フィギュア野外撮影者がポケモンの指人形を連れて、古地形と神隠しの森に畏怖した千葉・市川旅行記
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ポケモンキッズを用いたフィギュア野外撮影を、1都市1キャラのポケモンを分布させるべく、ロケ都市数にして380箇所。それらを旅行記という形Twitterに連載し始めたところ、改めて旅先のことを調べ直してみるまで知らないままであったことに出会えることがまた愉しいなど、堅い言葉遣いしかできない私にとって、旅行記という形態が元からあるべき姿だったのではないかと思われるほどに。
Twitterへの投稿は紀行番組の本放送、トゥギャッターまとめは紀行番組の書籍版という、異なる趣旨を持たせることができた。その流れで、当企画を「不定期放送の教養番組『ポケモンキッズと巡る旅行記』シリーズ」と銘打ってみた。
はい、次の旅先はこちらです。 今回の旅のお供はエモンガ。 うっそうとした藪ですが、こちらはどこでしょうか? pic.twitter.com/H5jw60h765
2019-11-29 19:22:00ということで、不定期放送の教養番組『ポケモンキッズと巡る旅行記』シリーズ第22章、千葉・市川の投稿を始めましょう。 今回の旅のお供はエモンガです。 果たしてどんな出会いが待っているのでしょうか? pic.twitter.com/ExKSiB60sM
2019-11-29 19:23:08ということで次ツイートからは、いつもように #エモンガ の #ポケモンキッズ を連れて写した写真を貼りつつ、来歴について話したり、写真の構図自体について話したりしていきましょう。 前回までガッツリした旅行記が続いたので、今回はあっさりで。ただし、それは分量の意味で。下調べはしっかりと。 pic.twitter.com/dpIfLvUbFw
2019-11-29 19:25:59「本八幡」はあくまで駅名であって、地名としては単に「八幡」の方が適切でしょうか?
#エモンガ の #ポケモンキッズ をお供にまず訪れたのはこちら、葛飾八幡宮です。本八幡駅から徒歩すぐ。 というより、駅名から察するとおり、この葛飾八幡宮がもととなって、その門前町が本八幡という地名になったわけなんですが。 pic.twitter.com/WI6yxOfMoP
2019-11-29 19:29:59葛飾八幡宮へ至るには長い参道を通ります。 境内へ至る「二の鳥居」から先がこちら。これから境内へ入っていくのだという聖地然とした雰囲気がありますね。 では「一の鳥居」は? 京成線より南、参道が普通の道路となり、古くからある千葉街道との交差点にあります。 pic.twitter.com/ogOKZoYGDg
2019-11-29 19:33:52ここで、市川市にある葛飾八幡宮の「葛飾」に違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。 現代では東京都葛飾区を指すことが多い葛飾という地名ですが、元々は茨城県古河市から千葉県船橋市に至る細長い地域を指しました。 葛+方角名で千葉県東葛・葛南や、東京都江戸川区葛西にも残っていますね。 pic.twitter.com/HI0ianIdcF
2019-11-29 19:37:30そうこうしているうちに、葛飾八幡宮の門を背景に #エモンガ の #ポケモンキッズ を撮る。 これ、敢えて手前のエモンガにピントを合わせたものなんですよ。 それにしても、城の門に慣れすぎたせいか、あんなに隙間だらけで大丈夫か?と思ってしまう自分がいる(汗) pic.twitter.com/bPYLiKoBii
2019-11-29 19:41:31さて、千葉県市川市本八幡になぜ八幡宮が? 市川市の近隣の地名を見ると、北に「国分」北西に「国府台」が。 もろに古代の「国分寺」「国府」ではないかと推測できますね。 そう、この市川市のあたりが平安時代には下総国の中心地だったんです。 pic.twitter.com/vdgBoQSwA1
2019-11-29 19:44:37「国分寺」とは奈良時代に聖武天皇によってはじめられた(旧国名での)各国ごとに中心となる寺を建てようとしたもの。 「国府」は奈良~平安時代の、いわば県庁所在地のようなもの。 そして、国衙(国府のあるエリア)を守るために創建されたものを「国府八幡宮」といいます。 葛飾八幡宮はそのひとつ。 pic.twitter.com/souMx5meBh
2019-11-29 19:50:00古代の千葉県市川市は、現在の総武線あたりが海岸線だったんです。 そして小高い浜の内側には「真間の入江」という沼地。 沼の向こうに二か所の台地があって、それぞれに国府・国分寺を建てた、と。 現在の総武線に沿って細長い砂浜があって、そこにこの葛飾八幡宮が建っていたのでしょう。 pic.twitter.com/5ZIN8bwXPH
2019-11-29 19:57:12古代の千葉県市川市の地形のイメージ図を探してもうまく見つからなかったので、私が自分で作ってきました。 海面が現在より高かった頃に、先程お話しした、下総の「国府」「国分寺」や、葛飾八幡宮が建てられた場所がなぜその場所だったのかが、当時の地形を見ればわかってきそうですね。 pic.twitter.com/vsZEHTWu6e
2019-12-03 19:34:50葛飾八幡宮で最後の写真はこちら。 エモンガのポケモンキッズ越しに、梵鐘です。 梵鐘って寺のものでは? と、寺と神社はかつて一緒だった「神仏習合」です。 鎌倉時代の鋳造のものが、江戸時代、寛政年間に発掘されたものという、古い歴史から考えればまだ最近の出来事ですね。 pic.twitter.com/MIkBZ3SYVV
2019-11-29 20:00:54さて、 #エモンガ の #ポケモンキッズ を連れて葛飾八幡宮を後にしたら、千葉街道を挟んだ反対側にある、「八幡の藪知らず」という一角にやってきました。 藪のエリアが凹んだ部分にお社がありますが、ここは一応、先程の葛飾八幡宮の境外地扱いとなっています。 pic.twitter.com/iKi9dKbjMp
2019-12-03 19:38:14八幡の藪知らず。ここは一度入ると二度と出てくることのできない、神隠しの森とされています。 現在ではその面積は通常のアパート一棟ほどですが、こうして見通そうとしても、反対側が見えません。 現在でも神隠しにあってもおかしくない、そんな雰囲気が漂っていました。 pic.twitter.com/lJSkErobni
2019-12-03 19:40:51禁足地「八幡の藪知らず」の、お社があって入れる一角にある「不知八幡森」と書かれた石碑。 こちらは安政年間に江戸の人により建てられたもの。 私が市川へ連れて行ったお供はエモンガだったんですが、この雰囲気なら、ゴーストタイプの方が合ったかなあ…(ボソッ) pic.twitter.com/vw7IeR3IF5
2019-12-03 19:44:34今回の旅行記は量的にあっさりですが、市川の写真はこれで最後。 エモンガ越しに八幡の藪知らずの鬱蒼とした竹藪。 東京に隣接し現代的な都市の風景が続く市川ですが、一歩道をずらすだけで、古い歴史の積み重ねがある。そんな中で、現代でも神隠しに遭いかねない畏怖心さえ感じました。 pic.twitter.com/q76r5A2Qiw
2019-12-03 19:48:28前作
第21章:ゾロアーク/フランス・ヴェルサイユ
次作
第23章:カブトプス/山梨・甲府