観劇報告書2019 (11月-Ⅴ)

収録団体は、はねるつみきです。
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【町じゅうのごみ捨て場にパンダ】
【作品紹介】
ある朝、とある町のごみ捨て場にパンダが捨てられていたんです。いやヌイグルミのじゃなくて生パンダが。それも1つの集積所に一体ずつ。
最初はみんなカワイイだの珍しいだのとか言ってマスメディアも含めてこぞって話題に昇り、市もまた予算を組んで一括で面倒見たりと結構好感持って迎えられてたんです。中には興味本位で個人で飼い出す者なんかもいたりして。
ところがそのうちにパンダの食糧費が莫大にかかることから市の財政が圧迫しだし、そのうち飽きられてなのか飼いきれなくなったからなのかペットみたく捨てられたりといろいろと弊害が起こる様になるのです。そして終いにはその捨てられた野良パンダあたりの死骸から新種の流行病(パンダインフルエンザ=パンダフルエンザw)まで起こってしまい人がちょいちょい死ぬようにまでなってしまい、市にはそれとほぼ並行してパンダの死骸だらけになるという、つまり誰がそんなこと予想したであろうという結構破滅的なお話です。

【登場人物】
★なひこ(演:平松聖)…ホー厶レス中学生。ごみ捨て場を根城としている。家族はいない模様。性格が悪いのか事あることに口汚く相手を罵るので教師の金子からは目を付けられている。なお劇中強調されていたのはザーメンという台詞…ではなく一人になっても護りたいもの
★拓斗(演:瓦谷龍之)…兄の稜とその婚約者である、にゃと共に団地に住まう中学生。唯一の肉親であろう兄が自分から離れていくのを怖がっていた節がある為か、にゃのことを毛嫌いしている。後に兄が病で倒れた直後に、にゃを家族として受け入れる。なお劇中で強調されてたものは家族と一人ぼっち
★孝成(演:安藤悠馬)…3人の中では気弱な性格からかパシリ役に近かった人。パンダの件ではドッグフードをたびたび買いにやらされている。後に権田に金を借りるほど金銭的に行き詰まったことと、なひこの余りの強引さに辟易したことから彼女の元を離れ以前より相思相愛にあった権田と改めて結ばれる。なお劇中で強調されてたのは過去との決別

★委員長(権田)(演:小玉可南子)…委員長らしいが劇中では余りそこは描かれずむしろ大人の前では良い子にしてる優等生のイメージだった人物。時おり教師のサワラダに相談と称して何やら吹き込んでいるのだがそれは単にいつも一緒だった孝成をなひこ達から取り返したかっただけという寂しさの裏返しという側面もあった。そういう意味では次第に遠ざかる兄に一抹の寂しさを感じてた拓斗と状況は同じかもしれない。なお劇中強調されてたのは他人の忠告という行為そのものと新たなる道しるべ
★稜(演:北原州真)…拓斗の実兄。ゴミ清掃員で回収中に偶然捨てられたパンダを見つけて驚いてた人。拓斗が婚約者のにゃと馴染まず反抗的な態度を取ることに頭を悩ませる。終盤では新種の病気で高熱を発し意識不明に陥る。なお劇中強調されてたのは人それぞれにとってのゴミ
★にゃ(演:遠山ひかり)…稜の婚約者であり拓斗の義理の姉。拓斗の反抗的な態度にも毅然とした態度で接するがそれが返って拓斗との溝を深くしてしまうことになる。なお皮肉にもその溝が埋まるきっかけは稜が倒れたことによるものだった。劇中強調されてたのは人それぞれのタカラモノ

★サワラダ(演:田中心太)…なひこ達の学校に赴任してきた熱血教育実習生。最初は、なひことも対話を通じて態度を改めさせようとするが、終盤には心が折れることになる。最後はカレーによる毒殺で幕引きを図ろうとするも良心の呵責に耐えきれず自分がそれを食して非業の死を遂げる。なお劇中強調されてたのは初心
★金子(演:木村美月)…なひこ達の若い担任。大人の理論で動く人物の様で公序良俗に反することが許せない人。なひこの毒殺未遂の前にも3人くらいこれが理由で葬り去っている。最後はサワラダの一件で免職になりホームレスとなってしまった為に浅ましく残飯漁りをすることになるが、皮肉にも邪険にしてたなひこにパンを恵まれる。劇中強調されていたのは歪んだ正義
★パンダ(演:脇本加奈子)…ごみ捨て場に捨てられてたパンダ。元は人間らしく自殺して転生したらパンダになってたらしい。主に物を食べての心の声の場面が多いがパンダになったら人間時代以上に何も出来ない自分の境遇に嘆いていた感じのキャラ。劇中強調されていたのは環境変えてもやっぱり変わらない無力な自分
(♧敬称と団体名は略してあります)

さぁwikipediaみたくご紹介してみました。だいたいこんな感じで。無論本人の主観なのでそりゃあ間違いの4つや5つはザラにありますけどね(←おい)

この団体の作品観るのは3回目くらいか?しばらくぶりですが相変わらずだなぁと笑。ちなみに直訳すると、親に可愛がられて食わしてもらえるうちは華だが、いざその元を離れてみると、自分では思ったより何もできずのたれ死ぬだけってなるんですけどね…うん、まぁ確かに親ってのは偉大なんだけど、いつまでも生きててくれる訳ではないからねぇ…。

