きとして働くことになり、手のひらを返して厳しく当たる人々の中で、それでも懸命に生きてくわけです。 pic.twitter.com/v9zAxdVs4k

2019-11-27 06:44:35
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昔のアニメですからね、放送期間一年です。およそ四分の三が「セーラが虐げられる」話です。もう今なら色んな意味で難しい。ミンチン女史といえば、ロッテンマイヤーさんにならぶ「嫌味な名作キャラ」の代名詞となりました。 pic.twitter.com/6KmjbliZBI

2019-11-27 06:46:15
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そんな中でもセーラは心の清廉さと誇り、慈悲の心を失わず、最後の最後で、実は財産保護されていて、父親の友人が助けに現れ一発逆転します。今まで虐げていた全員が「復讐される!?」とビビりますが、彼女は彼らの愚かさを許します。ちなみにセーラ役はナウシカの島本須美さんです。気品が違う。 pic.twitter.com/3STmmLUNbd

2019-11-27 06:48:34
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ちなみに「小公女セーラ」、海外でも放送されていたのですが、フランスでの人気が高かったそうです。なぜかっちゅうと、セーラは「フランス人の母とイギリス人の父」の人で、劇中に出てくる虐げる人たちはみんな英国人なので、やはりひいきがおこったそうですなw pic.twitter.com/UDpZvXvJfC

2019-11-27 06:51:40
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まぁそんな小公女セーラなのですが、その中でラビニアというお嬢様キャラが出てきます。彼女はアメリカの石油王の娘。当時の英国社交界的には「成り上がりの者の小娘」です。彼女は特にセーラにライバル心をいだき、いじめの主犯となります。 pic.twitter.com/YXxzHGI5u8

2019-11-27 06:53:06
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彼女のいじめは大変陰湿であり、ミンチン女史以上の視聴者ヘイトを稼ぎました。しかし彼女は、終盤セーラが再びお嬢様として返り咲いた後も、その姿勢を変えません。周りがヘコヘコして、許しを請う中、それでも最後までセーラに屈することを拒絶します。 pic.twitter.com/00mEIe7kSQ

2019-11-27 06:56:16
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「セーラが金持ちであろうがなかろうが、私は嫌いだ」 というスタンスを最後まで崩さなかったラビニアは、在る意味でセーラへの態度を一貫させた人物とも言えます。結果として彼女は、セーラと奇妙な友情に近い関係を構築させ、エンディングを迎えますpic.twitter.com/ZIXvZIOCnk

2019-11-27 07:02:21
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ラビニアはセーラとの別れの時「あなたがダイヤモンドクィーン(セーラの家は宝石商)、になったときには、私は大統領夫人になっているわ」と言い残します。最後まで彼女は、「セーラのライバル」を宣言したわけです。

2019-11-27 07:06:51
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このラビニアを演じられたのは、「赤毛のアン」の主人公アン役でもある山本栄子さんです。昨今だと「ドラゴンボール」のマイの方ですな。放送当時は、カミソリレターが送られるほどで、かなりのプレッシャーの中での一年だったそうです。 pic.twitter.com/cvoXDhSFsE

2019-11-27 07:09:16
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ただこのラビニア、放送当時は嫌われキャラだったのですが、時がたつにつれ、かつての視聴者が大人になるに連れ、彼女へのシンパシーを感じる者が増え「思い出のキャラ」として名が挙がるようになりましたpic.twitter.com/3tLKZoSRXG

2019-11-27 07:13:31
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セーラは確かに、清廉な心を持った素晴らしい少女です。貧しさの中でも優しさを失わず、自分も空腹なのに、お腹をすかせた人に、やっと手に入れたパンを分け与える慈悲の心を持っています。 pic.twitter.com/Q9A8hYN7wi

2019-11-27 07:15:24
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SOW@ @sow_LIBRA11

でも人間、そんなキレイに生きることは出来ません。そんな清らかさを貫ける人は、そうはいません。セーラの尊さを知るだけに、大人になるにつれ、自分がどんどん穢れた嫌な存在になっているかのような、一種の罪悪感をいだき始めてしまいます。

2019-11-27 07:16:44
SOW@ @sow_LIBRA11

そんな人々に、在る意味救いを与えたのがラビニアだったのです。「聖女を貫くだけが生き方ではない」「人間として、汚さや愚かしさもあるが、それでも輝きを放てる者もいる」というアンサーキャラとなったのです。 pic.twitter.com/DXdpPlfUCv

2019-11-27 07:18:33
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SOW@ @sow_LIBRA11

セーラという善性の塊の存在とことなる、あえて「悪」を背負い、だが「自分を貫く」という生き方を魅せたラビニアの生き方に、価値が生まれたとも言えましょう。もしかして、昨今の「悪役令嬢モノ」ブームとは、これに近いものなのかもしれませんな

2019-11-27 07:20:12
SOW@ @sow_LIBRA11

優等生で品行方正な、セーラばりの無理ゲーな人生を「当たり前」として要求される現代社会、そこから外れた者を失格者と烙印を押されかねない今だからこそ、あえて「悪」を名乗りながらも、自分の生き方を自分で選ぶ者を、ヒロインではなく、ヒーローとして求めた、そんな背景があるのかもしれませんpic.twitter.com/hbZ9niVNF8

2019-11-27 07:22:35
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SOW@ @sow_LIBRA11

まぁそれはそれとして、「小公女セーラ」のベスト回は、「雨の中じゃがいもを落とし難儀するセーラを助ける衛兵」の回ですね。 pic.twitter.com/LHgbPHFNEi

2019-11-27 07:25:09
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SOW@ @sow_LIBRA11

英国の宮殿などを警備しているあの衛兵、勝手に動いたらそれだけでクビなんです。許可されているのは「パトロール」と宣誓しての、十歩だけ。それを知ってから、あの衛兵がどんな思いで彼女に救いの手を差し伸べたか、改めて理解し、「これがブリティッシュジェントルメンか・・・」と思ったものです。 pic.twitter.com/3ZzpPMspGu

2019-11-27 07:28:09
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SOW@ @sow_LIBRA11

@zappago アイツ、日本アニメ史に残る、十大インド人イケメンですよ。

2019-11-27 07:28:53
SOW@ @sow_LIBRA11

@mushi_mushi_ex 今までずっと姉に逆らえなかった中で、ついにブチギレて「あたしらもうおしまいよ!!!」ってやつですなw

2019-11-27 07:29:31
SOW@ @sow_LIBRA11

@hirofujiponpon ミンチン女史もまた、悲しき人だったという流れなんですよね。だからこそセーラは最後に意趣返しをするどころか、寄付をしたんですよ。

2019-11-27 07:30:25
SOW@ @sow_LIBRA11

@tenkararyu それですね、ネタのつもりかもしれませんが、すごくいい着眼点です! 「自由」の概念の変遷を表した点の一つです。 pic.twitter.com/q3vnYU4T6l

2019-11-27 10:40:41
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表紙のバリエーションがめっちゃ面白い

小公女セーラ (10歳までに読みたい世界名作)

フランシス・ホジソン バーネット