- arishima_takeo
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「ふぞく」というサウンドが、小野小町でオードリー・ヘップバーンで佳子内親王なのだ。by姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』
2019-12-17 09:05:18「だってインカレって、異性と知り合いたい、仲よくなるために飲み会したい、って、ようするにこれが本音でしょ」187p。そうなのか。衝撃的だな。
2019-12-17 12:27:41210p。「○○さんと結婚したらこんなみじめにならなかったのに」とか娘にいうかなあ? 近代小説に則って書けとは思わないが、ちょっと登場人物が類型的すぎるのでは。
2019-12-17 13:56:34カフェの店長さんが「おっと、急にいい顔になったね。さては、カレから?」(287p)とか言い出し始めて、それ自体が超セクハラで焦点がぼやける。こんなこと言い出すカフェ店員なんて実在するんだろうか。
2019-12-17 18:16:48「和久田はエノキに恋人ができないことを「センズリ連続千夜男」とよく嗤うのだ」(317p)。うん、なんかここが根本的な、かつ非東大生にとっても切実な論点だと思うね。なんでそんなにマスターベーションを呪っているのか、よく分からんね、キリスト教徒でもないのに。
2019-12-17 18:42:16ここ最近セックスをしてはトラブルを起こす小説ばかり読んでの感想なんだが、そんなに他人とコミュニケーションしなきゃいかんのか…というか、もうちょっとマスターベーションと真面目に付き合った方がいいのではないか的な。
2019-12-17 18:45:22小説のなかでセックスを描くことが日常化した今日、逆にマスターベーションの方が抑圧されてるのではないかと思えてきたな。現代文学はもっとオナニーの滑稽や悲哀を含めた歓びを積極的に描くべきなのでは。
2019-12-17 18:50:54p318。ここの「人文」の使い方。理系の人が読んだら怒るだろうな。別に人文社会系だって性暴力に加担することがあるんだから、なんだかなって感じがするけどね。
2019-12-17 21:59:05安吾の大学に入りたい女性とそれが皆目分からない東大生が対比的に描かれるが、ここにはちょっと理系そのものへの蔑視がある気がするけど…取材で事実としてそうだったのか?
2019-12-17 22:06:43「その引け目を、その挫折を、自己の裡でいかに対処するか、どう消化するか、その葛藤により、東大の女子学生にもお茶の水大の学生にも、まず生まれることはなう、みずみずしい陰影の人文が生まれることがある」337p。また出てきた。
2019-12-17 22:26:04つづくのが「星座研究会のメンバーはみな優秀な理I出なので、そんな陰影はロースペックの証でしかない」。うーん、違和感だなあ。
2019-12-17 22:28:22「数学コンクールで優勝し、原子力についてのすばらしい論文を発表した優秀な院生の和久田と、著名な母親の育てた優秀な息子である國枝は、他者の苦痛は想像できない」383p。だから、彼らの非人間性をこういうところに回収していいのか、ということなんだよな。
2019-12-17 23:18:49「漢和辞典をひいた体験どころか、漢和辞典を手にしたことすらないデジタル・ネイティブの若年層だった」405p。ここも引っかかるなー。
2019-12-17 23:35:53姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』読了。なんというか。前提として性暴力は悪しきことであり、学歴で人を値踏みする態度もクソだし、女性への二次被害も断じて許されないことだ…で、その上で、この小説はちょっと近代以前がすぎるのではないか。
2019-12-18 00:27:19具体的にはもうちょっとニュートラルな語りを採用すべきだったのでは。あと、東大生なんだけど犯人グループを批判したりするモサッとした登場人物の追加。現状の語りを読むと、「東大生」というエリート意識がこの種の事件を引き起こしたように読めてしまうが、それでいいのだろうか。
2019-12-18 00:44:40それでいいのだろうか、とは、問題の芯を捉え損ねていると思うからだ。つまり、現状だとこの小説は多くの男性に安心を与えるものとして機能してしまう、即ち「東大行くほど勉強ばっかしている奴らは性格が歪んでいるよね」(それに比べてオレ達は…)というエクスキューズを与えるだけに見える。
2019-12-18 00:46:06