幾何学模様のプラレールや立体折り紙について、数学的に研究して実際に作った筑波大教授のすごい作品の数々を見てほしい

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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

軸対称の造形の場合、断面が対称軸を横切る個所で「絞り(しぼり)」ができます。こちらの作品は、3か所に絞りがあります。作るのが難しく、それまでの作品にはあまりみられない特徴の1つです。 左は2009年に、右は2013年に作ったものです。 研究を通して、私自身の「折る技術」も向上しました(笑 pic.twitter.com/OgnbWU2iWE

2019-12-03 12:10:06
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

この当時の作品は、長方形の紙で立体の外側をぐるりと包む、そして余分な領域は外側に襞として折りだす。 という発想で設計されています。 下の作品も同じ理論で作られましたが、敢えて中の立体が想像しにくいものを試してみました。 画面で完成形を確認できることで、試行錯誤が容易になりました。 pic.twitter.com/Byukr56Alr

2019-12-03 12:21:39
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

一見しただけではわからないと思いますが、結局これらはすべて同じ原理で設計されています。 4つ目の写真は、3つ目の形を長くしてグニャンと丸めただけです(適当な説明ですみません)。 pic.twitter.com/6X3qyXKLhW

2019-12-03 15:54:42
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展示用に大きなものを作りましょう。 となったときに、紙のサイズの制約があったので、複数のパーツに分けて組み上げる。ということも行いました。 pic.twitter.com/Lpuv33r1ai

2019-12-03 15:58:58
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

立体の外側に折り出す襞の形は平らじゃなくてもいいよね。 ということで、立体的な構造を外に折り出すことで、このような形も作れるようになりました。 2009年~2010年の作品例です。 pic.twitter.com/IXIbfmAgM1

2019-12-03 16:09:32
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

立体を紙で包むときに、長方形の紙で側面を覆うのではなくて、正多角形の紙で上から被せるようにして覆うアプローチも考えられます。 (チュッパチャップスの包装紙みたいな感じです) そんな発想で、こちらの形が作り出されました。1つ目は球体、2つ目は玉子の形を包んでいます。 pic.twitter.com/1AGmq4sDgX

2019-12-03 16:39:16
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違う素材で作ったらどうだろうか。 ということで、企業様からご提供いただいた金網で作ってみたのがこちらです。 光が透けて綺麗です。 pic.twitter.com/1CSWDBFDMX

2019-12-03 18:13:37
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他にも、パステルカラーのかわいらしい紙に模様を切り抜いて、こんな可愛いギフトボックスを作ってみたりしました。2010年のころです。 pic.twitter.com/DtHl82Hxps

2019-12-04 00:51:03
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

「立体の表面の外側に折り出す襞は、立体的な突起でもいいよね。」 と 「上から紙を被せるようにして立体を覆いましょう。」 を組み合わせると、こんな作品ができます。 2009年の設計 pic.twitter.com/oxO0HUbOy3

2019-12-04 08:57:46
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

先ほどの形を少し改良して、今でもお気に入りの「ホイップクリーム」の形ができました。 (桃とか擬宝珠とか、見る人によって印象が違うみたいですが) 写真は、書籍「立体折り紙アート」発売時に、書店さんに配るためにたくさん作ったもの。なかなか大変でした。 pic.twitter.com/TjZDe1EVdn

2019-12-04 09:01:51
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三谷 純 Jun MITANI @jmitani

このような私の折り紙デザインに、いち早く注目し連絡くださったのが ISSEY MIYAKE です。折り紙のコンセプトを取り入れた新しいシリーズ (のちの 132.5 シリーズ)の立ち上げに関わらせていただくことができました。 最初の連絡が2009年12月。そのアンテナの感度と行動の速さに改めて驚かされます。

2019-12-04 12:23:17
三谷 純 Jun MITANI @jmitani

これまでに紹介した作品は、新宿伊勢丹の正面玄関の先に展示していただく機会を得ました(2010年)。好評をいただいたようで、当初予定されていたよりも、ずいぶん長い期間展示していただきました。 pic.twitter.com/QatAeM5DHh

2019-12-04 12:30:03
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(15) 展開図が正三角形・正四角形・正六角形のいずれかに収まる場合、それらをうまく連結して敷き詰めることができます。そうすると複数の立体が連結した状態を1枚の紙で作り出せます。Origami Tessellationと呼ばれるタイリングパターンを作る分野に立体構造を持ち込むことができるようになりました。 pic.twitter.com/BshVDTIMow