さて今回の登場人物の印象ってのはどっちか言うと作者本人のほぼ分身もしくはその周囲の人たちなんじゃ?って感じがしますね。と言ってもワタクシ御本人のことは全くと言って良いほど存じ上げないので(話したことすらたぶんない)なのであくまでここだけの話…想像ということでご了承下さいな。(もっとも作者から抗議が来たら死んだふりしときますが)

まず、なひこは思い込みが激しく人に物事を上手く伝えられず苛立つという点で生き方が不器用な作者自身を、拓斗は無二の旧友だった人物、もしくはなんにでも突っかかる反抗期だった時分から歳を重ねて物事をそれなりに理解出来る様になった作者とも取れました。ちなみに孝成は別の道を歩んだ作者の元を去ったかつての友人あたりと取れました。最終的にその夢とやらを諦め彼なりの妥協点を周りの助言の元歩んだ人なのかもしれません。。実際委員長に諭されてるし。にしてもパンダってドックフード食べるんだ…笑。

委員長(権田)はどこまでも理論武装して相手に投げかける現実主義なタイプなのでなひこ=たぶん作者とは対局の位置にいた様に思います。なので目の前にある現実そのものって印象です。…にしても彼女の一節だけだったと思うが方言に思わず萌えてしまった笑。
稜は作者の父親あたりですかね、設定上では兄ですが。離れていてもいつも心配している的な。拓斗との会話の場面で内容が差し障りないものに始まり微妙な距離というかズレみたいが出来てしまうってのがそれっぽいです。
にゃは、なので母親あたりですかね、これはワタクシもそうなのですが昔は最も反抗した相手でもあるのですが、歳を取っても相変わらず話を聞いてもらう最大の理解者ってとこがそれっぽいです。あと最後稜が意識不明となってしまいそれを見捨てようとする拓斗を制するところなんかは母であり、また妻というか…拓斗を子供と置き換えるとそんな気はしますねぇ。

サワラダと金子は一括りで言うと教育の理想と現実をほぼ対局させた様な人物ですね。それは同時に実社会における建前と本音を現したかの様でもあるのですが。特に金子に至っては生徒を毒入りカレーなぞで次々と殺害してしまうあたり言ってることとやってることが全く違う教師…しかもほぼ感覚が麻痺かましてるというあたり子供の作者あたりの目から見た大人への不信感や嫌悪感みたいのを感じましたね。それにしても毒入りカレー事件って昔ホントにあったよなぁ。

パンダは台詞意外ってあんま出てこないんですが、作者について結構重要なこと言ってる気がするんです。それは劇中設定で線路に飛び込んで(列車に飛び乗って)パンダに転生して上から降ってきたは良いが(はねるつみきが東京に来て一応は夢を叶えた)それこそパンダみたく何も出来ない悲哀?(劇団として余り芽が出ない悲哀)みたいのを現してる象徴の様に感じたからですね。でその上で死んで腐るのも生き延びるのも自分次第って感じがしたのですね。グラサンのパンダかぁ…。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⁽⁽◝( •௰• )◜⁾⁾】 【町じゅうのごみ捨て場にパンダ】(はねるつみき) 文字通り町じゅうのごみ捨て場にパンダが捨てられてた話なんですよ。内容的には結構ストレートでわかりやすいしゴミの話なので暗いばっかかと思いきや案外そうでもなかったなぁと。#はねるつみき pic.twitter.com/Va8AzFFeT5

2019-11-29 21:50:34
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MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⁽⁽◝( •௰• )◜⁾⁾】 【町じゅうのごみ捨て場にパンダ】(はねるつみき) 個人的に思ったのは、キャラの見方が前半と後半で大きく変わったこと。前半では「コイツゴミだなぁ」と思ってたヤツが案外そうでも無かったり、マトモだと思ってたヤツがもろボロボロだったり→#はねるつみき pic.twitter.com/dO2BYB5KSN

2019-11-29 21:50:41
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これは、なひこと金子の関係を主に言ってますね。

MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⁽⁽◝( •௰• )◜⁾⁾】 【町じゅうのごみ捨て場にパンダ】(はねるつみき) →なんてなんて笑。 そんなことをアレコレ考えてたら案外その時はいらないと思って捨ててしまっても後になったら必要になってやたら後悔することってあるよなぁーなんて思わず→ #はねるつみき pic.twitter.com/VwOnQzJSHp

2019-11-29 21:55:35
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MO-RI-Y /正体不明なお客様 @0227MORIY

【観てきました!⁽⁽◝( •௰• )◜⁾⁾】 【町じゅうのごみ捨て場にパンダ】(はねるつみき) →考え込んでしまう自分がそこにはいました。 あー有意義な休日だったなぁ。働き方改革も悪いことばっかじゃないなぁ笑。 #はねるつみき pic.twitter.com/0v9h4GQH49

2019-11-29 21:57:55
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直接的には言ってないのですが、これは仕事で多いですね、この分野ではゴミだけど他の分野をやらせたらトップクラスだったってケース。適材適所って言うんですかね?
あとは少し話が脱線しますが仕事の上では能力的にも人間性もゴミなんだけど家に帰れば良き父や母、兄弟姉妹かもしれないのでその人のことを仕事という一面だけでゴミと断じて良いのか?ってのはありますよね。ただそーゆー人の仕事や指示はとかくこっちが迷惑し被害を被ることが多いのもこれまた事実。ちなみに全部がゴミな場合は毒殺どころか溶鉱炉にでも突き落としてやりたくもなるのですが、そういう人に限ってしぶとくてなかなか死なないですw。ターミネーターみたいに笑。