2019-12-04 19:17:07
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(16) Origami Tessellationでは紙をねじるようにして折る「ねじり折り」が使われることが多いです。 それを立体に、しかも曲面を持つようにすることも可能になりました。 ただし、実際に作るには技量を要するという欠点があります。写真の例は単純な構造ですが、綺麗に仕上げるのはとても難しいです。 pic.twitter.com/MELefGPurc

2019-12-04 21:44:48
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(17) お気に入りの「ホイップクリーム」の作品は正六角形に収まるので、展開図を複数並べて連結できます。 そうしてできたのが、こちらの作品です(2010年)。 もちろん1枚の紙を折って作っています。 理論上はいくつでもつなげられますが、全体を同時に折らないといけないので3つでも大変です。 pic.twitter.com/tVPH4QyL8a

2019-12-04 23:12:55
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(18) この当時に作った作品の多くが、その後2016年公開の映画『デスノート Light up the NEW world』に登場しました。 映画公開に際して作られたスピンオフ動画の中でも、幼少期の紫苑が折り紙に囲まれているシーンが登場します。 pic.twitter.com/EX7zjqbiC3

2019-12-05 10:34:02
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(19) Origami Tessellation は多角形のタイリングの問題と密接な関係があります。折り目を交差させることで互いに双対なパターンを重ね合わせられることに気づき、写真のような作品を作りました(2010年)。 このように、私の作品は新しい設計アプローチの検証の意味合いが強いです。 pic.twitter.com/DDgAro5Y8B

2019-12-05 12:09:10
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(20) 軸対称な立体およびそれらの組み合わせによる Tessellation を一通り試したので、さてどうしようか、とまったく別の発想で作ったのがこちらです。 アルキメデス螺旋の組み合わせを1枚の紙で折ってみました(2010年)。 その後あまり発展せず、単発ものになりました。 pic.twitter.com/fVMBJ07IXe

2019-12-05 18:28:04
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(21) 2010年冬、写真の3作品を作るワークショップを東京ミッドタウン 21_21 design sight で行いました。 コンピュータを使って設計した折り紙のうち、比較的簡単に作れるものを選びました。 展開図を公開していますので、クリスマスのオーナメントにいかがでしょうか。 mitani.cs.tsukuba.ac.jp/dl/2010/christ… pic.twitter.com/1RgbGQHYbv

2019-12-05 19:31:46
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(22) 折り紙設計用のソフトウェアを開発したことで、基本原理は同じでもパラメータを変えることで、いくらでもバリエーションを増やせるようになりました。 実験的にいろいろな形を作ってみたので、研究室には折り紙作品が溢れかえりました。 残念ながら今では当時のものはほとんど残っていません。 pic.twitter.com/SFFtMghpTI

2019-12-06 10:19:31
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(23) 筑波大学会館に作品を展示する機会をいただいたときは、アクリルの筒に作品を放り込んだ状態のものを置きました(2011年)。 小さいもの1つ1つを見てもらうのではなく、それまでにいろいろ作ったもの全体で1つの作品という位置づけにしました。 pic.twitter.com/XxT84R8rzJ

2019-12-06 17:54:56
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(24) この写真は、何か新しいアプローチで形が作れないだろうかと試行錯誤していたときのもの。 (1枚目)別に折り紙にこだわらないとしたら、どうやって紙で球体の表現ができるかな。 (2枚目)伸縮する仕組みを入れたら面白いかな。 そんな考えで作ったものです。 pic.twitter.com/5pThBUoabb

2019-12-06 19:18:20
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(25) 可展面(1枚の紙を曲げて作れる曲面)の一部を鏡映変換した形は、やはり紙を切らずに作れる形になります。 そのような原理から、円錐の一部を折り返した形を1枚の紙から作れることはよく知られています。 鏡映面の配置を工夫して綺麗に仕上げたのがこの作品です(2010年)。 pic.twitter.com/XCv6NqMv5J

2019-12-06 19:26:06
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(26) 簡単な初期可展面に鏡映変換を繰り返し施し、曲線での折りを追加することで、この写真のような作品を作ることができました。 これは2010年冬に企画された21_21 DESIGN SIGHTでの展示に急遽追加したもので、その時に新しいデザインの方向性を示した、私にとって大事な作品の1つです。 pic.twitter.com/d4a6hAPXLk

2019-12-06 23:48:13
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(27) 任意の初期可展面に対して、対話的に鏡映変換操作を適用できるソフトウェアを開発したことで、曲線・直線を問わず、1枚の紙で作れる形をかなりの自由度で設計できるようになりました(2010年)。 ただし、曲線の折り目と言っても、それは平面曲線に限られるという制約があります。 pic.twitter.com/GfcNkG6nR6

2019-12-07 14:12:58
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